※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.073「“迷惑系”が成立する、ぼくらが知らないYouTubeの世界」(2020年8月5日)からの抜粋です。
このところ、“迷惑系YouTuber”という、あまり耳慣れないカテゴリーの人が話題になっている。「へずまりゅう」という人物が迷惑行為を繰り返しながら、新型コロナウイルスを撒き散らし、さらには警察に逮捕されて捜査担当者にも感染させていたことがメディアで報道されたことが大きい。
山口県に住む彼がYouTubeを始めたのは2019年。当初は、県内の名所の観光案内や大食い企画など、問題のない動画を投稿していたようだ。ところが競争の激しい世界。多くの動画の中で、彼の動画を見てもらうきっかけが掴めなかったようだ。そこで過激動画の世界に手を染め始めたのだ。
しかし、彼は過激を通り越して犯罪的な動画に向かい、結果的に9回もYouTubeアカウントを停止されている。逮捕された時点では収益を得られるYouTubeチャンネルは持っておらず、“YouTuber”と呼べないのでは? という声もある。
では、なぜ収益化されたチャンネルが持てないような彼が、報道されているように全国を行脚しながらの迷惑動画撮影を続けることができたのだろうか?
迷惑系YouTuberが投影する“モラルより数字”のネット社会
“迷惑系YouTuber”と書いているが、今、へずまりゅうはYouTubeから収益を得ていない。これまでにも9回もアカウントを停止され、YouTubeからの収入はそれほど多くのものではなかったようだ。
そうなってくると、へずまりゅうとはYouTuberなのか? という疑問が生じてくるだろう。
しかし、それでも彼はYouTuberなのだと思う。
彼はYouTubeという世界で二番目に大きな検索サイトで支援者を集め、YouTubeの人気チャンネル運営者を付け狙い、何度アカウントを停止されてもYouTubeのコンテンツを上げることでフォロワーたちを満足させ、活動資金を手渡されてきた。YouTubeから直接の大きな収益は得ていないものの、YouTubeを主戦場に活動しているという意味では、あながち間違っていないと思うからだ……
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」
2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。


その他の記事
![]() |
感性のグローバリゼーションが日本で起きるのはいつか(高城剛) |
![]() |
突然出てきた日本維新の会4兆円削減プランって実際どうなんだよ(やまもといちろう) |
![]() |
シュプレヒコールのデジャブ感—大切なのは、深く呼吸をすること(名越康文) |
![]() |
「モノ」と「場所」に拡張していくインターネット(高城剛) |
![]() |
ヨーロッパ最大の放送機器展でこれから来る欧州の冬を想像する(高城剛) |
![]() |
Alexaが変えた生活(悪い方に)(小寺信良) |
![]() |
新「MacBook」を使ってみたらーー「ペタペタ」キーボード礼賛論(西田宗千佳) |
![]() |
「アジカン」ゴッチと一緒に考える、3.11後の日本(津田大介) |
![]() |
「高倉健の死」で日本が失ったもの(平川克美×小田嶋隆) |
![]() |
ソニーが新しい時代に向けて打つ戦略的な第一手(本田雅一) |
![]() |
「ラスト・ナイツ」ついに公開ーー苦労そのものに喜びがある(紀里谷和明) |
![]() |
週刊金融日記 第302号【コインチェックで人類史上最高額の盗難事件が起こり顧客資産凍結、暗号通貨は冬の時代へ他】(藤沢数希) |
![]() |
ドラッカーはなぜ『イノベーションと企業家精神』を書いたか(岩崎夏海) |
![]() |
いつか著作権を廃止にしないといけない日がくる(紀里谷和明) |
![]() |
「大テレワーク時代」ならではの楽しみ(高城剛) |