高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

コロナで変わる観光客とビジネス客の流れ

高城未来研究所【Future Report】Vol.529(2021年8月6日発行)より

今週は、キリマンジャロにいます。

この夏、東アフリカのタンザニアを訪れる観光客が急増しています。
まず、タンザニアは「コロナはない」ことになっています。
タンザニアは昨年5月以降、新型ウイルスの感染状況を公表しておらず、政府はワクチン購入を拒否している状況がずっと続いていました。

感染者数で見ると、時折海外調査団が入った時にだけ人数が報告されますが、あとは外国人用クリニックに訪れた人のわずかな数だけカウント。
実際、タンザニアには多くの感染者がいると思われますが、「コロナが存在しないことで観光客の呼び込みに成功している」と話す観光業者が多く、それが功を奏してか、この夏、欧州を中心に観光客が増えています。

昨年、大統領は「神はタンザニアを新型コロナウイルスから救われた」と「コロナフリー」宣言をしたため、公式な場でウイルスや感染事例の存在を認め難い状況となりました。
マスクを着用するタンザニア人を街中で見かけることもありません。

しかし、皮肉なことに今年の春にコロナ(と思われる疾病)で大統領が死亡。61歳でした。

タンザニアにおける観光業はGDPの20%近くを占め、外貨収入の30%弱を獲得する巨大な産業です。
僕が見る限り、来年夏に観光客の復活がなければ、世界中の観光ビジネスの大半は廃業せざるを得ません。
つまり、感染がどうであろうと、来年夏に観光業はそれなりに(半ば強引にでも)戻ることが予測されます。

ただし、ビジネス客は、それほど戻りません。
一度オンラインによる利便性を得た労働者は、なぜ出社しなければいけないのかと訴える状況が続くでしょうし、コンベンションなどの大半もオンラインへとシフトすることが考えられます。

先日、Appleは新型コロナウィルスのパンデミックによってこれまでリモート勤務にしていた従業員に対し、9月より月、火、木曜の週3日はオフィスに出勤し、水、金の2日はリモートでの勤務とする「オフィス復帰計画」を全従業員にメールしました。
ところが、一部の従業員はオフィスへの出社をしなくてもよい柔軟なアプローチを求めており、クックCEO宛に意見書を提出し、企業側はそれを飲まざるを得ない状況になってきました。
今後、どうなろうと仕事の仕方(と企業との関係性)は大きく変わるでしょう。

今年も夏の旅がはじまりました!
ただし、別世界を巡る気分です。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.529 2021年8月6日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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