※高城未来研究所【Future Report】Vol.630(7月14日)より

今週は、サンパウロにいます。
猛暑が続く北半球を後にして南半球へと移動し、心地よい日が続きます。
実は先週、人類史上でもっとも暑い1日が訪れました。
国立環境予測センターのデータによりますと、北半球南半球すべてあわせた世界の平均気温は、先週月曜日に17度に達し、猛暑で多くの人たちがお亡くなりになった2016年8月の16.9度を上回りましたが、翌日火曜日には平均気温が17.2°Cという史上最高記録を早くも上回り、さらに木曜日には世界の平均気温が新記録に達しました。
この最高気温の更新は、2023年の北半球の夏の極端さを示しており、確かに僕自身が数週間前に滞在したセビリアでも日中40度を遥かに超え、中国や英国でも記録的な暑さが続いています。
世界気象機関(WMO)によりますと、エルニーニョ現象が太平洋熱帯域で7年ぶりに発生し、ペッテリ・タアラス事務総長は先週の声明で、「エルニーニョの発生は、気温の記録更新の可能性を大きく高めるだろう」と述べています。
暑くなるのは、まだまだこれからです。
一方、サンパウロは通年でもっとも快適なシーズンで、最低気温が16度、最高気温でも27度程度と、過ごしやすい日が続きます。
サンパウロは南半球最大の都市で、位置的にもっとも暑いのは2月ですが、気候変動に悩まされるも北半球ほどではありません。
そう考えると、気候変動の煽りを大きく受けているのは、長年人類を育んだ北半球の温帯地域ですが、かつて気候変動により民族大移動が起きたことを考えると、今後、北半球の温帯で人類史上初とも言える何か大きな変化が起きるだろうと推察します。
また、いまから15年ほど前に出した自著「南国日本」にも記載したように、シエスタ導入とはいかないまでも、猛暑の日々を過ごす「夏の働き方改革」を実施しなければ、ただでさえオーバーワーク気味な日本式システム下で働く人たちは、真夏を越せなくなってしまいます。
現在、ブラジルでは、管理職も含めて、1年のうちに連続30日のバケーション休暇(しかも有給)を与えなければいけないという決まりがあります。
また、1週間の労働時間は44時間までと厳しく制限されていて、残業は1日2時間まで。
その際の残業代は、50%割り増しの給料を企業は支払わなければなりません。
毎年酷暑だったブラジルや東南アジアの人たちは、エアコンが効いたビルの中で過ごす仕事に憧れるのが原動力になって成長を遂げました。
熱帯と北極圏の両方で暮らすことができる大型動物は、地球上で人間だけしかいませんが、その鍵は、生活スタイルを大きく変えることで生き延びてきた歴史もあります。
ポストコロナ時代の働き方とは、利便性というより気候変動に適応したリモートワークと、日本では考えられなかった(許されなかった)ロングバケーションなのかもしれないな、と感じる今週です。
どうか皆様、ミネラル補給をお忘れなく。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.630 7月14日日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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