高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

地域マネージメントのセンスに左右される観光地の将来

高城未来研究所【Future Report】Vol.277(2016年10月7日発行)より


今週は、小樽にいます。

ちょうど中国の大型連休「国慶節」の時期だったこともありまして、小樽は、どこに行っても海外からの観光客ばかり。
それは、中国人だけに限りません。
いまや「国慶節」は、中華系企業の多い東南アジアを含むアジア一帯の大型連休ですので、マレーシアやインドネシアをはじめとする、イスラム系のゲストも多く見かけました。

その海外ゲストが次々と吸い込まれていく運河沿いの美しく古い石造りの建物がありまして、なにがあるんだろう、とそばまで行ってみると、歴史的建物の中にあったのは、大きな免税店でした。
景観美が有名な小樽は規制も厳しく、コンビニエンス・ストアもブランドカラーを使えないことで有名ですが、古きよき石造りの倉庫建築の外壁に「TAX-FREE」、「免税」の文字が赤く浮きあがり、その免税店の看板は、美しい景観を台無しにしてしまう「安っぽさ」を持っています。

それにしても大人気の様子で、この有名免税店の「小樽運河店」は昨年5月にオープンしたばかりですが、今年2月には、2.4倍の面積に増床したそうで、まだまだ広がる気配があり、同様に小樽の街が原宿竹下通り化というか、那覇国際通り化というか、観光お土産屋ストリートに変貌していたのにビックリしました。
また、電線地中化もまったく進んでなく、地域マネージメントは、本当にセンスが大事だと実感します。
劣化した観光地小樽と、コンビニの出店すら厳禁な小江戸・川越のこの十年間の差は、どこかで大きく離れることになるでしょう。

さて、小樽と言えば、鮨どころ。
かつては人口20万人弱の街に、かつては200軒近い鮨屋があり、いまは人口減とともに135軒ほどになりましたが、それでもまだまだ町中に多くの鮨屋があります。
この時期の個人的に楽しみな鮨ネタは、「こまい」(魚へんに氷)の魚卵でして、これを食しに北国を夜な夜な彷徨っておりまして、ここでも驚いたのですが、老舗の鮨屋の大将が、いまや中国語を操るようになってました。
多い日には、来店者の8割が中国系だそうで、このあたりも原宿のブランドショップと似ているのかもしれません。
東京はオリンピックに備え、英語を話せる人材をサービス業全般に求めているようですが、観光業では英語よりも中国語、と鮨屋の大将が話していたのが印象的でした。

日中はまだ暖かい日差しですが、寿司ネタを見る限りには、もう冬の味。
街は変貌しても、美味しい鮨は小樽ならではだと思います。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.277 2016年10月7日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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