甲野善紀
@shouseikan

甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」

今週の動画「陰の影抜」

※甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」2015年7月20日 Vol.104「今週の動画」より

今回の動画解説は、まず最初に江崎氏との稽古の時に生まれた「陰の影抜」を紹介したい。

今までの「影抜」は相手と袈裟に斬り結ぶ形で入り、そこから相手の竹刀を飛び越える形で裏交差へと抜けるものだったが、今回生まれた「陰の影抜」は袈裟に斬る形から相手の左小手へと、いわば「くの字」形に、斬り込んでいく形に太刀筋を変化させ、相手がそれに対応しようと追ってくる時に一気に太刀を時計回りの方向に下から抜いて、相手の右小手につけるものである。

この技は横で見ていると、さほど竹刀や木刀が早く動いているように見えないのだが、防ぐのが難しいようだ。その理由は、相手の左小手へと斬り込んだこちらの竹刀なり木刀なりを時計回りの軌跡で相手の右小手へと運ぶ動きが殆ど腕を使わず、ただ体を左に捌いていることで、その体の移動が動力となっているからのように思う。そのため、横で見ていると防げそうに思えても、現実に竹刀などを持って向き合ってみると、その対応が難しいのだと思う。

これは、まさに「影抜」の名称に値する技だと思うのだが、「影抜」の名称はすでに何年も前から使っているので、その今まで行なっていた、刀を相手と斬り結ぼうとした時、上に抜いていた「影抜」を「陽の影抜」とあらためて名付け、今回生まれた「影抜」を「陰の影抜」と名付けることにしたのである。


次に紹介する技は、6月10日に柔道家のT氏との交流稽古の際、襟を掴みにくる相手を「肘固め」で押えるのに用いた動きに……(この続きは甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」2015年7月20日 Vol.104をご覧ください)

 

甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」

2015年7月20日 Vol.104
今週の目次

00 <発売開始!>新作DVD『甲野善紀 技と術理2015―重心側から動く』
01 稽古録<「飇拳(剣)」の手の形、そして「飇剣で入る」技が確信されてくる

02 松聲館日乗<いま我々が何よりもやらねばならないこと/野口裕之という人の
凄さをあらためて実感する>
03風向問答
04この日の学校
<数学は技術でもあり、学問でもあり、一つの思想でもある>
05 活動予定

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目次
1.甲野善紀の技
2.術理解説
高速で行う謙譲の美徳
・体当たり
・払えない手
・正面の対応
・切り落とし
・上下方向の謙譲の美徳
・霞抜き
・影抜き
・切り結び
・下段から裏交差への発剣
・槍のハネ払い

重心側から動く
・足技
・太刀奪り
・肘固め
・タックルを切る
・小手返し

内在化する術理と稽古法
・辰巳返し
・左右別人
・旋段の手
・火柱
・視覚情報入力遮断
・屏風座り
・人間鞠
・浮きをかける稽古法

3.【語り】自分が納得できる独自の生き方を

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甲野善紀
こうの・よしのり 1949年東京生まれ。武術研究家。武術を通じて「人間にとっての自然」を探求しようと、78年に松聲館道場を起こし、技と術理を研究。99年頃からは武術に限らず、さまざまなスポーツへの応用に成果を得る。介護や楽器演奏、教育などの分野からの関心も高い。著書『剣の精神誌』『古武術からの発想』、共著『身体から革命を起こす』など多数。

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