高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

脳の開発は十分な栄養がなければ進まない

高城未来研究所【Future Report】Vol.503(2021年2月5日発行)より

今週も、東京にいます。

移動がままならないこの機に、先月から数回に渡りまして、いままでにない「あたらしい領域」へ踏み込んでいきたいと考えています。

今週は、いよいよ「実践編第一回」をお届けします。

1970年代、ノーベル賞化学者ライナス・ポーリングと精神科医のデーヴィド・R・ホーキンズが発表した書籍「オーソモロジー精神医学」のなかで、栄養が脳と血流の化学環境に作用し、さまざまな行動や感情、および精神病にも影響を及ぼすと公表しましたが、当時、あまりに先進的なこの内容は、多くの論争を引き起こしました。
しかし、20年間に渡って精神疾患患者6万1000人にも及ぶ治療研究がなされ、予期される出現率25%を、ビタミン投与によって0.4%まで減らすことができた事実は覆せません。
そこで医学会は、この「栄養が脳と血流の化学環境に作用する」事実を、長い間、無視し続けます。

そして21世紀に入り、強力な精神安定剤を用いなければならいほど重度の患者に、ビタミンB群、C、E、D、そして亜鉛などのミネラル投与によって劇的に回復することが、多数の研究や論文により、やっと陽の目を浴びるようになってきました。
つまり、脳の問題を整えるにも、また活性化させるにも、第一は自分にあった正しい栄養を取ることからはじまるのです。

そこで、「栄養解析検査」を受診なさることをオススメします。
ライナス・ボーリングが提唱した分子整合栄養医学(Orthomolecular Medicine)に基づき、分子レベルでの栄養状態をみる「栄養解析検査」は、最先端とは言い難いものですが、現在の栄養状態を理解する第一歩としての投資価値は、十分にあります。

気分のムラ、イライラ、季節の変わり目に起きる不調、そして冷え性、めまい、生理痛、月経前症候群(PMS)、貧血、不妊・不妊症、更年期障害、アトピー性皮膚炎、がん、高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、自律神経失調症、うつ病、パニック症害などの疾病、さらに健康維持から能力開発まで、血液を採取するだけで栄養バランスを診て問題を探る手立てになり、コストは、医師の解説まで含め1万円から3万円程度。
日本全国で栄養療法に取り組むクリニックなら、まず受診可能です。

続いて、もし余裕があるのでしたら「有機酸検査」を受けましょう。
自著「高城式健康術55」にも記載しましたように、「腸は第二の脳」どころか、「脳は第二の腸」と思えるほど、脳腸は強い相関性があります。
「精神は脳にあるが 、心と魂は腸にある」と言ったのはゲーテですが、日本では、古来から「腹を決める」、「腹に据かねる」と一大事の決心は頭ではなく、腹にあると言われ、まだ自刃も頭や首ではなく「切腹」、字の如く腹を切りました。
つまり、大きな精神的な決断の鍵は、腹=腸にあると古来から考えられていたのです。

そこで、自分の腸内および神経伝達物質を調べるのに最適な検査が「有機酸検査」です。
「有機酸検査」は、尿中に排泄された75種の有機酸化合物の量やバランスを検知する検査で、「腸内環境の乱れ」、「ミトコンドリアの機能障害」、「三大栄養素がうまく使われているか」、「神経伝達物質(ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン)のバランス」、「ビタミンB群、ビタミンCの過不足」などが、まとめて可視化できるコストパフォーマンスが良い検査です。
検査方法は、朝一番の尿を測定し、その代謝物から体内の状態を推察します。
ただし、検体を米国に送付するため、一ヶ月から数ヶ月ほど結果を待たねばなりません。
この「有機酸検査」と前述の「栄養解析検査」のふたつを見れば、個々によって異なる「現在の状態」がそれなりに理解でき、問題と本当に必要な栄養を見つけ出すことができるのです。

長い読者の方々は、すでにいくつかの検査を受診し、自分の体質から弱点をそれなりに理解なさっていると存じますが、検査直後ならまだしも、時間が経つと自分に甘くなり、また、気がつくと栄養を気にしなくなってしまうものです。

もし、今年「あたらしい領域」、つまりユングの言う集合的無意識にアクセスでき、驚くほど集中力を高め、迷うことがない判断力を手に入れたいとお思いでしたら、もう一度、この機にご自身の栄養バランスを見直してみてください。
もう何年も申し上げておりますが、改めて何度でも申し上げます。
脳の開発は、十分な栄養がなければ進みません。

次回、「実践編第二回」に、続きます。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.503 2021年2月5日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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