岩崎夏海の記事一覧

1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著「部屋を活かせば人生が変わる」(累計3万部)などがある。
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人も社会も「失敗」を活かしてこそサバイブできる

イカロスは、ギリシア神話に登場する人物の一人だ。……イカロスは自らの力を過信し、太陽に近づきすぎる。そのためあえなく墜落し、死んでしまうのだ。この話を聞いて、福島の原子力発電所のことを思い浮かべない日本人は、おそらくいないだろう。一見便利な、めざましい科学の発展が、やがて過信を招き、大きなわざわいにつながるというのは、ギリシア時代以来、人間が何度もくり返してきたことだ。(2017.03.31)  続きを読む

近年の大ヒット映画に見る「作り方」の発明

『シン・ゴジラ』を見ていて、あるいは『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を読んでいて強く感じたのは、何かコンテンツの大ヒット作品が生まれる背景には、「新しい作り方が発明されている」ということだ。『シン・ゴジラ』の映画制作は、そのまま新しい映画制作スタイルの発明であった。平たくいうと、映画の作り方をこつこつと発明していたということである。これは『君の名は。』にも『この世界の片隅に』にも共通しているだろう。(2017.03.14)  続きを読む

なぜ、僕らは「当然起こるバッドエンド」を予測できないのか?

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(以下『MS』)という映画を見た。『MS』は、リーマン・ショックを題材にした映画だ。リーマン・ショック(2008年)を事前(2007年頃)に予測していた人たちの話である。彼らは、その予測をもとに大量の「空売り」をした。「空売り」のことを、英語で「short sale」という。原題は、『The Big Short』だ。だから、「巨大な空売り」という意味である。いつも思うのだが、邦題の付け方にはひどいものが多い。この『マネー・ショート 華麗なる大逆転』もひどいものだ。どうひどいかというと、テーマと逆行しているのである。これは、「華麗」な話でも「大逆転」の話でもない。(2017.03.04)  続きを読む

『君の名は。』『PPAP』…ヒットはどのようにして生まれるか

ヒットにはいくつかの法則がある。今日はそれを見ていきたい。ヒットの法則の一つに、「大衆に見つかる」ということがある。その面白さは、けっして新しいわけではなく、それまでにもあった。しかし、一部のコアファンが知るのみで、大衆は知らなかった。それが大衆に見つかることにより、大ヒットにつながる。(2016.12.21)  続きを読む

なぜ昔の絵本はロングセラーであり続けるのか?

「絵本」というものにおいて、特に紙の本においては、「情報」というものの価値は今ではほとんどなくなった。たとえそこに必要な情報が書いてあったとしても、たいていは紙の本以外(特にネットを初めとする電子機器)でもそれを手に入れることができるので、負けてしまう。では、電子機器になくて紙の本に今でもある価値は何か?(2016.11.26)  続きを読む

今後20年のカギを握る「団塊の世代」

イギリスがEUからの離脱を国民投票で決めた。ぼくは知らなかったのだが、その大きな要因の一つに「団塊の世代(ベビーブーマー)の影響」があるらしい。イギリスでも、団塊の世代は大きな勢力を誇っている。多数決の世の中では、数の多い方が強いからだ。それに比べ、数の少ない若者は冷遇されている。イギリスでも、多くの若者がEU離脱に反対し、離脱することを嘆いているという。こうした問題は、対岸の火事ではない。日本でも、今は若者が苦しめられている。(2016.11.17)  続きを読む

新海誠監督がこれまでの弱点を克服した傑作『君の名は。』

『君の名は。』を見た。ここからは、なるべくネタバレなしの感想を書きたい。まず、面白いか面白くないかでいえば、とても面白かった。ぼくは、最近「映画とは何か?」ということを考える中で、面白さの比重として「映像」が非常に大きいと感じるようになってきた。たとえシナリオが良くても、映像が良くなければ見ていて面白くない。その逆に、内容が面白くなくても、映像に見応えがあれば面白く感じてしまう。(2016.11.07)  続きを読む

能力がない人ほど「忙しく」なる時代

無能な人間ほど、ある言葉が口癖となっていた。それは「忙しい」だ。そのことに気づいてから、「忙しい」という言葉が禁句になった。その言葉を言う人間ほど、能力がなく淘汰されそうな負け組予備軍の証左となるからだ。(2016.08.02)  続きを読む

「空気を読む力」を育てる4つの習慣

「空気を読む」ということができていない人は、思いの外多いのかもしれない。最近、そんなことを考えさせられるできごとがあった。皆さんは、空気を読むことができているだろうか?(2016.07.26)  続きを読む

教養の価値ーー自分と世の中を「素直に見つめる」ということ

自分に素直になるということは、もう一人の自分を持って、自分を客観的に見ることによって果たされる。自分を客観的に見ることができると、自分の弱点が見えるから、それをあまり出さないようにできる。それと同時に、自分の長所も分かるから、それを上手く出せるようになるのだ。(2016.05.31)  続きを読む

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