※この記事は本田雅一さんのメールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」 Vol.053「ある日本人歌手を包み込んだ愛」(2019年9月30日)からの抜粋です。

シェアオフィス「WeWork」の株式公開に絡んで、さまざまな動きが顕在化してます。投資をしてるソフトバンクの孫正義さんは、創業者を更迭しましたが、そもそもWeWorkが投資に値する事業を展開しているのか。
WeWorkは現代的な、ありきたりに言えば“カッコイイ”シェアオフィスを作り、コミュニティーを醸成し、単に働く場を提供するだけでなく、そこに出会いが得られる仕掛けも盛り込まれています。
僕は彼らの事業について、深くはあまり知らないのですが、シェアオフィス事業そのものは興味を持っていました。新しい事業アイディアを生み出すスペースとして、コワーキングの場所はとても重要な役割を果たすと思うからです。
ただし、WeWorkの事業価値がものすごく高いとも思えません。WeWorkはシェアオフィスの新しいパッケージ提案でしたが、その本質は賃貸業。そのバリエーションにしか過ぎません。すでにある収益を上げている事業者の何倍もの価値がある、と主張するならば、気を付けてその評価をすべきでしょう。さて、そんな話から始めましたが、今週は ITの話ではありません。ご容赦ください。
ひとりの女性歌手を巡る奇跡
このところ、ある女性歌手の取材記事、いわゆるルポライティングを書いていた。彼女に訪れた巡り合わせは奇跡的とも言えるものだ。今回は彼女の話を、また別の角度から書いてみたい。
2016年5月、日本人歌手・TiAは米最大級のゴスペル大会『マクドナルド・ゴスペル・フェスト』に出場。友人を通じて頼まれ、即席のコーラスグループ「おむすびシスターズ」でメインボーカルを務めるためだった。
毎年2万以上の応募がある大会。参加者のほとんどは黒人のプロテスタントである。そこにアジア人として初めてグループ歌唱部門で決勝に進み、優勝を見事に射止めたのだ。2019年6月になると日本で久々のアルバムをソニーミュージック・アリオラジャパンからリリース。その日本人離れした歌唱力と豊かな表現力に注目が集まっているが、彼女が過ごしてきた15年間は決して平坦なものではなかった。
16歳での華やかなメジャー・デビューの後
横浜出身の少女、TiAがデビューを決めたのは2002年、まだ14歳のときだ。中学時代から評判が知られていた歌唱力を見込んだEpicレコードジャパンは入念な準備を進め、高校に入学後の16歳にデビューさせた。
アーティスト名は“ティアラ(冠)”をイメージしたTiA。自ら作詞作曲したシングル『Every time』をリリース。ファーストアルバム『humming』は日本ゴールドディスク大賞 「NEW ARTIST OF THE YEAR」を受賞し、収録されたセカンドシングル『流星』は人気アニメ「Naruto」のエンディングテーマに採用された。
しかし、大きなビジネスへの発展を見込んで大人が敷いたレールを歩み始めた少女は、ただただ大好きな歌を歌いたいだけだった。プロモーションに大きな金額が動く中、少女には「表現者とは何か」を考える余裕などない。彼女に成功の匂いがないことを嗅ぎ取ると、大人たちは少しずつ彼女の元を去り始め、彼女の活動には寂しさが伴うようになっていった……
(この続きは、本田雅一メールマガジン 「本田雅一の IT・ネット直球リポート」で)
本田雅一メールマガジン「本田雅一の IT・ネット直球リポート」

2014年よりお届けしていたメルマガ「続・モバイル通信リターンズ」 を、2017年7月にリニューアル。IT、AV、カメラなどの深い知識とユーザー体験、評論家としての画、音へのこだわりをベースに、開発の現場、経営の最前線から、ハリウッド関係者など幅広いネットワークを生かして取材。市場の今と次を読み解く本田雅一による活動レポート。
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