
某火鍋の妖精アカウントにこんな記述があったところ、いろんな方面から「これ何やねん」というお話を頂戴するようになりました。
カード会社による決済BANに関しては、2018年以降、自民党筋にも外務省にも掛け合いましたがなかなか大変で、グズグズしているうちに完全にタイトルでの機械判断と一部目視でのBANが進んでしまい手遅れになりました。内々では勉強会を繰り返してきましたが、もう無理なので一般にも解放したいと思います
— 火鍋チャンネル(ヨッピー本人) (@hinabe_ch) June 3, 2024
まあ文字通りの意味なんですが、カード会社が悪者だとか、検閲に当たるのでどうにかしろなどという受け手側の論理とは別に、クレジットカード会社も決済を担う重要なインフラとして日本でサービスをしている限りにおいては、公共性、透明性、納得性をきちんと担保してほしい思うわけです。
ここには、最近憲法が定める私人間効力の延長線上に、デジタル立憲主義的な考え方も出てくる中で、政府は法の下の平等に対して障害となっているプラットフォーム事業者の実態に対して適切に対応するべきだという議論があります。私も、個人のTwitterアカウントをBANされたままなので裁判をやっているんですけど、これらは不法行為ではなく契約行為に当たる問題なのだから東京地裁からはカリフォルニア州の法律が適用されるのではという見解を出されて、日本人が日本で日本語のサービスを受けているのに日本の法律・消費者行政の枠内で対処されないというのはどういうことなのかという話を申し立てていて、これは最高裁判所まで行くべきものなんだろうなあと思っているところでした。
同じような話は、日本で合法に流通しているコンテンツに対して、仮にそれがエログロ的な同人作品であったとしても、国内では表現の自由の元で決済されるべきはずなのに、クレジットカード会社の考課として不適切とされる文言や内容が含まれるものは決済しないのであると一方的にREJECTされたり店舗ごと決済BANされてしまうということが起きます。国内で合法であるからには、適法に事業を営んでいる事業者や流通せしめるべきコンテンツが海外の事業者の判断でキャンセルされ、これに対して、国内で制裁解除の申し立てもできないというのは日本国内の法が法として機能していない状態なのではないかとも思うのです。
さすがに拙いでしょうということで、2019年からクレジットカード会社によって取引拒否されたコンテンツについての問題をずっと討議してきて、JILISでもこの問題を取り上げてきましたが、さすがに抜き差しならないことになってきたなあということで、立ち上がっていきたいと思っています。
また、これと並行していま問題となっているのはフリーランス法が新しく立ち上がっているにもかかわらず、なおクリエイターなど文化的資産の構築に不可欠な仕事に携わる人たちが、粗悪な労働環境で放置されてしまっているという現実があります。適切な給料や健康保険などの社会保障を享受できずに低賃金長時間労働に従事させられたり、傷病で働けなくなった後で復帰しがたい社会環境のまま放置されている点についても充分に考慮される必要があると思っています。
いわば、フリーランス、非正規雇用の人たちはもちろんこれからは諸契約や健康保険、年金にも守られる就業環境が整っていくことが期待される反面、いわゆる労働組合的な観点からはフリーランス、非正規雇用という扱われがたい属性であるがゆえに放置されてしまった面があります。ここをどうにかしたいということで、2020年ごろから知財本部やクールジャパン方面にはゆるゆると政策提言や働きかけをしてきたものの、何かあんまりそういう方面にはやる気が無さそうなので、これもまたできる範囲でちゃんと立ち上がろうかと思っているところです。
これらの問題は、フリーランスや非正規雇用の人たちが置かれている現状が不利であるか、不利であることにそもそも気づいていない人たちもたくさんいる中で、ギルド的な互助組織が不在すぎてずっと放置されてきた面があります。こういう人たちは低賃金なうえに結婚することもままならず、未婚・少子化の割合が極めて高い属性であることも踏まえて、なんかできないものなのかなあとずっと思ってたんですよね。
だいたいそういうことなので、いろいろと活動やイベントを立ち上げていきたいと計画をしていますので、ご関心のある方も興味本位の方もぜひお付き合いいただければ。
よろしくお願い申し上げます。
やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」
Vol.444 国内におけるクレカ規制の問題の深刻さを語りつつ、東京都知事選やeKYCが事実上終わりを迎えた件に触れる回
2024年6月19日発行号 目次

【0-1. 序文】そろそろ真面目に「クレジットカードのコンテンツ表現規制」に立ち向わないとヤバい
【0-2. 代表質問】山本氏の『ボク言いましたよね』の真髄を知りたい
【1. インシデント1】告示前に終戦してしまった東京都知事選挙
【2. インシデント2】ようやくゴミeKYCがご臨終の件
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A
やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」のご購読はこちらから

その他の記事
|
ファミリーマート「お母さん食堂」への言葉狩り事案について(やまもといちろう) |
|
国家に頼らない「あたらしい自由」を目指すアメリカ(高城剛) |
|
アマゾンの奥地にしかない「知覚の扉を開く鍵」(高城剛) |
|
フィンテックとしての仮想通貨とイノベーションをどう培い社会を良くしていくべきか(やまもといちろう) |
|
サイバーセキュリティと官民協力の実態(やまもといちろう) |
|
なぜ「もしドラ」の続編を書いたのか(岩崎夏海) |
|
四季折々に最先端の施術やサプリメントを自分で選ぶ時代(高城剛) |
|
幻の鳥・ドードーの来日説を裏づける『オランダ商館長の日記』(川端裕人) |
|
消費市場が活性化するインドの今(高城剛) |
|
「お気持ち質問」本当の意味(小寺信良) |
|
先端医療がもたらす「あたらしい人類」の可能性に思いを馳せる(高城剛) |
|
華やかなイルミネーションの裏で地殻変動を起こしているLA(高城剛) |
|
泣き止まない赤ん坊に疲れ果てているあなたへ(若林理砂) |
|
「脳内の呪い」を断ち切るには(西條剛央) |
|
「10年の出会い、積み重ねの先」〜日本唯一のホースクリニシャン宮田朋典氏による特別寄稿(甲野善紀) |











