選択肢が増えたのは良いことだけど……
一応断っておきますが、私は布ナプ否定派ではなく、皮膚が弱い人にはとても良い方法だし、最近はこういう選択肢も増えて良い時代になったなあ……って思ってます。
私自身もあまり肌が強い方ではなく、出産後の産褥パッドが皮膚に合わず、かぶれてしまったために、ただの布切れ(赤ちゃん用のガーゼハンカチね)をあてて対応していました。布ナプキン買うのがめんどくさかったからなんだけどもさ。だから、布ナプキンの心地良さはわかってるのです。
ですが。こういう、どう考えてもインチキな文言を使って、他人を脅すようなことを書いている業者は許せません。ひと通り反証しましょうね。
「高分子ポリマー(合成化学物質)は女性器を通して子宮に吸収されます」
→吸収されません。これ、バックナンバーを参照してもらうといいんだけど、化粧品が皮膚から吸収されないわけと同じなのよ。
(バックナンバーVol.18 http://yakan-hiko.com/BN264)
女性器を通して子宮に吸収されるには、皮膚や粘膜を高分子ポリマーが通り抜けて血液に溶けて血流にのらなければならないのだ。
高分子ポリマー http://goo.gl/jypCC
ここに書かれているように、高分子ポリマーの分子量は1万以上。皮膚を透過する分子量は概ね600以下です。まあ、粘膜から吸収出来る分子量も概ね1200前後だそうなので、それよりもずっと分子量が大きい高分子ポリマーが吸収できるわけがありません。吸収できないので、子宮に蓄積することもありません。
「もし子供が出来たなら、その子供たちにも少なからず影響を与えます。母体の化学物質の影響は、子供の喘息やアトピーとの関連性も強く指摘されています」
……って、誰が指摘してるんだろうか。ああもう。このあたりになると論拠になるものを探し出すのも欝陶しい。コイツに付いては環境省が現在調査中で結論は出てません。(リンク先はpdfファイルです)
http://www.env.go.jp/chemi/ceh/consideration/h20/pdf/mat02-1.pdf
研究結果が出るのが待ち遠しい疫学調査です。ちなみに、母親が妊娠中にアレルゲンになる食物を食事制限しても、子どもが食物アレルギーになる確率は低下しないと結論づいています。卵も牛乳も小麦もそばも大豆も……、別に制限しなくていいんだよ。太りすぎなければ(笑)
「タンポン、ナプキンからダイオキシン類が検出されている」ということについては、
社団法人 日本衛生材料工業連合会
http://www.jhpia.or.jp/product/diaper/eco/environment.html#q11
http://www.jhpia.or.jp/product/diaper/eco/environment.html#q12
現在日本で作られている生理用ナプキンやタンポンは、紙おむつに使用されている材料と同じものを使っているため、上記と同じと考えられます。
http://www.jhpia.or.jp/product/napkin/napkin5.html
塩素漂白やめてるのね、原料のパルプ類について。知らなかったよ。漂白を二酸化炭素で行うようになっているということは、ダイオキシンが高濃度で発生することはほぼないと考えられます。塩素漂白したパルプがダイオキシンを発生させる可能性があることについてはここに簡単に書かれています。
http://www.axuas.jp/paper/muenso.htm
生理用品&紙おむつのダイオキシンに関しては、こちらのブログが詳しいですね。
http://d.hatena.ne.jp/usausa1975/20120219/p1
ブログ主さんが書かれているのと同様に、私も生理用ナプキンのダイオキシン濃度については探しだせませんでした。タンポンに関してはこのブログにあったデータ一件のみ。こういうのっていくつもデータを並べてみてみないとわかんないからね。
なんかこういうダイオキシン濃度に関するデータをネットで読んでると、ナプキンなんかより食料品に含まれてる量が結構すごいことになってんだなーと思って……げんなりします。
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