やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

仮想通貨周りやオンラインサロンが酷いことになっている現状について


 私も投資家や士業向けのリアルサロンを運営させていただいているので、変な形でオンラインサロンが炎上すると「そういう雑な運営や、よこしまな儲け方をする主宰者ってどうなのかな」と思ったりもするのですが、ともかく現在猛烈に炎上している案件がKAZMAX氏のネタです。ヤフーニュースや文春オンラインで記事にしましたが、ちょっと余波が大きいので、改めてメルマガでもヘッドライン記事にしようと思い立ちました。

《金融庁も重大関心》資産50億円トレーダー・KAZMAX氏の手口を元側近が告発 サロン生を食い物に
「サロン砲五分後に打ちます」で“意識高い系”美容師・木村直人、芸人・かまいたち山内も利益を得ていた

 どうもタレ込んだ人がいたようです。酷い人がいたんですね。

「サラリーマン」を馬鹿にして駄目な知識を吹き込む、オンラインサロンとかいう魔境
もっともらしいことを教典にする新興宗教をやっとるだけなんですよ

 で、文春の冒頭記事では金融庁も関心、と書いていますが、改正金商法の施行は来年6月なので、問題となるのは金商法や資金決済法ではなく、刑法詐欺罪や出資法違反のほうです。どうも近い将来結構な大物の逮捕者が出るであろうと予見されているようですが、本当にそうなるかはちょっと微妙です。文春オンラインの記事のように、KAZMAX氏やその周辺が本件一発で行政処分、被害者救済のための摘発にまで至るかというと、まあないかなと思うわけです。

 このKAZMAX氏のサロンについては騒ぎが拡大している理由は明確で、サロン会員で大口の資金をぶっ込んだ医師や起業家のグループがあり、KAZMAX氏の一連のうちわの書き込みを知って騙されたことにようやく気付いた、ということで、無事に弁護士が警視庁本庁に事実照会をかけて被害届を出すという流れのようです。私も個人投資家として思うのは、投資情報が流れてきてそれを鵜呑みにしてトレードするというのは投資下手の典型であるし、ましてやKAZMAX氏のように市場支配力のある投資グループが会員を食い物にしないほうがむつかしいとも言えます。そして、KAZMAX氏の一連のサロン運営の内容そのものは、現段階では適法であり、別にこれをもっていきなり摘発だ逮捕だとはならない、と感じています。それを言い始めたら、もっとおかしい投資顧問業者はたくさんいます。

 ただ、騙された、おカネを返して欲しいという話になり、KAZMAX被害者団体でも立ち上がって集団訴訟になるようであれば、KAZMAX氏やそのご本尊とされてきた人物があっという間に別件で持っていかれる可能性はあります。その意味ではリーチがかかっているのかもしれませんが、どうなんでしょうか。

 また、以前、KAZMAX氏はご自身のサロンがDMMの反社会的勢力チェックに弾かれて閉鎖させられるという事件がありました。

 どうもタレ込んだ人がいたようです。酷い人がいたんですね。

月額3万円サロンのKAZMAXこと吉澤和真さん、反社会的勢力が関与との情報提供でDMM.comグループに損切りされる

絡んできた奴は容赦無く叩き潰す仮想通貨界の有名人、KAZMAX氏がDMMサロンデビューしました。

 サロンが大きくなって、仮想通貨相場の縮小とともに市場支配力が高まると、必然的にいろんなことをしたくなるのは人情だと思うんですよね。

 しかしながら、KAZMAX氏は派手にやり過ぎて、かつタレコミが当局や関係先に殺到したので御用含みで騒ぎになっているのはありますが、オンラインサロンについては情報商材に関わるものから投資商品に至るまでKAZMAX氏以上にアウト案件が跋扈しているのが現状です。一つひとつ口座の箱をあけて実態を見て、悪質度を判断して摘発するべきかどうかを判断する、というのはなかなか大変なことなので、むしろオンラインサロンを運営する仕組みそのものにメスを入れないといけないのでしょうが、私らのようにまじめにやってるサロンもたくさんあるわけですよ。会費集めて勉強会やって、場合によっては会員さんの人生や行く先に関わるような深刻な悩みも聞いて解決の算段を作ったりとか、いろいろ手間暇かけてやる。

 そういうジレンマも感じながら、この問題は良い落としどころはないのかな、と思うのです。社畜なあなたもユーチューバーになれます、月額10万円から、と言われてお金を払うほうが馬鹿なのか、馬鹿を騙してお金を巻き上げるほうがクズなのか。

 悩ましいところですねえ…。
 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」

Vol.264 仮想通貨改め暗号資産、オンラインサロンにフィンテック、人工知能と世の中魑魅魍魎が跋扈しすぎな件
2019年6月27日発行号 目次
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【0. 序文】仮想通貨周りやオンラインサロンが酷いことになっている現状について
【1. インシデント1】人工知能バブルとフィンテック問題が織り成す不思議な共存関係
【2. インシデント2】プラットフォーマー規制論が盛り上がる最中でも新仮想通貨事業を発表するFacebookの強気
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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