本田雅一
@rokuzouhonda

メルマガ「本田雅一の IT・ネット直球リポート」より

昨今の“AIブーム”について考えたこと

※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.040(2019年3月8日)からの抜粋です。



「腑に落ちた」と知人が話すコラムを拝見しました。

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スマートフォンのナビゲーションアプリには、現在地から目的地に向かうために最初の一歩を踏み出すとき、どちらに進めば良いかを示してくれないものがあります。その場合、とりあえず歩いてみると、GPS機能が働いて、右とか左とか後ろとか、進む方向が示されるのです。親切なアプリでは、コンパス機能を使って「目的地は11時の方向にあります。直進してください」といったメッセージが出たりするので、一歩を踏み出してからうろうろ迷うことはありません。

人生の選択において、一歩はどうやって決めればいいのでしょう。たとえば、人工知能で過去のデータや私たちの現状を分析して最良の道の候補を表示してくれる「人生進路選択支援アプリ」があったとしましょう。私がそのアプリを使いたいと思うかと問われたら、おそらく「使わない」と答えるでしょう。人生の選択は、過去の実績や現状を分析するだけでは決められないからです。

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この先は、実は宗教的な話へと進んでいくのですが、冒頭のこの部分を読み返しながら、昨今の“AIブーム”について考えています。

AI……いえ、ニューラルネットワーク処理を基礎とした機械学習、深層学習モデルを用いて、より確からしい答えを探す技術というほうがいいと思いますが、そうした技術は何かを認識・識別しているわけではありません。

どんなにAIが進歩したとしても、人生はもちろん、さまざまな判断は人間が下すものです。そのほうが“正しい”とも思いますが、むしろ自己防衛的に依存しないほうがいいのでは? と思うのです。AIには感情はありません。後悔しないためにも、情報の絞り込みにAIを使うことはあっても、最終的な判断は自分でしたいものですね。
 

本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」

2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。

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本田雅一
PCハードウェアのトレンドから企業向けネットワーク製品、アプリケーションソフトウェア、Web関連サービスなど、テクノロジ関連の取材記事・コラムを執筆するほか、デジタルカメラ関連のコラムやインタビュー、経済誌への市場分析記事などを担当している。 AV関係では次世代光ディスク関連の動向や映像圧縮技術、製品評論をインターネット、専門誌で展開。日本で発売されているテレビ、プロジェクタ、AVアンプ、レコーダなどの主要製品は、そのほとんどを試聴している。 仕事がら映像機器やソフトを解析的に見る事が多いが、本人曰く「根っからのオーディオ機器好き」。ディスプレイは映像エンターテイメントは投写型、情報系は直視型と使い分け、SACDやDVD-Audioを愛しつつも、ポピュラー系は携帯型デジタルオーディオで楽しむなど、その場に応じて幅広くAVコンテンツを楽しんでいる。

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