高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

超人を目指す修行の日々

高城未来研究所【Future Report】Vol.476(2020年7月31日発行)より

今週は、慶良間諸島にいます。

数ヶ月続いた沖縄生活も終わりに近づき、求めていたゴールまではもう少しかかりますが、中締めの時がやってきました。
この間、取り組んでいましたのが、独自の「超人開発プログラム」です。

一般的に超人といえば、筋骨隆々の体躯をイメージなさるかもしれませんが、僕の定義する「超人」とは、身体の内部に原子炉を備えた不滅のエネルギーを内包するようなイメージです。
まるで、鉄腕アトムのような。

過去にも一度取り組んだことがあり、その時には、時間が足りずに断念したことがありまして、今回は、そのリベンジもあって、真摯に修行に精を出しましたが、今回もゴールまでに達することができず、もう少し時間が欲しいところでした。

その目安のひとつが、体温です。

人間の体温は1度あがれば、免疫細胞が大いに活性化しますが、体温が下がり血行が悪くなると、体内に異物を発見しても素早く攻撃できません。
免疫力が正常に保たれる体温は36.5°Cといわれており、体温が1°C下がると免疫力が30%低下し、逆に1°C上がると一時的に免疫力が最大5〜6倍アップし、これが疾病の際に発熱する理由です。

実は、50年前の日本人の平均体温は36.89度ありましたが、驚くことに現在の日本人の平均は36.20度。
周囲を見ても、平均体温が35度台の人も少なくありません。
かつての僕自身も、そうでした。

また、ここ数ヶ月、免疫力や抵抗力の大事さが、いまさらながらに身に染みている諸氏も多いと存じます。
運動やサプリメントで補うのも結構ですが、もし、本当に身体に炉心のようなものが構築できれば、免疫力が増大するのは、いうまでもありません。

今週は、この「超人開発プログラム」の中間試験のため、iPhoneや高画素カメラやドローンに至るまで、一切のデジタル機器を置いて、釣り道具だけもって本島にほど近い離島を回っています。

とにかく獲れたものだけを食べる生活を続け、ハンモックで寝る。
都会の真ん中で、身体や意識だけを飢餓モードに変えるのではなく、大自然のなかで、本当の飢餓モードにスイッチし、人間本来の野生の勘を取り戻す。
こうして「変身」することを、目指しています。

この感覚のまま、都会に戻るといったいどのように感じるのか楽しみで仕方がありません。
なにより、近視的には新型コロナウィルス感染拡大にたいする自分なりの防御ということもありますが、巨視的には、第二次世界大戦以降に人類の食生活が大きく変わってしまったように、次のグレートリセットによって、人類の食が大きく変わっても、その難局を乗り切れる準備をしておきたいと考えます。

なにもなければ、ただ心身ともに快調でいられるだけですが、もし、どこかで孤立してしまうような災害から天災、そして、疫病から経済的危機による一時的な流通網のシャットダウンに至るまで、「本当のショック」に耐えうる心身の強化が必要だと考えたのです。

おかげで釣りもすっかり上達し、糖中毒を完全に脱却できたことから、5日間程度なら水だけで生きられ、数枚の干し肉があれば、数週間生きられるように体を整えました。

また、デジタルディバイスに一週間以上一切触らなくても、なんとも思わない精神性も手に入れました。
こうして、沖縄で過ごしたコロナ渦と呼ばれた2020年の春から夏の期間は、僕の人生のなかでも忘れることができない最高のターニングポイントとなったのです。

体温も、36.7度まであげています。
本来なら東京オリンピックで騒がれる頃だと思いますが、僕は僕自身にメダルをあげたいほどです(道半ばゆえ、まだ、銅メダルぐらだと思いますが)。

目指せ、体温37度!
できれば今年、どこかで「修行の日々-後半戦」を送りたいと思っています。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.476 2020年7月31日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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