自分と世界が調和する時
こんなことを考えてみましょう。ユングもよく出す例なのですが、雨乞いの祈祷師のことです。
中国の田舎で、干ばつが続きいていたときのこと。そこに雨乞い師が呼ばれました。で、どうするか。護摩をたき、全身全霊で祈りをささげる、というようなパターンを想像しがちですが、実はさにあらず。
道士は何もせず、用意された小屋にただはいって、そこに座っただけなのでした。そのまま何日かすぎると、なんと、雨が降り出した、という結末。
これは一体、魔術やシンクロニシティの喚起なのでしょうか?
道士がいうには、その場の調和が乱れていた。だから、まずは自分のなかに調和を取り戻すことで、自然にその周囲の世界にも調和が戻ってきた、というのです。
この逸話が本当かどうかはわかりませんが、シンクロニシティ的な奇跡の現象をよく表わしていると思うのです。
自分と世界が調和したときに、不思議な一致が「おのずから」起こってくる。これは自分の力が無理やりに何かを起こしているというのではない、ということ。
がつがつと何かを祈念するときには、実はその願いがかなわなかった場合にたいしての恐怖や恐れが必ずセットになっています。
感情としては、恐怖や恐れの方が強い。だから、そちらにひきずられてしまいがち。そうではなく、気持をオープンにして、この世界にたいして開いていくということ。
それがもしかしたら、シンクロニシティが起こり「やすく」なるということなのかもしれません。これが黒魔術と白い魔法の、実際のところの違いではないかと思っています。
※この記事は「鏡リュウジメールマガジン プラネタリー夜話」2013年5月13日 Vol.044<シンクロニシティの起こし方>を元に再構成したものです。
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1968年3月2日生まれ。占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。占星術・占いに対する心理学的アプローチを日本に紹介したことで、幅広い層から圧倒的な支持を受け、従来の『占い』のイメージを一新する。英国占星術協会、英国職業占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。夜間飛行よりメールマガジン「プラネタリー夜話」配信中。
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