高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

21世紀型狩猟採集民というあたらしい都会の生き方

高城未来研究所【Future Report】Vol.290(2017年1月6日発行)より


明けましておめでとうございます。

今週はラスベガスにいます。

今年は、渡航中の食事の改善と運動を大きなテーマにしていまして、逃げられない機内食や、選択の余地がないコンベンションのランチなど、考えれば考えるほど、旅行者には難題が山積みです。

現在、ラスベガスで開催中の世界最大の家電ショーCESは、およそ20万人のゲストが訪れ、会場内や周辺のホテルやラストランで食事にありつけたらシメたものだと言われており、それも驚くほど高額で、スターバックスに長時間並んで、やっと手に入れたサンドイッチとコーヒーで1000円近くもする上に、店内で食べるようなスペースもなく、会場の通路同然の場所の隅に座って食べるのがやっとなほどの劣悪な食環境です。

こんな美味しくもなく、不健康で高額な食事が続けば、心身のコンディションが良くなるわけありません。
まるで皮肉にしか思えませんが、CESで年々大きくなっているのは移動関連とヘルスケア関係でして、遠くから遥々ラスベガスまでやってきて、不健康な食事を食べながら、最新のヘルスケアの展示を見る様は、まさに現代の縮図のように思えます。

そこで、今年は食べ物を持参して会場に乗り込むことにしました。
主にはナッツやベリーなどで、まるで狩猟採集民族のように、「テクノロジーの森」を歩きながら、日々ムシャムシャと食べています。

たまに会食などに行くと、米国らしく決まってステーキで、これは狩猟採集民族が、たまに獲物を捕まえた夜なんだと自分に言い聞かせるようにして、遠慮なく食べるようにしています。

ちなみに、今年のCESの基調講演は、毎年大手家電会社やIT関連のCEOが勤めていましたが、今年は豪華客船などの運営する世界最大の旅行企業カーニバル・コープのCEOだったことも、まさに大移動時代の突入を象徴しています。

また、今年早々あたらしいウォーキングを開発しました。
それは、片鼻呼吸をしながら、一定の心拍数を保ってパワーウォーキングするというものです。

心拍数は、有酸素運動時に220-実年齢の60%をキープするのが正しいと言われていますが、実際は、実年齢ではなく、スポーツドックなどで調べた運動身体能力年齢が正しく、僕の場合は39歳から42歳程度ですので、心拍数を108BPMに設定していまして、まだはじめたばかりなので効果のほどは定かではありませんが、CESならずとも移動と健康へのあたらしいアプローチは、今後誰でもますます必要になるでしょう。

既に足、腕、脇、肩、頭につけたセンサーを通じてログを取り、身体データを可視化していますが、肝心の歩いている場所が、ラスベガスや新宿というネオンが眩い不健康な場所ばかりになってしまっておりまして、ですが、歩きながら聞いているDeep Houseが、不思議と街のネオンにぴったりと合う浮遊感がなんとも言えません。

ナッツを食べながらハイテク・コンベンションやネオン街をDeep Houseを聴きながら早足で動きまわる「21世紀型狩猟採集民」は、あたらしい都会の生き方なのかもしれないな、と新春から想いにふけっています。

皆さま、本年も何卒よろしくお願いいたします。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.290 2017年1月6日発行発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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