やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

猛烈な不景気対策で私たちは生活をどう自衛するべきか

 ということで、EUでも4-6月期のGDPは年率換算で4割減少というとんでもない数字になってきました。

ユーロ圏GDP40.3%減、過去最悪

 先に報じられたアメリカのGDPも年率32.9%減とのことで、だいたいどこの国も似たような状況になっていくのではないかと思います。そうなると、やはり我が国も営業自粛をしながらGOTOトラベルというような縫合策を繰り返しながら無駄弾を撃っていくスタイルでは早晩行き詰まるよねという結論になるわけであります。

アメリカ 4-6月GDP 年率ー32.9% 統計開始以来最悪の水準

 これから、先にコロナ禍から脱した台湾やニュージーランドなどの国の経済がどうなるのかを観ながら判断することになると思うのですが、今回のコロナウイルス対策で言えば徹底的な感染防止を3週間ないし4週間やって、そこでいったん完全に鎮火させてから経済対策を行うという方法がおそらくは「正解」だったのでしょう。とはいえ、お隣の韓国でも一時期は感染症対策が功を奏したと思いきや、同性愛者の皆さんが集まるサービス施設で感染再燃して以降、数字が増えたり減ったりしているというのも気になるところです。

 結局、我が国はといえば、PCR検査数そのものが順調に拡大したこともあって、見た目の感染者数は増えて400人を超えてきました。ただこれは、PCR検査が増えたから感染者数が増えたんだよという簡単な話では止まらず、やはり傾向として第二波(正確には第三波)の感染拡大が続いているのは間違いなく、また、PCR検査をしなければしないで無症状の感染者がどんどこ増えていく状況になるわけですから、やはりPCR検査は拡大していかなければ感染抑え込みにはならないということになろうかと思います(当メルマガ;有料部分次項参照)。

 このような状況下で私たちはどう生活を防衛すればよいのでしょうか、という話になるわけですが、まず事業者であればこれから実体経済は死ぬのに資金だけはどんどこ供給される局面が続くようであれば、可能な限り低利・無保証で借金をしておき、インフレに強い商品や証券に投資をしておくべきという話になってきます。もちろん、資金供給するぞと言ってもどこかで目詰まりを起こしたり、またそれに投資家としてなかなか気づけない局面が来ると一気に価格が落ちてオケラ街道を歩くことになってしまうので注意が必要です。

 また、本当に強い不動産という点で言えば、結局は一大需要地である湾岸周辺がいまや一強に近い状態になっているので、そっち方面に手出しをできる資産に余裕のある方は名乗りを上げておいても良いかもしれません。あくまで資産防衛という意味においては。

 一方で、地方都市の商業物件にお金を出し続けてきた私などは涙目なわけですが、別にゼロになるわけではないと涙を拭いて前を向くにあたってはやはり地域経済の一番星になれば生き残る目はあると割り切って進んでいくほかないのかなと思っています。スキーリゾートに手を出した私が馬鹿だったと思いながらも、見えている範囲内では地域経済において二番手以下の地域は一層駄目になっている印象があり、優勝劣敗が続きます。

 やはり、大規模な経済後退にあってはいままで以上にオンリーワンを探す投資を行うほかなく、また、現金で持っていても市中にどんどん現金が出てきてしまうと実質的に目減りしてしまうことになるので、無理のない範囲内で可能な借金はきちんとし、勝てる産業、勝てる銘柄、勝てる地域の不動産やゴールドなどインフレに強い商品をぼちぼち買いながら経済混乱が収まるのを待つ、以外に負けない手段はないのではないかと思います。

 そして、とりわけ多くの人を雇ったり、路面店や生産設備などバランスシートや固定費の重い産業に従事している人は一刻も早く操業をやめて身軽になる以外ないのかもしれません。もはや当面は介護のような社会福祉法人や地方経済を支える建設業や工務店といったインフラに直結しているところ以外、半年以上大変なんだろうと思いますし、逆に言えばバーンレートが半年もないような現預金しか持たない企業は本当に倒産の危機に直面すると思うんですよ。

 多少インフレの危機があっても現金と証券投資だけでやっていくというのも戦略としては身軽で良いと思いますし、とにかくいまこれからの経済のキーワードは身体が軽いことが第一優先でキャッシュを使わず、入ったキャッシュは強い資産に置き換えながら守っていく以外にないのだろうなと考えています。

 そして、台湾やニュージーランド、あるいは一足先に景気回復局面に入っているようにも見える中国については、それ関連の数字をいかに早く分析し判断と行動に繋げていくかじゃないかと思います。放っておくと沈むのは日本経済の間違いないところなので、まずは死なないこと、身軽であることを念頭に生き残っていきたいと思っております。はい。
 

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Vol.Vol.305 コロナ禍による不景気にどう生き残るかを真剣に問いつつ、パクツイRTはアウトの最高裁判断に触れたり千代田区長・石川雅己さんの話で再び盛り上がる回
2020年7月31日発行号 目次
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【0. 序文】猛烈な不景気対策で私たちは生活をどう自衛するべきか
【1. インシデント1】GOTOトラベルの後始末、どのようにして感染症対策を行いながら経済を回すのか
【2. インシデント2】SNSで面白ネタをシェア・RTすると裁判沙汰に巻き込まれる時代の到来
【3. インシデント3】千代田区長・石川雅己、さらなる修羅の道を往く
【4. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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