【連載】元卓球世界王者の「上達の法則」

(2)「目標」から「目的」へ

あなたが卓球をやる「目的」はなんですか?

卓球が上手くなるというのは、試合に勝つことだ、と考える人がいま す。もっと極端な言い方をすれば「スポーツなんてしょせん、勝ち負けがすべてだ」という人もいる。もちろん人それぞれ、考えがあってもいいんです。でも、 私はそういう言葉を聞くと、「本当かな? 本当にそう思っておられるのかな?」とも思うんです。

例えばどんな強い人だって、ケガをしたら弱くなりますよね。年齢とともに筋力が衰えてきたら、昔と同じようには勝てなくなるかもしれない。あるいは勝ったその瞬間はうれしいかもしれないけれど、何年か経てば、そんな試合のことは自分以外、誰も覚えてないかもしれないですよね。

 

[caption id="attachment_2770" align="aligncenter" width="640"] 選手時代の筆者[/caption]

 

私は、卓球をやるには「目標」と「目的」があると考えています。

「目標」というのは、例えば全日本選手権で優勝するとか、今度の大会でベスト8に入る! といったことがある。それはそれでいいけれど、それは卓球をやる「目的」ではありませんよね。

「目的」というのは、「自分は何のために卓球をやるのか」ということです。「勝ち負け」は目標にはなるかもしれないけれど、それは卓球をやる「目的」にはならないんじゃないかな、と私は思うんです。

選手として活躍している人も、趣味として楽しんでいる人も、自分は何のために卓球をやるのか、ということを一度考えてほしんです。なぜなら、目標と目的を混同していると、何をやっても次につながっていかないから。卓球をがんばるのはいいけれど、それがその人の「人生」につながらなかったら、つまらないと私は思うんです。

1 2

その他の記事

小保方問題、ネトウヨとの絡み方などなどについて茂木健一郎さんに直接ツッコミを入れてみた(やまもといちろう)
重心側だから動きやすい? 武術研究者・甲野善紀の技と術理の世界!(甲野善紀)
「オリンピック選手に体罰」が行われる謎を解く――甲野善紀×小田嶋隆(甲野善紀)
僕がザハ案の国立競技場の建設に賛成していた、たった一つの理由(岩崎夏海)
ジェームズ・ダイソンのイノベーション魂(本田雅一)
ピコ太郎で考えた「シェアの理解が世代のわかれ目」説(西田宗千佳)
能力がない人ほど「忙しく」なる時代(岩崎夏海)
「対面力」こそAIにできない最後の人の役割(高城剛)
【疲弊】2021年衆議院選挙の総括【疲弊】(やまもといちろう)
「狭霧の彼方に」特別編 その2(甲野善紀)
新型カメラを同時二台買いするための長い言い訳(高城剛)
孫正義さん、周りに人がいなくなって衰えたなあと思う件(やまもといちろう)
都市近郊の統一地方選が「ドッチラケ」な理由(小寺信良)
様々な意味で死に直面する「死海」の今(高城剛)
国民民主党「部分連合」で迎える石破茂政権で思い切れなかったところ(やまもといちろう)
【DVD】軸・リズム・姿勢で必ず上達する究極の卓球理論ARP
「今のままで上達できますか?」元世界選手権者が教える、新しい卓球理論!

ページのトップへ