高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

【高城未来研究所】「海外に誇る日本」としてのデパ地下を探求する

※「高城未来研究所【Future Report】Vol.205(2015年5月22日発行)より

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今週は東京にいます。

この一週間の東京は、春のゴキゲンな気候とともに「春のヘッドフォン祭り」や「国際ドローン展」と僕好みのイベントが満載ウィークでして、溜まった仕事も片付けずに(関係者の皆様、すみません!)、あちこちへと出向いています。

また、東京に戻る楽しみのひとつは食べ物で、本メールマガジンでも「世界の美食の街」をよく尋ねられますが、間違いなく、そのひとつは東京だと思います。

和食の有名店はさておいても、意欲的な新店が毎月のようにオープンし、秋葉原のラジコン屋を除いていまや買い物に出ることは滅多にありませんが、古い友人たちとどこか食事に出向くのは、東京の最大の楽しみになりました。
余談ですが、美食の街になると少子化になることは70年代のフランスで実証済みでして、これを成熟と呼ぶのか衰退と呼ぶのか転換期と呼ぶのかは、また別の機にお話ししたいと思います。

さて先日、半月近く滞在したブルックリンでも感じましたが、ファッションの新店はまったくパワーがなく、一方、レストランやグルメスーパーの勢いは止まることを知らないことを実感したばかりです。
そのうち、東京でも「スモーガスバーグ」のような「食のフリーマーケット」が毎週開催されるようになるでしょうし、なにより、東京には僕の大好きな「デパ地下」があります。

海外から東京を訪れる友人たちに、渋谷のスクランブル交差点より、そして皆がいく築地のフィッシュマーケットより、日本の「リアルな市場としてのデパ地下」も見た方が良いことをよく伝えますが、最近は、僕自身が「海外に誇る日本」としてデパ地下探求に余念がありません。
今週は、新宿伊勢丹デパ地下を徹底研究しています。

そこには「いったい、これを誰が買うのだろうか?」と、商品だけではなく、それを購入する人たちにも興味がありまして、
今週、特に気になったのは、おそらく「世界でもっとも高額な玄米」でした。

この十年近く、僕は口に入れるものの51%以上を玄米だけにしており、海外に中長期に滞在する際には日本の圧力玄米釜を持ち込み、その地の玄米を食べることを楽しみのひとつにしておりますが、日本は世界屈指の「美食米」の生産地ですので、帰国のたびに美味しい玄米を探し出して食しています。

そんな中、新宿伊勢丹デパ地下で見つけた玄米は、なんと1キロ1万円!
精魂込めて無農薬で育てた「こだわりの逸品」(京都府丹後産)だそうで、でも1キロ1万円ですよ。
インドなら、格安スマホが2台買える金額です。

さすがの僕も、この「1キロ1万円玄米」を購入しようか悩みに悩み、週に5日も新宿伊勢丹デパ地下に通ったあげく、友人とふたりで1キロ1万円玄米をついに購入するに至りました。
すなわち、ひとりあたりインドの格安スマホが1台分の玄米となります(その後に知りましたが、玄米なら3合からも購入可能ですが、それでも5000円近くします)。
ちなみにこの玄米を毎年180キロ限定で仕入れているそうで、例年完売とのこと。
ご贈答品としても喜ばれます!とは、伊勢丹デパ地下で働く方の弁でした。

肝心のお味は言うまでもなく美味なのですが、1キロ2000円前後の高級玄米との差が5倍あるかと言われれば、そこまでは正直わかりません。

東京のど真ん中で見つけ出す無農薬やオーガニック食品は、僕にとって、どこか「フェア」ではないように感じてます。

 

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┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】
Vol.205
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/ 2015年5月22日発行 /

■目次
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… 1. 近況
… 2. 世界の俯瞰図
… 3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
… 4. マクロビオティックのはじめかた
… 5. 身体と意識
… 6. Q&Aコーナー
… 7. 著書のお知らせ

 

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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