ルールが変わるビジネスモデル
小寺:インプレスは広告モデルで動いてるわけなんですけど、Engadgetの収益って、やっぱり普通の広告モデルなわけですか?
鷹木:基本的には広告なんですけど、やっぱり純広(純粋広告)みたいなのは売上がどんどん下がってるんで、純広は僕らとしては増やせない。逆に、タイアップ的なものとか、イベントみたいな形で収益を増やしていくしかないね、みたいな話をしてます。
反応がすごくあるメディアなので、もしかしたらリアルのイベントというのいいよね、と思ってやり始めたのが部活動イベントみたいなことだったですよ。実際やるとですね、1週間とか2週間の告知で50人ぐらいすぐ集客できちゃうんですよ。これけっこう驚きで。普通は1カ月くらいかけてやるんでけっこう大変なんですけど、思いついて「じゃやろっか、2週間後」とかですぐ集まっちゃうんで。
やっぱり、皆さんすごく、僕らのポストに対しての反応が生々しいな、と。で、調子に乗ってこないだみたいなイベントをやったら、最終的には911人いらっしゃってくださって、それ自体も僕的にはけっこう驚きというか。
ただ収益のところは本当に、実は完全に見えてるわけじゃないんですよ。おっしゃるようにメルマガみたいなマネタイズプランってやっぱりタイトで、相当針の穴を通すようなことをやんないと儲からないし。今タイアップはけっこう売れてますけど、でもタイアップってスケールしないんですよね。たとえば今年間に30本だったとして、これを300本やれるのかというと、たぶんやれないんですよ。
その中で、イベントの収益性みたいなところに今うちは来てるのかな、と。AOL自体はけっこう米国ではイベントをやっていて、それはウケてるんですね。ただそれは米国独自の事情があると思っていて。向こうって中核都市みたいなのが各場所にあるじゃないですか。たとえばTechCrunchとかだと、大きいイベントって、TechCrunch disrupt San Franciscoとか、TechCrunch disrupt NYみたいなことを年間2回ぐらいやってて、それに到るまでにTechCrunchのイベントを各中核都市でツアーしてるんです。
小寺:ああー、なるほど。全国ツアーで回ってんだ。
鷹木:彼ら自身の宣伝にもなるし、そこそこの都市でそれなりの収益を上げていって、主要都市でドカーン、みたいなことをやってる。じゃ日本でそれできんの? みたいなこともちょっと考えてはいるんですけど……たとえば東京で1000人集客しました、これぐらい儲けました、じゃ大阪で500人集められるのかとか言われたら、まあちょっとわかんないという。
小寺:うーん。たしかに大都市間でも、温度差けっこうあるんですよね。
鷹木:ま、もしかしたら東名阪はうまくいくのかもしれないけど、じゃ福岡とか札幌とか、もしくはもっとその下の中核都市みたいなのが果たして市場性があんのか、みたいなところがちょっと怖いというか、読めない。
小寺:うん。
鷹木:ただ実際やるんだったら、本当はそういう全国ツアーみたいなことをやるべきなんじゃないかなと思ってはいます。
その他の記事
|
日本が地震大国であるという現実(高城剛) |
|
『STAR SAND-星砂物語-』ロジャー・パルバース監督インタビュー (切通理作) |
|
年末企画:2019年度の「私的なベストカメラ」(高城剛) |
|
東大卒のポーカープロに聞く「場を支配する力」(家入一真) |
|
「爆買いエフェクト」と沖縄が抱えるジレンマ(高城剛) |
|
「他人のタスク」に気を取られるな–自分を変える人のほうが得をする(名越康文) |
|
ファッション誌のネットを使った政党広告炎上は本当に“炎上”だったのか(本田雅一) |
|
「苦しまずに死にたい」あなたが知っておくべき3つのこと(若林理砂) |
|
「テレビに出ている若手ロシア専門家」が古典派ロシア研究者にDISられる件(やまもといちろう) |
|
「残らない文化」の大切さ(西田宗千佳) |
|
「小池百合子の野望」と都民ファーストの会国政進出の(まあまあ)衝撃(やまもといちろう) |
|
コロナ後で勝ち負け鮮明になる不動産市況(やまもといちろう) |
|
「支持政党なし」の急増が示す政治不信の本質(やまもといちろう) |
|
競争法の観点から見たTwitter開発者契約の不利益変更とサードパーティーアプリ禁止問題(やまもといちろう) |
|
すべてがオンラインへ(高城剛) |










