※高城未来研究所【Future Report】Vol.655(1月5日)より
あけまして、おめでとうございます。
今週は、南インドのケララにいます。
もう15年以上、一年から一年半おきにアーユルヴェーダのトリートメントを受けるようにしてまして、今回、コロナ禍が明けて久しぶりに訪れました。
例年ならスリランカの施設に訪れるのですが、もう十年以上前に出した自著「サバイバル時代の健康術 〜 アーユルヴェーダで頭と体のバランスを整える」の続編を書こうと思い、また、現在手掛けているヘルスケア・プログラムの次世代バージョンの可能性を探りに、南インドのケララにあるアーユルヴェーダ大学病院に宿泊、というか入院しながらレクチャーを受けています。
アーユルヴェーダは約5000年前にインドで発祥し、WHOが認める世界最古の医療として知られています。
「アーユルヴェーダ」という言葉はサンスクリット語で「生命の科学」または「寿命に関する知識」を意味し、健康と病気の予防・治療において、身体、心、精神、および環境のバランスを重視しますが、「幸せに生きるための知恵」と言い換えても過言ではありません。
それほど、人々にハッピー感をもたらします。
アーユルヴェーダの主な特徴は
・人間を単なる身体ではなく、身体、心、魂が統合した存在として捉えるため、治療は全体的な健康とバランス、そして幸福感を目指す。
・人々は「ヴァータ」(風)、「ピッタ」(火)、「カパ」(水)の三つの基本的なエネルギー(ドーシャ)の組み合わせで構成され、これらのドーシャのバランスが健康状態を決定する。
・施術と治療は、個人の体質、ドーシャのバランス、環境要因を考慮し、個別にカスタマイズする。
・植物ベースの薬(と少量の動物と鉱物ベースの薬)、マッサージ、デトックス(浄化療法)、適切な食事と生活習慣の指導などが治療に含まれる。
・なかでも病気の治療だけでなく、健康維持と予防、そして精神鍛錬と食事を含む生活改善に重点を置く。
などがあります。
こうして、アーユルヴェーダはインドのみならず細分化かつ専門家された現代医療が取りこぼした疾病や不定愁訴に悩む世界中の人々から人気を博しているのが現在です。
事実、この時期のアーユルヴェーダ施設は、どこも欧州からの人々で満員です。
近年、「健康寿命」という言葉が頻繁に使われるようになりましたが、アーユルヴェーダの健康の定義によりますと、単なる健康でなく、幸福感に満たされていることがとても重要です。
単なる寿命の長さや「病気をしないで長く生きればよい」というものでなく、幸福な人生を寿命いっぱい生きてまっとうすることが大切だと考えられ、それを追求します。
アーユルヴェーダが教える幸福とは「なる」ものでなく「(幸福であることに)気づく」ものだというのも、アーユルヴェーダの考え方です。
幸福とは、外部から何かを加える(たとえば、物質を得たり治療を施したりする)ことによって到達するのではなく、すでに持っているものに気づき、整えるだけだと考えられているのです。
世界中のリゾートホテルを廻ってきたと自負しますが、アーユルヴェーダ施設で過ごす時ほど、快適な(至福な)体験はありません。
格段、どこが悪いわけではありませんが、これから半月ほど入院し、この数年でノイズまみれになった心身を整えながら、幸福のあり方を自分なりに追求しようと考えています。
皆様、本年も何卒よろしくお願いいたします。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.655 1月5日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 大ビジュアルコミュニケーション時代を生き抜く方法
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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