川端裕人メルマガ・秘密基地からハッシン!より

ロドリゲス島で出会った希少な「フルーツコウモリ」!

川端裕人のメルマガ『秘密基地からハッシン!』Vol.043より「どうすいはく・ロドリゲスオオコウモリ写真つきレポート」をお届けします。


【著者撮影】
 
 

先週、取材で訪れたモーリシャス島から、
さらにロドリゲス島へ向かった

先週、ドードー関連の取材のためにモーリシャス島を訪ねた。ロンドン自然史博物館のジュリアン・ヒュームさんの発掘に同行したのだがそれについてはいずれ別稿(近い将来)で。また、前々から話し合ってきた論文執筆について、顔を突き合わせて話し合ったので、それについても別項(43号にて)。

さてさて、せっかくモーリシャスまで来たのだから、近縁のソリテアがいたロドリゲスにも行くべきだと思い、二泊だけれども、訪ねた。モーリシャスから飛行機で1時間半くらいの距離だ。

ロドリゲス島では、ソリテアの発掘の取材をしたわけだが、突如、朝夕に特別なプログラムが割り込んできて、ぼくは、感動に心震えるとともに、心底疲れ切ってしまった。


〈島の最大の町であるポート・マチュリン〉


〈モーリシャスはドードーの島だが、こっちはソリテアの島〉

特別なプログラム。

それは、世界で一番希少なフルーツバット(オオコウモリ)のなかの一種ともいわれるロドリゲスオオコウモリのねぐらを地元の人の協力で発見してしまったのである。もちろん、IUCNのレッドリストのステータスはCR(絶滅危惧)。

英語でフルーツバットというと、日本語ではオオコウモリのことで、その呼び名の通りひ果物食だ。種子の散布者でもある。フライングフォックスという名前で呼ぶことがあるが、まさに「空飛ぶキツネ」みたいな風貌をしている。

きわめて個人的な感覚として、オオコウモリはかわいい。とんでもなくかわいい。

日本では、大東島にいるダイトウオオコウモリや小笠原のオガサワラオオコウモリが有名だけれど、沖縄本島にも、石垣島などの八重山諸島にもいる。

以前、オオコウモリ見たさに石垣島にいって、夜、彼らが群れる木の下で蚊に刺されながら観察していたことを思い出す。実は今年になって、沖縄の生き物仲間的なあやしい探検隊(仮称なまもの探検隊)との交流ができて、沖縄本島のオリイオオコウモリを見る機会もあった。オオコウモリとの絆が、にわかに深まりつつあるところへ、ドカンと超弩級のレア種が目の前に登場したのである。

これはもう、大変な事態だ。
 
 

オオコウモリは「かわいい」
~たわわに実ったフルーツのようなその姿

朝6時に現場に入り朝食前の観察、さらに昼間の取材が終わった後、日没まで観察。

たった2日だけなので4回しか機会はなかったわけだが、トータル6時間くらいは、ねぐらの森を歩き、たわわに実った果実のようなその姿を観賞した。


〈借りた4WDで、道があるようなないようなところを走る。このあたりがねぐら〉


〈なんか飛んでるし〉


〈いた! フルーツみたいにぶら下がってる〉


〈800ミリ相当のレンズにでデジタルテレコンまで使って1600ミリ相当。手持ち〉

実に美しいオオコウモリだった。

彼らは別名ゴールデンバット(冗談みたいな命名だが)と呼ばれるそうで、首から上の体毛が明るい茶色だ。オレンジに近い。日光を透かすような位置でみると、きらきらと金色に輝いて見える。

あまりにも感動したので「撮って出し」的に写真を紹介する。以下、その基本的にはかわいらしいロドリゲスオオコウモリをご鑑賞ください。
 
 

〈朝ねぐらの周りを飛んでいるところ。指先がチョンと出ているので、鳥ではないとすぐに分かる〉


〈真上を飛んでくれました〉


〈朝、眠る前にちょっと相互行動をしている。左から2番目と向き合っている子は、やや体が小さく、子どもではないかと〉


〈子どもだと思う2頭〉


〈気がついたら真上から見ていた〉


〈翼が「手」なのだとよく分かる〉


〈さて、くっついて玉になって眠ります〉

 

〈かと思えば、なかなか落ち着かない朝。ねぐらの木を何度か変えてみたり〉
 

 
 
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川端裕人メールマガジン『秘密基地からハッシン!

2017年7月7日Vol.043
<ロドリゲスオオコウモリ写真つきレポート/LAグリフィス天文台の魅力/トルコ経由でモーリシャスに行った件/ドードー連載/学術論文を書こう!/再読企画>ほか

41

 
目次
01:「日本の動物園にできること」のための助走
02: keep me posted~ニュースの時間/次の取材はこれだ!(未定)
03:宇宙通信:LAグリフィス天文台の魅力
04:どうすいはく:速報! ロドリゲスオオコウモリ写真つきレポート
05:旅ログ:トルコ経由でモーリシャスに行った件
〜空の旅を快適にするコツはあるか?
06:連載・ドードーをめぐる堂々めぐり(43)
絶滅動物作家のエロール・フラーを訪ねる その2
07:ドードー論文プロジェクト その1
08:著書のご案内・イベント告知など
09:「動物園にできること」を再読する:第十章「動物園を出よう! 森へ行こう!」
10:再読会エキスパート向けメモ(9章)

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川端裕人
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。普段は小説書き。生き物好きで、宇宙好きで、サイエンス好き。東京大学・教養学科卒業後、日本テレビに勤務して8年で退社。コロンビア大学ジャーナリズムスクールに籍を置いたりしつつ、文筆活動を本格化する。デビュー小説『夏のロケット』(文春文庫)は元祖民間ロケット開発物語として、ノンフィクション『動物園にできること』(文春文庫)は動物園入門書として、今も読まれている。目下、1年の3分の1は、旅の空。主な作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、アニメ化された『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)、動物小説集『星と半月の海』(講談社)など。最新刊は、天気を先行きを見る"空の一族"を描いた伝奇的科学ファンタジー『雲の王』(集英社文庫)『天空の約束』(集英社)のシリーズ。

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