※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.052「ダイエット成功のための<PDFMサイクル>とは?」(2019年9月16日)からの抜粋です。

今年も9月にアップルが新型iPhoneを発表しました。事前には「今年は厳しい」「あまり売れないのでは?」と予想されていましたが、現時点ではかなり反応はいいようです。
端末性能や機能の向上は、発売直後の買い替える積極層には受けても、その広がりは限定的だと思っていました。しかし、ソフトバンクを皮切りにKDDIも端末を半額で購入できる仕組みを提供することを発表。NTTドコモは1/3までのサポートですが、いずれは他社を追従するでしょう。こうしたことに加え、昨年のiPhone XRが価格を引き下げた上でラインナップに残ったことも、iPhoneシリーズ全体の売上げを下支えしそうです(もっともいちばんの売れ筋は2年前のiPhone 8なのですが)。
そのアップルは、今回の発表でしたたかなコンテンツサービス戦略を発表しました。有料映像配信サービスの「Apple TV+」、定額制ゲーム配信サービスの「Apple Arcade」は、極めて安価に提供するだけでなく、自社製品のユーザーに有利な価格を提供します。日本での各サービスの価格は月600円ですが、Apple TV+に関してはMac、iPad、iPhone、Apple TV、iPodのいずれかを購入したユーザーには、1年間無料でファミリーライセンスが付与されます。
例えばですが、端末の買い替えサイクルを3年と仮定した場合、家族3人で端末を使い回すような買い方をしている場合、iPhoneを使っている家族はずっと無料のままApple TV+を楽しめることなりますし、アップル製品のファンで複数種類のデバイスを定期的に買い替えている人も、無料で使える人は多いはずです。
Apple TV+の作品群は、著名な制作者や俳優が多数参加しており、Netflixオリジナルのように、将来はさまざまな賞の獲得を予感させるものも少なくありません。もちろん、Netflixオリジナルと同等のカタログになるには時間がかかるでしょうが、アップル製品ユーザーが家族揃って(ほぼ)無料というのは、なるほどよく考えたものだと思いました。
これもグローバルで単一のプラットフォームを多くのユーザーに提供している強みがあるからこそですが、彼らはApple TV+を楽しめるようテレビメーカーと話し合いを進めています。すでにLGやVISIOは対応していますし、ソニーも年内には対応予定です。テレビ自身が対応していなくとも、アマゾンのFire TVというスティック型モジュールを用いれば観ることができます。この戦略を続けた後、カタログタイトルが増えたところでアップルは、自社製品以外向け(例えばAndroidスマホやAndroid TV Platform)にもApple TV+を提供し始めるのではないでしょうか。
Apple Arcadeもそうですが、現在のスケールで投資を続ければ、きっと魅力的になることは予想できます。彼らはサービスで利益を得るのではなく、アップル製品のユーザーでありたいと思い続けるモチベーションを高めることで本業のハードウェア事業を盛り立てようとしているのでしょう。
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」

2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
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