西田宗千佳の記事一覧

記事一覧: 90件

今年は「動画ゼロレーティング」に動きアリ

今年、個人的に特に注目したい動きとして「動画のゼロレーティング」がある。ゼロレーティングとは、携帯電話事業における通信料の算定において、特定のサービスを「加算の対象から除外する」行為を指す。いわゆる使い放題サービスだが、すべての通信を使い放題にすると際限がないため、特定のサービスだけを使い放題化することで、通信の最適化と顧客満足度の向上を狙ったものといえる。ゼロレーティング自体は珍しいものではなく、日本でも「LINEモバイル」が、LINEでのコミュニケーションを使い放題にしている。このゼロレーティング、法的な面や公正競争の面からは「問題がある」と言われてきたものでもある。(2017.02.11)  続きを読む

CESで感じた「フランスと日本の差」

今年のCESは、日本からの参加者が意外なほど多かった。公式な数字は出ていないので本当のところはよく分からない。しかし、各種視察ツアーの参加者は軒並み例年を大幅に超えていたようだし、会場のいろいろな場所で日本語を耳にする機会も多かった。だが、「出展者」としての日本企業・日本人の姿は、意外なほどに目立っていなかった。(2017.01.28)  続きを読む

音声で原稿を書くとき「頭」で起きていること

12月の頭に、VRエバンジェリストのGOROmanさんへのインタビューをしてきた。ここで、その一部をご紹介したい。筆者も音声入力は色々試してきた。それこそ、15年以上前からだ。だが、どうしてもそれだけで仕事をするに至れないのは、変換効率の問題以上に、「自分が書いている原稿の先が見えない感」があったからだ。GOROman氏の指摘する「バッファ説」は非常に納得できるものだ。(2016.12.26)  続きを読む

「キモズム」を超えていく

「キモズム」という概念がある。機器が一般に普及していく過程で、先進層から一気にマスへと広がる際、よく使われるのが、マーケティング・コンサルタントのジェフリー・A・ムーアの理論に基づく「キャズム」という言葉だ。アーリーアダプターとその先にある、超えねばならない大きな溝(キャズム)を指したものだ。これにインスピレーションを受けた言葉が「キモズム」だ。(2016.12.10)  続きを読む

ウェブフォントを広めたい・ふたたび

以前、本メルマガのコラムにて、「日本のウェブの見栄えを改善したい」という話をした。その軸になるのは、ウェブフォントの導入だ。今回は改めて、その話をしたい。一般的なウェブでは、PCやスマートフォンに標準的に入っているフォントを使って表示する。これが、ウェブの表現の画一化を招いているのは間違いない。紙の印刷物ではあんなに多彩なフォントを使い、美観にこだわっているのに、ウェブになった途端にシンプルになる。こうした問題の解決に有効なのが「ウェブフォント」である。(2016.11.26)  続きを読む

ピコ太郎で考えた「シェアの理解が世代のわかれ目」説

ソーシャルメディアの上で「ピコ太郎 関連動画で潤う」という記事が話題になっていた。この記事が説明しているのは、動画ビジネスにおける「コンテンツID」の活用の現状だ。著作物を認定し、誰がアップロードしたものであろうとも、そのコンテンツの正当な権利者へと価値(この場合には広告から生じる収益の還元)を戻そう、という仕組みであり、2007年にこの仕組みが生まれて以降、動画(特に音楽)のビジネスは大きく変わった。だが、「シェアで広がる経済活動」がピンとこない人々もいるようなのだ。ここに世代の断絶がある。(2016.11.12)  続きを読む

改めて考える「ヘッドホンの音漏れ」問題

今回は、「結果的には当たり前」の話を、改めて考えてみたいと思う。9月にAirPodsが発表されて以降、質問をされることが多かった。「音漏れ、大丈夫ですか?」これは、筆者の中で「落ちませんか?」に続く「あるある」質問になってきた。そのことは想定できたので、先行レビューを書いた際にもチェックし、記事にしている。結果から言えば、ボリュームを最大にするとかなり漏れてくるが、電車内の場合、7〜8割までなら気にならないだろう、というものだった。しかしそれでも、「AirPodsがEarPodsをベースにしているなら、音漏れが気になる」という声に変わりはなかった。(2016.10.29)  続きを読む

PlayStation VRを買ったら買うべきコンテンツ10選

本メルマガが配信される前日は10月13日。すなわちPlayStation VR(PSVR)の発売日だった。検討してはいたものの、貸し出し機材を使ったレビューを急遽やることになったため、発売日前の数日はかなりバタバタな日々を過ごした。ハードウエアの出来としては、正直満点に近い。一般家庭向けの「本格的VR機器」としては、現在もっともおすすめできる製品だ。まあ、最大の問題は「売れすぎて買えない」ことだが。ここでは、PSVRで体験すべきコンテンツを10個選び、ショートコメントとともにご紹介したい。そのうち、PCにも同じソフトがあるものはその旨記載しているので、PC派の人も参考にしていただだければ、と思う。ちなみに、「いわゆるコンシューマゲームらしいもの」は積極的に外しているので、そのつもりで。(2016.10.15)  続きを読む

やっと日本にきた「Spotify」。その特徴はなにか

9月29日、Spotifyが日本参入を正式発表した。4年前から「来る」と何度も言われ、「NetflixかドコモのiPhoneかSpotifyか」と一部では言われていたが、ようやく発表に至った。ここではサービスのプレビューと発表会のこぼれ話をお伝えしたい。(2016.10.01)  続きを読む

本気でスゴイ!手書きアプリ2つをご紹介

現在、PCやタブレットなどのある程度「生産性」「プロダクティビティ」を求められる機器には、ペン入力デバイスが搭載されるのが当たり前になった。もはやキーとマウス、タッチだけでは差別化できない……という世知辛い事情もあるのだが、人がまだ「ペンで書く」シーンを捨てられないこと、キーやマウスではできないことができることなどから、「コストが許すならあったほうがいいもの」になってきている、とは思う。そこで今回は2本、「強烈にすごい手書きアプリ」をご紹介したい。どちらもiPad Pro+Apple Pencilに最適化されているが、一本目に紹介する「MyScript Nebo」については、ペン対応のWindows PC(たとえばマイクロソフトのSurfaceシリーズなど)でも使える。(2016.09.10)  続きを読む

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