実に微妙な社会保障議論についての11月末時点での総括

メルマガを書くほどに、この問題は重いなあと思うのです。財政審ネタがこのところ私個人の最大のトピックスで、内々で社会保障予算は最大144兆円を超えるとかいうネタが回ってきて「144兆円ですまないときのことを考えて手を打つ必要があるんですよ…」と折り返しのメールやメッセを打つ毎日です。(やまもといちろう)
続きを読む2023.11.30

外資系企業の「やり得」を止められるルール作りこそがAI規制の本丸

アメリカでも人工知能をリードするビッグテック各社に対する独占禁止当局の動きが厳格化の方向にシフトしているのは事実のようです。EUのAI規制も面倒くさい感じで走っており、しかし重要な論点が山盛りであるためこのままで進むんでしょう。(やまもといちろう)
続きを読む2023.11.28

コタツ記事問題

江川紹子さんがブチ切れてた件ですが、ぶっちゃけコタツ記事問題なんて昔からありましたよね。なんでコタツ記事なんてやるかって言うと、当然ですがヤフー配信され、サイトに検索エンジン経由で客が来て広告を踏んで儲かるからです。儲からなかったらコタツ記事なんてやらんわけじゃないですか。(やまもといちろう)
続きを読む2023.11.27

季節にあわせた食の衣替え

今週は、長野県上田にいます。日中が4度まで落ちる上田市から30分ほど離れた山中におりますが体脂肪10%前後だと一段と寒さが身に染みます。(高城剛)
続きを読む2023.11.27

季節の変わり目の体調管理

今週は、東京にいます。そろそろ冬の忘年会シーズンに備えたメンテナンス週間に突入したいところですが、まずは時差ぼけ&季節ボケを完全に解消しなければなりません。(高城剛)
続きを読む2023.11.20

映画は誰でも作れる時代

今週は、東京にいます。いよいよ明日から「ケト・サピエンスは牧草牛の夢をみるか」の劇場公開がはじまります。いまから4年近く前、このメールマガジンで監督や撮影スタッフを募集し、なかにはカメラすら触ったことがない読者もいらっしゃいましたが、いままでにない撮影方法を編み出し、チーム一丸となって沖縄ロケからスタートしました。(高城剛)
続きを読む2023.11.13

トレーニングとしてのウォーキング

今週は、バレンシア、ベニドルム、アリカンテ、バルセロナ、パリ、ドバイ、東京と日々移動しています。何度かお伝えしましたように、春から秋の渡航シーズンは、ほぼ運動らしい運動をしていません。それもそのはず、毎日のように小さくても重い機材を持って、足早で移動していたら、それ自体がトレーニング同然だからです。(高城剛)
続きを読む2023.11.06

江東区長辞職から柿沢未途さん法務副大臣辞職までのすったもんだ

大騒ぎとなった江東区、区長選が12月10日になったようであります。もちろん理由は木村弥生さんが公職選挙法ど真ん中の違反となる、選挙期間中のオンライン広告掲載というやらかしであって、ちょっとした間違いや手違いとは言えないレベルでこりゃもう全然駄目ですから致し方ない面はあります。(やまもといちろう)
続きを読む2023.10.31

私の経営情報グループ『漆黒と灯火』の会員を募集したら一日で枠が蒸発した

しばらくぶりに『漆黒と灯火』の募集をやってみたところ、なんか一日ちょいで募集枠15名が蒸発したとかで… その後、募集を知らなかったのでどうにかなりませんか的なお問い合わせをいただくなどして、申し訳ないことになってしまいました。(やまもといちろう)
続きを読む2023.10.30

可視化されているネットでの珍説や陰謀論に対するエトセトラ

選挙関連の調査でずっと泡沫政党の動きはチェックしていて、立花孝志率いる(クビになった)旧N国党がほとんど支持を霧消させる一方、共産党系の支持者らを巻き取る形で台頭したれいわ新選組が社民党を完全に抜いて政党としての規模を確立するに至りました。(やまもといちろう)
続きを読む2023.10.30

オーバーツーリズムの功罪

今週は、バルセロナにいます。すっかり秋模様になった地中海沿岸部は、夏の観光シーズンも終わって「日常」を取り戻したように思えますが、実際はオーバーツーリズム状態が続いています。一番人気の観光地であるサグラダファミリアは、当日は言わずもが、たとえ平日でも数日先まで入場券が購入できず、二番人気の観光地ボケリア市場は観光客で溢れかえり、歩くのもままなりません。(高城剛)
続きを読む2023.10.30

観光業の未来を考える

今週は、セビリアにいます。オーバーツーリズムの現状と観光業の未来を見通すため、現在、観光大国スペインで開催されている「TOURISM INNOVATION SUMMIT 2023」に参加しています。(高城剛)
続きを読む2023.10.23

谷村新司さんの追悼と事件関係

谷村新司さんとのご縁は私にとっては珍しいもので、まだいまのような仕事をする前、不動産オーナー兼芸能事務所の社長をやっていた知人から「困ったことがあった」といって、ご紹介いただいたのが谷村新司さんでした。(やまもといちろう)
続きを読む2023.10.18

イタリア人にとっての「13日の金曜日」

今週は、バーリ、パレルモ、トラパニなどイタリア南部をまわっています。13日の金曜日に磔にされたと言われるイエス・キリストを忍んで、その日が近づくとイタリア各地の教会では若いキリスト教徒でごった返しますが、史実には13日に磔になったという記載はどこにもありません。(高城剛)
続きを読む2023.10.16

1級市民と2級市民の格差が拡がるフランスの実情

今週は、パリ、ルーアン、シノン、オルレアンとフランス国内を移動しています。パリはファッション・ウィークということもあって煌びやかなように見えますが、フランスの実情は穏やかではありません。この夏、フランス全土で暴動が起きたのも記憶に新しく、きっかけはパリ郊外で警官による17歳の黒人少年射殺事件でしたが、ショッピングセンターや商店で略奪が公然と行われ、終いには市長の自宅襲撃まで過激化。最終的に5千人を超える逮捕者が出るほどの大惨事になりました。(高城剛)
続きを読む2023.10.09

岸田文雄政権の解散風問題と見極め

先日、西田亮介先生とJBpressで対談をしたところ、その界隈で大変に読まれ評判となりまして、ああやっぱりみんな気にしているんだなと思っていたところです。良くも悪くも結構大変なのは、今回衆参補選が10月22日に二つあり、片方が参院四国、もう片方が衆院長崎4区で、本来ならどっちも自民が議席を確保しなければらないところ、事前の情勢調査で「転び方によっては2敗もあり得る」とか「1勝1敗でも岸田政権にとっては打撃のため解散総選挙が打てない」というような風評になっている面があるからです。(やまもといちろう)
続きを読む2023.09.29

「日本版DBS」今国会での成立見送りと関連議論の踏み外し感の怖さ

現象としては「ですよねー」という感じですが、その結論に至った議論のプロセスが180度実情と違い過ぎてどやねんという案件になってしまいました。もちろん、ベースには解散を控えた臨時国会で、面倒な論戦になりそうな割に重要でもない政策審議に時間を割きたくないというのが本音なのかなあと思わなくもありませんが、こども家庭庁のトップに来た加藤鮎子さんからすれば「そんなもん初めから分かってたんだから旗振り役だった小倉將信さんのときにさっさとケジメをつけておいてほしかった」というのが正直なところなのかなと感じます。(やまもといちろう)
続きを読む2023.09.26

貧乏人とおひとり様に厳しい世界へのシフト

民泊大手のAirbnbの業績好調の一方、ニューヨーク市でも民泊の実質的な禁止が打ち出されました。勿論主たる理由はニューヨーク市のハウジングコスト急騰で、ホームレスが増えたことが一因ですが、他方で、年間550万人が訪れるとされるニューヨーク観光における貧困旅行制限をしないと市運営が立ち行かないよという切実な事情も出ています。(やまもといちろう)
続きを読む2023.09.25

乱れてしまった自律神経を整える

今週は、福井、米原、浜松、東京と移動しています。9月は天候が変わりやすいので注意しましょう、と先日もお伝えしましたように、日本全国不安定な気候が続きます。なにも不安定なのは気候に限らず、想像以上に人の心身は天候の影響を受けており、悪化すると「天気痛」や「気象病」などとも言われ、時には痛みが伴います。(高城剛)
続きを読む2023.09.25

「銀座」と呼ばれる北陸の地で考えること

今週は、福井県敦賀市にいます。2024年3月16日に北陸新幹線の金沢〜敦賀間が延伸され、おおむね毎時1本東京から直行便(3時間8分)が出るため、今後、北陸観光のあたらしい拠点として急浮上中の敦賀は、現在、インバウンドを想定したプロモーションに余念がありません。(高城剛)
続きを読む2023.09.18

9月は世界や各人の命運が分かれる特異月

今週も、東京にいます。台風による曇り空や雨模様が多い今週ですが、自著「いままで起きたこと、これから起きること。〜「周期」で読み解く世界の未来〜 」にも記載しましたように、地球を含む宇宙には人智を超えたサイクルがありまして、古くから日本でも二十四節気・五節句などのほかに、「二百十日」と呼ばれる暦日があります。(高城剛)
続きを読む2023.09.11

残暑の中で日本だけに定着したマスク文化を考える

今週は、東京にいます。久しぶりに東京に戻ると暑さにも驚きますが、いまだ新型コロナ関連の報道とマスクして通勤する人たちの多さに、なにより驚いています。(高城剛)
続きを読む2023.09.04

ヤフージャパンが検索エンジンをNEVERに乗り換えでやらかし行政指導のあちゃー

 これはやってしまいましたなあ。関係先からは「山本一郎と峯村健司が悪い」と名指しで悪口を言われましたがノーノー私じゃありません。もっとも、検索エンジンを従来のGoogleからNAVERに移すという話が聴こえてきていた時点で焦げ臭さはみんな感じていたでしょうから、内部で有志がこりゃあかんとなった後に旧ヤフー側からはかなり事情説明も来ていたと伝わってきていたのもヤバさの認識はあったのでしょう。(やまもといちろう)
続きを読む2023.08.31

中国からの謂れなき禁輸でダブつく高級海産物どうしようって話

一時帰国するや否や「お前どう考えとるねん」という無茶振りが来ておりまして… 正直、常識的には「そんなもん圧倒的にカントリーリスクなのだから、うっかり政府が救済や助成を検討するまでもなく民間に任せておけばいいじゃないか」という話になるんですけど、北海道知事の鈴木さんまで出てきてワイコラ仰っておられるので困ったものだなあと。(やまもといちろう)
続きを読む2023.08.30

「再犯率の高いロリコンを教育の現場に出すな」の人権論

知人友人からも署名のお願いが回ってきたものの、明らかに法的に詰め切れていないまま運動開始してしまったようで乗るに乗れない本件ですが、最近騒動の多いこども家庭庁が仕込みをやっている日本版DBSについて、これを学習塾などにも拡大させようという話が出てきていて騒動になっています。(やまもといちろう)
続きを読む2023.08.28

旅行者が新天地を探すことができるか試される時代

今週は、シッチェスにいます。バルセロナから45分ほどのところにある海辺のシッチェスは、映画祭やLGBTカルチャーで知られる人口3万人に満たない小さな街です。この街にアーティストや知識人が集まるようになったのは、画家サンティアゴ・ルシニョールが夏の間滞在した19世紀まで遡り、20世紀中盤になるとフランコ体制下のスペイン本土でカウンターカルチャーの中心地となって「ミニチュアのイビサ」と呼ばれるようになりましたが、イビサのような商業化された巨大クラブはありません。(高城剛)
続きを読む2023.08.28

地域住民の生活が奪われるオーバーツーリズム問題

今週は、バルセロナにいます。先月バルセロナに滞在した際、オーバーツーリズムの問題をお伝えしましたが、夏休みピークの今週、その実態を街中で垣間見て驚いています。(高城剛)
続きを読む2023.08.21

仮想通貨最先端のケニア

今週は、ナイロビにいます。近年、ケニアでは携帯電話で使える電子マネー「M―PESA(エムペサ)」が事実上の標準通貨となっていましたが、実は仮想通貨取引がある154カ国中トップに立つ「仮想通貨立国」でもありまして、現在、ケニアの16歳〜64歳のインターネットユーザーのおよそ15%が仮想通貨を保有していることが明らかになっています。(高城剛)
続きを読む2023.08.14

快適に旅するためのパッキング

今週は、イスタファーン、テヘラン、ドーハ、ダルエスサラーム、キリマンジャロ、アルーシャ、セレンゲッティと移動しています。セレンゲッティは、タンザニア北部のマラ州・アルーシャ州・シニャンガ州にまたがる大サバンナ地帯にある国立公園で、大きさがほぼ日本の四国と同じ広域な生物圏保護区です。(高城剛)
続きを読む2023.08.07

イランの転機を実感させる強い女性達の姿

今週は、イランのイスファハーンにいます。昨年9月、ヒジャブの着け方とタイトなズボンに問題があるとして風紀警察に拘束されたマフサ・アミニは、連行後にバンの中で暴行を受け意識を失い、3日後に死亡しました。これに伴い、イラン各地での大規模な抗議デモが発生。この抗議デモ以降、イラン全土の女性が次々とヒジャブを脱ぎ捨て、往来を闊歩するようになります。今週、僕が滞在するイスファハーンは、宗教色が強い古い街ですが、ここも他ではありません。髪を赤く染め、派手な色の服を着て、それまでのイランとは訣別するような「強い女性」が街を堂々と歩くようになったのに、正直驚きを隠せません。(高城剛)
続きを読む2023.07.31

公共放送ワーキンググループがNHKの在り方を巡りしょうもない議論をしている件

有識者会議はこういうお座敷芸にならざるを得ないのは仕方がないという議論を耳にして、興味を持ってサイトを見物に行ったのですが、思った以上に惨状となっていました。当メルマガでも何度かNHK改革を巡る話は書いているのですが、ちょっと見ない間にこんなに伝統芸能のような足踏みを続けていたのですね。(やまもといちろう)
続きを読む2023.07.28

オワコン化が進む、メタバース、NFT、Web3、AIスピーカー… 真打は生成AIか

生成AI関連は、いままでも雨後のタケノコのようにいた人工知能やDX推進関連ベンチャーの流れの上に綺麗に乗っかるもので、独自で人工知能をサービス向けに開発していた事業者もテクノロジー的には生成AIの方向に合流するところが多いように思います。(やまもといちろう)
続きを読む2023.07.26

富める中東の地で都市化と食生活を考える

今週は、ドーハにいます。過ごしやすかった南半球のブラジルから、中東のカタールへ移動しました。日々最高気温45度、最低気温37度と、先週滞在したサンパウロ郊外最高気温27度、最低気温12度から大きく異なり、時差ぼけよりも気温ボケが堪えます。(高城剛)
続きを読む2023.07.24

急成長女性向け風俗の蹉跌とホスト規制

一部界隈ではすでに原案と関連議論が漏れて出てしまったようで、大騒ぎになりつつあるホスト規制ですが、他方で「ホスト型デリヘル」業態として問題となっている東京秘密基地のような派遣型女性向け風俗も顕在化。(やまもといちろう)
続きを読む2023.07.19

気候変動に適応したポストコロナ時代の働き方を考える

今週は、サンパウロにいます。猛暑が続く北半球を後にして南半球へと移動し、心地よい日が続きます。実は先週、人類史上でもっとも暑い1日が訪れました。(高城剛)
続きを読む2023.07.17

「OP PICTURES+フェス2022」石川欣・髙原秀和 80年代デビューのピンク俊英たちが新しい時代に放つ爆弾!

今年もテアトル新宿で開催中であり、シネ・リーブル梅田でも開催が決定している「OP PICTURES+フェス2022」。ピンク映画のR15版の祭典である。(切通理作)
続きを読む2022.12.08

川上なな実さんインタビュー「自分を客観視し切らないと、コントロールできない」

川上なな実(旧芸名「川上奈々美」)さんは、いま映画の世界で、目が離せない俳優の1人だ。公開が待たれる新作『辻占恋慕』を筆者はTAMA映画祭でいち早く観たが、ここで川上さんは落ちぶれた芸能事務所を支える演歌歌手の役を演じている。桜並木の下、アカペラで歌うシーンは心に残る。このシーンはワンシーン、ワンカットだった。(切通理作)
続きを読む2022.02.01

夫婦ってなんなんだ、結婚ってなんなんだ

山嵜晋平監督のオリジナル企画を中野太が脚本化した本作『なん・なんだ』は、自分が思い描いていた人生のシナリオが、妻とも娘ともズレていたことがわかり、1人みんなから気持ちがはぐれて、焦り、もがく男の話であるとともに、1人の女性である妻そして娘の視点から、結婚とはなにか、恋愛とはなにか、家族とはなにかを問い直す物語でもある。今回は美智子役として、夫の下元史朗氏とともにダブル主演となった烏丸せつこさんにお話を伺った。(切通理作)
続きを読む2022.01.13

「愛する人にだけは見せたくない」顔を表現するということ

2010年8月21日に開館した兵庫・元町映画館の10周年を記念した作品「きょう、映画館に行かない?」が11月27日から公開されている。11人の映画監督が贈るオムニバス映画だが、これに、私・切通理作も『これから』で参戦した。作品公開に合わせて主演の可児正光さんにインタビューした記事をお送りする。(切通理作)
続きを読む2021.11.29

真の映画ファンが、ピンク映画にたどりつく入口! 高校生から観れる「OP PICTURES+フェス2021」がテアトル新宿で開催中

ピンク映画を60年以上作り続けてきた老舗である大蔵映画。いまでもオーピーピクチャーズとして現役で新作を送り出している。そして、従来の成人向け(R18+作品)とは別に、中学卒業相当の年齢である15歳以上からを対象としたR15+バージョンを製作し、「エロティックな世界観はそのままに、老若男女問わず楽しめるバラエティ豊かな作品を送る」というコンセプトのプロジェクト「OP PICTURES+」(オーピー ピクチャーズ プラス)を、2015年から毎年続けている。今年も「OP PICTURES+フェス2021」がテアトル新宿で11月5日から18日にかけて開催中。(切通理作)
続きを読む2021.11.08

何かに似ている映画とかじゃなくて、今じゃなきゃ出来ない、ここじゃなきゃ出来ない映画に出れる幸せ

映画『ねばぎば新世界』は、『ひとくず』の監督・主演で国際的に評価された上西雄大が、赤井英和主演で、大阪・西成を舞台に描いたアクション人情ドラマ。今回は主人公のヒロイン役として出演した<女優・有森也実>さんに時間の許す限りお話を伺った。(切通理作)
続きを読む2021.07.14

「芸能」こそが、暗黒の時代を乗り越えるための叡智であるーー感染症と演劇の未来

フクロウが暗闇で活動をするように、芸能もまた、暗黒の時代に目覚めるだろう。芸能は、危機的な状況を乗り越えてゆくための思考の源泉であり、身体知の坩堝である。新型コロナ禍はもちろんのこと、この先に起こるであろう、様々な困難を乗り越え、世界の均衡を真釣り合わす古代人の智慧なのだ。(武田梵声)
続きを読む2021.04.23

柊氏との往復書簡

前回の241号で「柊氏との往復書簡」の第一回目の書簡を私から柊氏にお送りしたのに応える形で、今回は柊氏からの第一信をお届けしたい。柊氏の文章は、予想はしていたが(そうでなければ柊氏を往復書簡という企画に誘ったりはしないわけだが)、予想を超える見事な文章である。この見事な柊氏の文章に対して、次回か次々回のメールマガジンには、私からの第二信を掲載したいと思う。(甲野善紀)
続きを読む2021.04.07

「こんな死に方もありますよ」と、そっと差し出す映画です ~『痛くない死に方』監督高橋伴明×出演下元史朗インタビュー

10万部ベストセラー『痛くない死に方』『痛い在宅医』の著者である長尾和宏は尼崎市の在宅医。氏の著書と経験をモチーフに高橋伴明監督が本作の脚本・監督を手掛けた。主人公は柄本佑演じる在宅医で、長尾氏をモデルにしたベテラン在宅医から薫陶を受け、成長していくプロセスも描かれる。映画の前半部で、凄絶な闘病の果てに死んでいく老患者を、高橋監督の初期作品から多くの映画で現場を共にしてきた下元史朗氏が演じている。今回はこのお2人に話を伺った。(切通理作)
続きを読む2021.02.22

「魔術」をアカデミックにひもとく ! ? 中世アラビア禁断の魔術書『ピカトリクス』の魅力

来たる2020年7月28日、占星術研究家の鏡リュウジ氏を聞き手に、アラビアの神秘思想研究の第一人者ライアナ・サイーフ博士を講師に迎え、この伝説の書物の魅力をさぐるオンライン講座(ZOOMウェビナーを使用)が行われます。(鏡リュウジ)
続きを読む2020.07.04

【対談】名越康文×平岩国泰 ほめればほめるほどやる気を失う子どもたち〜「放課後」だから気づけた、子どもの自己肯定感を伸ばす秘訣

名越 この本(『「自己肯定感」育成入門』)を今年の春に出されたということですが、なぜ「自己肯定感」というテーマを取り上げることになったんでしょう? 平岩 きっかけは15年前、アフタースクールの活動を始めた頃に、子どもに言われたある一言がありまして……。(名越康文)
続きを読む2019.08.05

中央線に「サブカルクソ女人生」の夢ひらく!? 映画『歌ってみた 恋してみた』 上埜すみれ×深琴対談

高円寺を舞台に、脳内妄想の強い「サブカルこじらせ女子」と、実像と虚像の間で揺れ動く「男の娘」との友情、そして男性ミュージシャンとの対立をミュージカル仕立てで描いた祝祭的な映画『歌ってみた 恋してみた』(西荻ミナミ監督作品)。主演の「サブカルこじらせ女子」を演じた上埜すみれと、中央線女子を象徴するような役を演じた深琴が、都内某所で対話した。(切通理作)
続きを読む2019.07.08

役の中に「人生」がある 俳優・石橋保さん(映画『カスリコ』主演)に訊く

昭和40年代の土佐を舞台に、“手本引き”という賭博にハマッて身上をつぶし、高知一の料理人から賭場の下働き「カスリコ」に転落した男の人生を描くモノクロ映画『カスリコ』。その主演の石橋保さんにインタビューする。(切通理作)
続きを読む2019.06.26

今村文昭さんに聞く「査読」をめぐる問題・前編

昨年(2018年)、ケンブリッジ大学の栄養疫学者、今村文昭さんのインタビュー記事をWebナショジオに掲載しました。なんと9回にわたる超巨編で、これは、前野ウルド浩太郎さんをモーリタニアに訪ねた時以来のものでした。中身の密度の濃さも、これまでの連載の中で屈指でしょう。それだけ書いたのに、触れたくて触れられなかった(インタビューで聞いたのに書けなかった)テーマがあります。「査読」についてです。(川端裕人)
続きを読む2019.05.12

「家族とはなんだって、全部背負う事ないんじゃない?」 〜子育てに苦しんだ人は必見! 映画『沈没家族 劇場版』

男女雇用機会均等法が施行されて十年目の1995年、シングルマザーの女性が、血のつながった家族にこだわらず、赤の他人が集まって一人の子を育てる共同保育・共同生活を実践。そんな環境で育った赤ちゃんが成長して映画監督となり、「沈没家族」と呼ばれたかつてのメンバーたち、そして母と父にあらためて向き合い、「家族とは何か」を浮き彫りにするドキュメンタリー。ライター・須々木ユミが、母親として、世間では通常形態である、「配偶者との家族で子どもを育ててきた」側から、本作『沈没家族』を照射した。(切通理作)
続きを読む2019.04.08

川端裕人×松本朱実さん 「動物園教育」をめぐる対談 第2回

川端:前回、今、動物園の現場で、2つのことが共感を得るし、また、質問を多く受けると聞きました。それを具体的に教えてください。1つ目は、「評価」でしたね。これは、教育プログラムを行ったとして、その評価を行うということですね? 松本:そうですね。どうやって評価をすればいいかと、よくご相談をうけます。(川端裕人)
続きを読む2019.04.06

川端裕人×松本朱実さん 「動物園教育」をめぐる対談 第1回

「動物園教育で子どもたちがアクティブに! 〜主体的な学びを支援する楽しい観察プログラム〜」という本が話題になっています。動物園は教育の場という認識は、多くの関係者が共有している「コンセンサス」だと思いますが、じゃあ、そこでなにをするの? なにができるの? というのが長年、暗中模索の状態だったのではないでしょうか。(川端裕人)
続きを読む2019.03.14

3月移動に地獄を見た話

4月から故郷宮崎で仕事をするためには、当然ながら3月中に引っ越しをしなければならない。新居はまたあとで決めるとして、3月は移動が集中する時期だ。まずは僕と娘1人だけの移動なので、単身パックに毛が生えたようなもので引っ越しできるんじゃないかということで、見積もりをとってみた。(小寺信良)
続きを読む2019.03.11

パワーは正義。USB Type-C PDで変わるモバイル

2015年発売のMacBook以降、Appleのノート型ではすべての端子がUSB Type-C(以下USB-C)になった。筆者が使っている2016年発売のMacBook Proでは、左右に2つずつ、合計4つのUSB-C端子がついたが、この段階でもまだ対応機器が少なかったため、そのメリットが十分に活かされずにいた。強いて上げれば、左右どっちからでも充電できるというぐらいだろうか。これがようやく最近になって、徐々にメリットが感じられるようになった。(小寺信良)
続きを読む2019.02.25

この冬は「ヒートショック」に注意

冬場になると日本では、「ヒートショック」と言われる現象が多数報告されている。これは寒暖差の激しいところに移動することで血圧が急変し、失神したり、心筋梗塞や脳梗塞に至る現象である。これには、日本家屋の構造が大きく影響しているようだ。(小寺信良)
続きを読む2019.02.11

川端裕人×オランウータン研究者久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて>第3回

川端:この本を読むと、オランウータンの一生は、まだまだミステリアスだというのがよくわかります。 久世:そうそう、川端さんに「こんなにわからないことがあるんだ!」というコメントをいただいたんですけど、私としては「やっとここまで解明されました!」という感覚なんですよ(笑)。(川端裕人)
続きを読む2019.02.02

YASHICAブランドのスマホ向け高級レンズを試す

最近は展示会取材の写真は、ほぼiPhoneで撮影している。ただしiPhone一発では、ブースの全景といった広い絵が撮りづらい。そこで以前からスマホ用の広角レンズを色々と試してきた。今回は2年ぶりのCES取材という事もあり、いいレンズが欲しいなぁとネットを物色していたところ、YASHICAブランドでスマホ用レンズを出しているのが目にとまった。価格はAmazonで4,800円と、一般的なスマホ用レンズより飛び抜けている。この価格がただのブランド代だったイヤだなと思ったが、ものは試しと言うことで買ってみた。今回はこのレンズと、歴代使ってきたクリップレンズを比較してみたいと思う。(小寺信良)
続きを読む2019.01.28

川端裕人×オランウータン研究者久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて>第2回

久世:ただ、ここ数十年を通してすでにサラワクに野生動物がいなくなってしまったというようなこともあって……。それは環境破壊に加えて、宗教的な事情もあるんです。もともとサバ州はイスラム教徒が多くて、サラワク州はキリスト教徒の人が多いんですけど。キリスト教って、イスラム教に比べると食べ物に関して厳しい戒律がない。イスラム教では食べられる動物が戒律で制限されているから、おのずと食用目的で野生動物が狩られることも少ないんですね。(川端裕人)
続きを読む2019.01.25

意外に簡単に見られる新4K放送。だが課題も…

12月1日より、BS/110度CSによる新4K放送がスタートした。右旋および左旋での放送となるが、NHKおよび在京民放キー局の放送は右旋なので、従来設備でも受信できる。ただし日本テレビの「BS日テレ」だけは来年9月1日からの放送開始なので、まだ見られない。一応筆者も仕事柄、4K放送の内容は把握しておきたいと思い、4Kチューナーを購入して受信してみた。今回は、既存設備で新4K放送を受信するまでのプロセスをご紹介しよう。(小寺信良)
続きを読む2019.01.07

使ってみたら便利だったDropbox「スマートシンク」

筆者は自宅で原稿を書くときはMac mini(2014)、外出先ではMacBook Pro(2016)という体勢で仕事をしてきた。だがMacOS Mojaveにアップデートしてからというもの、Mac miniのレスポンスが大幅に下がり、原稿を書くにも支障が出る遅さとなってしまった。まあちょっと様子を見るか、ということで、普段はカバンの中に入れっぱなしのMacBook Proを、自宅原稿書き用マシンと兼用にすることとなった。ストレージ容量は256GBだが、モバイルだからそれで済んでいたわけで、メインマシンともなると参照したいファイルが多く、これでは心もとない。しばらくはDropboxの同期フォルダを増やしたり減らしたりして調整してきたが、いつもストレージ容量を気にしながら仕事するのも精神衛生上よろしくないので、どうにか手段を考えることにした。(小寺信良)
続きを読む2018.12.17

川端裕人×オランウータン研究者・久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて >第1回

—川端さんと久世さんをつないでいるテーマはやはり「オランウータン」「オランウータン研究」だと思うので、そのあたりを中心にお話を伺っていきたいのですが。 久世:川端さんと一緒にオランウータンを見に行ったのが2010年。それで、2016年に、川端さんがナショナルジオグラフィック日本版で記事にしてくださったんでしたね。(川端裕人)
続きを読む2018.12.11

準備なしに手が付けられる、ScanSnapの新作、「iX1500」

発売されてちょっと時間が経ってしまったが、PFUのドキュメントスキャナ、ScanSnap iX1500を試用する機会に恵まれた。本機は10月12日発売で、現在ネットでの実売は4万円半ばといったところである。今回10年ぶりに新作に触って、ほぼ別物になっていたことを確認できた。(小寺信良)
続きを読む2018.12.10

空想特撮ピンク映画『ピンク・ゾーン2 淫乱と円盤』 南梨央奈×佐倉絆×瀬戸すみれ×国沢実(監督)座談会

出演者である南梨央奈、佐倉絆、瀬戸すみれのお三方と、国沢実監督交えた座談会を、初号試写の直後に行ないました。司会は同作品の脚本担当者でもある私(切通理作)が務めたのですが、国沢監督が所用で参加が遅れたため、美人女優さんに囲まれてアガリッ放しの様子は、ご容赦頂ければと思います!(切通理作)
続きを読む2018.11.21

どうなる? 小中学校へのスマホ持ち込み

10月13日に毎日新聞が報じたところによると、大阪府教育委員会が、現在原則禁止となっている携帯電話やスマートフォンの持ち込みを、見直す方針を固めたという。小中学校への携帯電話持ち込み禁止は、2008年に当時の橋下徹知事が決めたもので、それをきっかけにこの動きは全国に拡がった。当時は安全のために子供に持たせたいという保護者と、学校に勉強以外の物を持ち込ませたくない学校側とが対立し、学校が文科省にお墨付きが欲しいとして、2009年に通知を出させたという経緯がある。この通知は今も生きていて、全国の公立小中学校が原則携帯電話やスマートフォンの持ち込みが禁止されているのは、これを根拠としている。(小寺信良)
続きを読む2018.11.12

PTAがベルマーク回収を辞められないわけ

筆者はシングルファーザーになって以来、学校のPTA活動には積極的に参加してきたほうであろう。本部役員こそやってないが、広報委員長や成人教育委員会副委員長などを歴任し、花壇の植え替えや校内清掃などのボランティアにもほぼ参加している。そんな中でも、やってない活動がある。ベルマーク集計だ。(小寺信良)
続きを読む2018.10.29

このイカが意外に便利、スマホ三脚「SQUIDDY」

ゴリラポッドという三脚をご存じだろうか。ミニ三脚の一種だが、三本の足が自在に曲がるようになっていて、どこにでも巻き付けてカメラを固定できるとして、もう10年ぐらい前から地道に人気のある商品である。こうした「フレキシブル三脚」とでも言うようなジャンルは、出始めこそ類似商品が出回ったものの、新しいコンセプトの製品はなかなか登場しなかった。それだけゴリラポッドは汎用性が高かったという事だろう。そんな中、「SQUIDDY(スクイディ)」は、まさに新コンセプトのフレキシブル三脚だと言える。(小寺信良)
続きを読む2018.10.22

「脳内の呪い」を断ち切るには

ぐるぐるといつも同じことを考えてしまう。 意味もないし、建設的でもなく、辛いので止めたいと思っていても止められず、気づくといつのまにかまた考えてしまっているーー。 そんな経験のある人は少なくないと思います。 最近気づいたのは、こうした「脳内の呪い」の構造は、心理学の「強化理論」を拡張することで説明可能だということです。(西條剛央)
続きを読む2018.09.19

「狭霧の彼方に」特別編 その3

釈徹宗先生に田口慎也氏を紹介した「狭霧の彼方に」特別編の連載第3回目(甲野善紀)
続きを読む2018.09.16

「狭霧の彼方に」特別編 その2

釈徹宗先生に田口慎也氏を紹介した「狭霧の彼方に」特別編の連載第2回目(甲野善紀)
続きを読む2018.09.14

「狭霧の彼方に」特別編 その1

今年(2018年)の5月31日、私は何年も前から考えていた「見合い」を一つ実現させた。「見合い」と言っても男女の出会いを世話したわけではない。浄土真宗の世界で近年その声名が高くなられている釈徹宗・如来寺住職と、私がこのメールマガジンで、かなり長い間往復書簡を行った田口慎也氏のお二人を是非引き合わせたいという企画がその「見合い」である。(甲野善紀)
続きを読む2018.09.12

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