高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

グリーンラッシュ:合法な大麻ビジネスがもたらす大いなる可能性

高城未来研究所【Future Report】Vol.351(2018年3月9日発行)より


今週は、ロサンゼルスにいます。

2016年11月、トランプ大統領が当選した歴史的な日に、カリフォルニアでは、もうひとつの歴史的な日となる投票が行われました。
それが、同州の「娯楽大麻解禁」の是非を問う住民投票です。

すでに、コロラド、ワシントン、オレゴンの3州では娯楽用大麻の使用・所有が合法化され、先進的な州と言われていたのに遅れをとってしまったカリフォルニアですが(マリファナ使用を合法化したのは1996年で、米国の州で最も早かった)、賛成が56%、反対が44%で可決となり、本年1月1日から娯楽用大麻の販売がはじまりました。

これにより、21歳以上の人が1オンス(約28.34グラム)の大麻を所持することと、自宅で6つまで大麻草の栽培することが合法化される一方、公共の場や運転中などは禁止されるなど、酒類とほぼ同じ扱いとなったのです。

ロイター通信によりますと、合法化することによって、課税、流通のコントロール、ギャング組織の資金源の阻止などの効果を見込んでおり、解禁によって年間10億ドル(約1130億円)の税収が見込まれています。
雇用から見ると、嗜好用大麻の解禁により10万人近い雇用が生まれ、間接的な影響も考慮に入れれば14万6000人の雇用創出につながるとみられています。

なにより、近年、大麻の薬効が注目され、科学的な研究が再び行われるようになりました。
米国国立ガンセンターが効果を認め、この禁断の植物に秘められた驚くべき力が、次々に明らかにされつつあり、疾病の予防としても効果が期待されているのです。

米国のハフィントン・ポストによれば、「合法的な大麻」の市場は急拡大しており、そのペースは世界のスマートフォン市場の成長速度を上回る勢いをみせています。
わずか3年後の2021年には226億ドル(約2兆5000億円)に成長すると予測されているほどで、この大きな動きは、「グリーンラッシュ」と呼ばれています。
1848年に、新しく金が発見された地へ、金脈を探し当てて一攫千金を狙う採掘者が殺到した社会現象を「ゴールドラッシュ」と呼びましたが、それから170年ぶりに、一攫千金を狙う者が殺到している現在の状況を「グリーンラッシュ」と呼ぶのです。

また、本年6月には、大麻を禁止したWHO(世界保健機関)が、科学的見地をもとに見直しレポートを発表する予定で、このWHOの決定が、米国や日本の大麻禁止法の根拠となっていますので、まさにいま、この根幹が崩れようとしています。
そうなると、数年以内に連邦法や、それに事実上準ずる日本の法律も変えねばなりません。

現在、日本で医療大麻解禁に反対しているのは、三名だと言われており、それが、厚生労働省麻薬対策課の課長、課長補佐、係長です。
この三人が反対してる理由がWHOの見解なのですが、今年6月にWHOの見解が変わったらどうするのか、日本ならではの官僚的答弁に個人的な興味もあります。
ツムラが10年前に厚労省に漢方として医療大麻の発売の可能性を聞くと、製薬免許を取り上げると脅されたのは有名な話ですが、大前提となる根拠が変わってしまうのですから、当面は官僚ならではの言い訳を続ける「大麻に関する空転期間」が日本では続くでしょう。
個人的には、10年ぐらいしたら、JTがビジネスに乗り出してくるのではないか、と考えていまして、まあ、日本たばこ産業ならぬ、日本大麻産業(笑)ですから、そのままJTでいいわけです。
JTは、ご存知のようにロビー活動がうまく、先進国を顧みない喫煙権を次々と定着させています。
このロビー活動で、10年ぐらいすると大麻を合法化するように動くのではないか、と楽観的に予測します。

いまは冗談のように聞こえますが、世界の潮流はたばこをやめて、娯楽大麻解禁に動いているのですから、だったら、THC成分に比例して税金をかけ、JTのような大企業が専売同然にビジネスしたほうが良いのは間違いありません。
できれば、国産で。

そうしなければ、小麦のように、米国からの輸入に頼らざるを得ません。
そうなると、品質が悪くても、なかなか文句を言えなくなってしまいます。
10年前には、米国でも娯楽大麻解禁するなんて、夢のまた夢でしたが、日本も同じように10年後は、まったくわかりません。
混乱の時こそ、山のようにチャンスもあるわけで、あたらしい生き方を探し出すチャンスもあるわけです。

現在、2年近くに渡って取材を続けており、いよいよ発売が近づいて参りました。

未来文庫第二弾「大麻ビジネス最前線」。

企画の段階であらゆる大手出版社に断られた禁断の本書は、4月20日Kindle版だけで発売(予定)です!

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.350 2018年3月2日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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