西田宗千佳×小寺信良対談 その4(全5回)

PCがいらなくなる世界

今月の対談のお相手は、電気が通るモノ全般を扱うというジャーナリストの、西田宗千佳さんにお願いしている。

この対談、全4回と言ったな。あれは嘘だ(またか)。面白いんである。全然切れないんである。使いどころ満載なのである。したがって本来最終回となる4回目の今回も、全然終わる気配もなく続く。たぶん5回で終わるかなー。どうかなー。自信ないなー。

今回のお話しは、PCというものの使い道の話。世の中スモールデバイス、スマートデバイスが主流になってきて、PCレスが当たり前の世界になりつつある。だが、それで失うものがないわけはない。

 

使う目的はYoutubeとニコ動

西田 パソコンとかの売り方って、やっぱり難しくなってんだと思うんですよ。だって体験が変わんないんだもん。

小寺 あと、パソコンを使う目的。これをどうも見失ってきてる感じがあるんですよね。ちょっと前までは写真をどうにかしたいとか、テレビを録りたい、録ったあとなんとかしたい、みたいなところがあってみんなパソコンに行ってたわけだけど、今はもう地デジで難しくなっちゃってるじゃない。パソコンを何に使うの、っていうところが非常に行き詰まってる感があるような気がするね。

西田 それはそうでしょうね。うちの甥っ子、姪っ子に、僕、彼らが高校に上がる時にパソコンを買ってあげてるんですよ。その代わり、二度とお前らには小遣いはやらねえ、っていう条件でね。

[caption id="attachment_1975" align="alignnone" width="420"] 某メーカーの某新製品説明会にて同席した小遣いはやらない西田宗千佳氏[/caption]

小寺 (笑)。

西田 彼ら彼女らがなんでパソコン使ってるかっていうと、明らかにね、YouTubeとニコ動なんですよね。

小寺 ああー、そうなんだ……。

西田 僕たちが中学、高校、大学になって、自分のためのテレビが欲しくなった時期ってあるじゃないですか。ラジオから自分のためのテレビに。あのへんの感覚にむしろ近いんですよね。

小寺 ということはさ、もうクリエイトのためのツールじゃないね。

1 2 3

その他の記事

パワーは正義。USB Type-C PDで変わるモバイル(小寺信良)
「愛する人にだけは見せたくない」顔を表現するということ(切通理作)
素敵な真夏を迎えるための身体の備え(高城剛)
そんなに「変」じゃなかった「変なホテル」(西田宗千佳)
ゲームを通じて知る「本当の自分」(山中教子)
脳と味覚の関係(本田雅一)
波照間島への旅のコツ(高城剛)
殺人事件の容疑者になってしまった時に聴きたいジャズアルバム(福島剛)
あなたが「運動嫌い」になった理由(若林理砂)
私が古典とSFをお勧めする理由(名越康文)
「Surface Go」を自腹で買ってみた(西田宗千佳)
何とかなった日韓GSOMIA「パーフェクトゲーム」の苦難(やまもといちろう)
ファーウェイ問題から想像する強者にとっての心地よさ(本田雅一)
僕たちは「問題」によって生かされる<前編>(小山龍介)
想像もしていないようなことが環境の変化で起きてしまう世の中(本田雅一)

ページのトップへ