※高城未来研究所【Future Report】Vol.253(2016年4月22日発行)より

今週は、千葉県浦安市舞浜にいます。
ここ数日、仕事の関係で浦安のディズニーランドにあるホテルに宿泊しています。
ロビーから部屋までキャラクター尽くしで(汗)、朝食をとろうと階下に向かえば、ミッキーと一緒に食べるかどうか尋ねられ、丁重にお断りして通常ラウンジで食事を食べても、周囲は仮装?客ばかりで、コンピュータを抱えて一人でいるゲストは僕だけです。
また、深夜にヘトヘトになってホテルに戻ると、誰もいないエレベーターの中から、突然ミッキーの声が、、、、。
ここに数泊しますと、「夢の国」どころか「悪夢の国」に迷い込んでしまったように感じます。
もちろん、この「夢の国」で異質な存在は僕のほうなのですが、ミッキーを型どったボトルの水が500円で、バケツに入ったポップコーンが2000円もすることを冷静に考えれば、こんな「現実的な国」は、世界中を見ても他にはないように思います。
実は、ディズニーが大きく発展したのは、ここ20年少しのことで、1980年代にはフロリダに作った「ディズニーワールド」の負債により、倒産寸前まで追い込まれまる状況に陥っていました。
当時、東京ディズニーランドのライセンス料を軍資金として、あたらしく加わった経営者マイケル・アイズナーは、創始者ウォルト・ディズニーの「夢の国」を「現実的な国」へと作り変え、その後大きく発展することにつながります。
いわば、「魔法」や「奇跡」が本当に起きることになるのです、資本主義下において。
この「奇跡」をもたらしたマイケル・アイズナーは、経営者としては天才的でも、クリエイターとしては非凡で、安易なシリーズものを連発させる作品作りは、中期的にはディズニーのアニメ映画制作の質を凋落させる要因になってしまいました。
そして、このマイケル・アイズナーに引導を渡したのは、かのスティーブ・ジョブズなのです。
共に強烈な個性の持ち主で、何にでも口を出さないと気がすまないマイクロ・マネジメントの両者は、PIXARを巡って何度もぶつかりましたが、結果的にジョブズの繰り広げる「現実歪曲空間」が「夢の国」を駆逐し、マイケル・アイズナーは辞任します。
これ以降、ディズニーはPIXARを買収し、あたらしい方向へと大きく舵を切ることになりました。
いわば「脱・夢の国」へと向かうことになるのです。
昨年、米国ディズニーは、パンクやドラッグ、セックスなどのコンテンツを載せたフリーペーパーからはじまり、メキシコ麻薬カルテルによる石油抜き取りや英刑務所内のイスラム教徒の実情を暴いたジャーナリズムとパンクカルチャーが融合した特異なインターネット映像メディア「Vice」に出資し、現実どころか「背徳」までディズニーランドに取り込もうとしています。
これは、マイケル・アイズナー時代のディズニーでは、考えられないことです。そう考えると、東京ディズニーランドは、古いディズニーを温存する「夢の国」の残骸ともいうべき空間で、21世紀的ではないように感じます。
さて、浦安にある東京ディズニーランドに、「背徳」が登場する日が来るのでしょうか?
それとも、「現実逃避空間」として、いつまでも人を集め続ける事ができるのでしょうか?
僕は、ここに不思議と「昭和」を感じる今週です。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.253
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/ 2016年4月22日発行 /
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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