高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

本当に必要なものを見抜くためのひとつの方法

高城未来研究所【Future Report】Vol.501(2021年1月22日発行)より

今週も、東京にいます。

今週から数週間に渡り、あまり自由に動く事が出来ないこの好機に、意識から無意識へと踏み込む「あたらしい旅路」をご一緒したいと思います。

世の中には、様々な願望や欲望、そして楽しみがありますが、それが本当にいまの自分にとって必要かどうかを都度考え、選ばねばなりません。
では、いま目の前にある課題やサービス、時には購入に迷うモノの成否を、どうやって判断すればいいのでしょうか?

それが、今週からお話しする「本当に必要なものを見抜く」ためのひとつの方法「アプライド・キネシオロジー」です。

筋反射によって物事の成否を見分けるアプライド・キネシオロジーは、カイロプラクターのジョージ・グッドハート博士によって1960年代から70年代に考案され確立してきましたが、長年、似非医学と呼ばれ、いわゆる「主流」と言われる医学会からは見向きもされませんでした。

70年代後半になると、医師であるジョン・ダイアモンドによって、精神病治療の患者にキネシオロジーを利用した診断と実験が行われ、これが「キネシオロジー行動学」に進化します。

その後、数万人にも及ぶ世界中の臨床家が、これらの方法に磨きをかけ、かなりの精度で患者の治療に対する反応を確認できる信頼性の高い病理手法として確立。
しかし、医学会から見放された状況に変わりはありませんでした。

ところが、2016年のオックスフォード大学が発表した論文では、ランダム化単盲検法を取り入れた真偽の判定のテストにおいて、直観や偶然と比較して、筋肉反射テストが有意に高い正答率を示したと発表されたのです。

この筋肉反射テストで、もっとも有名な方法が「Oリングテスト」です。
生体そのものが極めて敏感なセンサーで、毒物を近づけたり、体に合わない薬剤を手に持たせたりすると、筋の緊張は低下し、逆に有効な薬剤では緊張が良好に保たれるというアプライド・キネシオロジーの原理に基づき、二人で1組になって、診断をはじめます。
患者が手のひらに診断したいものを載せ、もう片方の手の指で輪(O-リング)を作り、診断者も指で輪を作って患者の指の輪を引っ張り、輪が離れるかどうかで対象物の診断を進めますが(輪が開いたらNO、開かなかったらYES)、100%の正確性に欠ける事実も否めません。

この不安定な正確性を読み解いたのが、精神科医のデビッド・R・ホーキンズです。
「パワーかフォースか」などで知られるベストセラー作家ホーキンズ博士は、自著のなかで相対的に真実のレベル(1〜1000)を、段階的に評価する手法を発見しました。
博士は20年以上にわたり、人間の意識の様々なレベルを分析し、人類のすべての経験を表すマップ「意識の解剖学」を開発。
その結果、「Oリングテスト」をはじめとするアプライド・キネシオロジーの正確さは、レベル200以上の人同士でなければならないことを見つけ出したのです。
レベル200以下の人には、権威やプライド、怒り、欲望、敵対心、低い自己肯定などがあり、これらを普段から抱え持つ人が、どんなに筋反射テストを行っても、適切な回答を得られることはない、とホーキンズ博士は述べています。
つまり、自己のレベルを200まで上げることが、目の前の成否を得られる第一の扉の鍵となります。

また、心身の健康を損ねていても、200を超えることはありません。
そこで長年、多くの読者の皆様にランやデトックス、そして脳内のオイル交換などを、僕なりに推奨して参りました。

作家村上春樹は、自らの仕事を「経験していないことの記憶を辿る」ことだと話し、そのためにランを続けていると言います。
僕は、よく「考えない。わかるまで、待つ」と話し、日々、食生活に気をつけ、トレーニングを続けます。

それが「すでに答えが用意されている」無意識の領域へのアクセスであり、その領域に長く入った状態を、「ゾーン」と呼ぶのです。

一旦、この「ゾーン」に入ると、不要な人間関係も次々やってくる情報の大波も気にならなくなり、深山幽谷に漂うような気分になりますが、一朝一夕でたどり着けるような「観光地」ではありません。
日々の小さなことを積み重ねることで、少しづつ前進する。

次週、あたらしい内宇宙への冒険「地図編」に続きます。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.501 2021年1月22日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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