
各所方面の状況説明会や報告会を終えて、ひとつの区切りがつきました。2月18日に第二次高市内閣が発足し、2月19日現在、特別国会が動いています。この機会に今回の選挙の振り返りと今後の政局について、少し整理してみたいと思います。
あっという間の30日決戦
1月8日に衆議院が解散され、2月8日に投開票が行われました。皆さん大変お疲れさまでした。文字通りの30日間決戦だったんですが、結果的に大勝で終わったとはいえ何も確証はなかったです。いつハシゴを外されるか、神輿を叩き落されるのかと、ずっと冷や冷やしてました。自民党の獲得議席は選挙戦序盤の216議席予測から最終的には316議席という歴史的大勝となり、高市早苗さんが率いる自民党の選挙対応として見れば「救世主」と評されても過言ではない結果です。いやー、良かったなあ… 一方で、その30日間で起きたことを時系列で追ってみると、野党側、とりわけ中道改革連合さんの側に意思決定の混乱が随所に見られ、その積み重ねが今回の結果につながったように見えます。
細やかなところは、プレジデントに記事を書きました。そのまま載るといいなと思ってますが、その辺は編集さんにお任せで。ええ。
で、よく聞かれる質問として、離婚されちゃった公明党を仰ぎ見た今回の選挙としては、佐藤浩さん(創価学会副会長)が果たした役割が非常に大きく、MVPに値すると思います。れいわ新選組の大石晃子さんも今回の選挙戦で存在感を示された。他方、中道改革連合の看板の下に戦った陣営については、急造の箱として機能する前に選挙が終わってしまったという印象が拭えません。後述しますが、ネットパネルやRDDなどでは着実に中道改革連合自体の認知・浸透は進んでいるように見えるのに、中盤以降も出口調査で中道さん候補への投票は伸びず、そのまま終わっちまったという感じです。
2月18日に発足した第二次高市内閣は、全大臣を留任させる形での再組閣となりました。法務大臣の平口洋さんなどについては、ご本人の資質に関して与党内でも疑問符がついていると聞いていますが、改造なしというのが高市さんの判断でした。まあ、維新さんのこともあるので秋に何かするかもしれませんが… 高市さんご自身は人事を動かすことよりも、政策推進を優先されたのだと解釈しています。
特別国会では61本の法案が提出される予定で、これは通常国会の審議スケジュールと比べてもかなり過負荷な状況です。月末には私のシンクタンク関係の職掌もひと段落し、通常業務に戻ることになりますが、この法案群の内容と進捗については引き続き目を離せません。
憲法改正:チャンスは確かに来ている
で、憲法改正については公約にもある通り重要事項なんですが、安倍晋三政権においても悲願だったものの、ついぞ、そんないますぐ必要でもないものに政治リソースを割けないぞということで見送り続けてきました。みんな忘れてるかもしれませんが、第二次安倍政権の施政末期は支持率45%がやっとの状態だったんですよ。その点で、高市さんが議員総会で「憲法改正と皇室典範改正に挑戦する」と呼びかけたのは、戦後日本の憲政史上初めての本格的な憲法改正機会の到来を念頭に置いてのことなのは間違いありません。まあ、頑張ればできちゃいそうな雰囲気がするんですよね、実際。信頼を置く古屋圭司さんを憲法審査会に送り込んだのも、「更迭」という側面がありつつも実際には改正に向けて腹心を送り込んだと見た方がいいかもしれません。
議長に麻生太郎さんを起用したのも、単なる棚上げ・厄介払いというより、高市さんがやりたいことを考えると麻生さんに議長として据えることの意味を持たせたかったと見られます。いくつかの経緯があったようでしたけどね。
憲法改正については別稿で解説を加えたいと思いますが、正直なところ、高市さんに「これをこうやるのだ」という明確なビジョンがあるかどうかは疑わしい。ただ「やりたい」という意志はある。ここが難しいところで、高市さんの意思決定スタイルと憲法改正のような大仕事の相性については、改めて考えておく必要があります。
参議院という壁:5議席不足の現実
衆議院では与党が圧倒的多数を持つことになりましたが、参議院は全く別の話です。自民党101議席、連立パートナーの維新が19議席で合計120議席。参院の過半数は125議席ですので、原則として(いろいろあるのはご承知の通りですが、見た目の数字上は)自由民主党と維新さんの与党としては5議席足りていません。
維新との関係について言えば、今回の選挙で大阪の小選挙区は維新が押さえ、比例でも存在感を見せましたが、維新の執行部が何を言いたいのかよく分からない局面が多々あります。吉村洋文さんが言い始めた副首都構想や議員定数削減については、自民としては政治リソースを割く優先度が高いとは思えない。維新との連立はするが、維新の優先課題に付き合うつもりはないというのが実情のようで、このままいくと参院での与党連携として維新はカウントできない局面も出てきます。
松井一郎さんも、今回の産経新聞でのインタビューでものすごい核心の話をされていますが、いまの維新さんは(実際はそこまでではないと私は思いますが)高市さんの口先で乗せられて適当に転がる都合のいい駒だといわれても仕方がない面がありますし、また、今回は維新さんとの候補者調整や選挙協力、大阪以外でのご一緒の仕方等々については維新さんからもビジョンや要望がもっとあって良かったんじゃないかとも思っています。大阪お膝元であそこまでドンパチやる必要はあったのか、と後から維新さん支援者から激しく詰められたりしておりますが、私に言われてもねえ
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となれば、国民民主党(参院25議席)、公明党(参院21議席)、参政党といったところとの信頼関係をゼロベースから構築していくしかない。これは時間のかかる作業です。
予算成立:年度内を目指すが前途多難
で、高市さんから年度内予算成立の厳命が出ています。まあワイには関係ありませんが、周りがみんな大変そうにしてるなあと思ったら関係のある法案もなぜかきっちり巻き込まれて私も忙しくなってしまいました… やれと言われればやる以外ないのですが。しかし現実として、衆議院での審議慣例は70〜80時間、参議院でも60時間超というのが標準的な規範です。1月23日の解散という「自ら蒔いた種」による1ヶ月の遅れが生じている以上、今年度中の成立は普通に考えればかなり絶望的です。それどころか、ゴールデンウィーク前の成立を目指すのも怪しく、野党も頑張りどころだと考えるでしょうから、これは揉めます。結果として、どうにかするのであれば審議時間の短縮が避けられません。
この文脈で吉村さんが「与党の質問時間を削減すべき」という提案を出しましたが、これは政治的に非常にリスクの高い話です。先に審議に入る衆議院において与党単独でこれをやれば、国民民主党・公明党・参政党のどこかが「審議軽視だ」と反発した瞬間に参院可決の目算が崩れます。維新だけ巻き込んでも過半数に届かない以上、切りたくても切れないというのが実態です。結果として、何らかのお土産含みで公明党さんに「再婚とまではいわないけど同居ぐらいしませんか」的な橋渡しは本来やるべき状況に来ています。
暫定予算の組み込みはほぼ不可避とみていますが(前例は2015年)、それ自体が政権運営上のマイナス材料になるのは確かです。それでも、高市さんに関するエクストリーム擁護の動きはどこかしらで出る可能性は否定できませんが、その場合、悪者になるのは自民党国対や議運になってしまいます。実際、梶山弘志さんが云々されたり、御法川信英さんもどうなるか分からんというのが出始めているのもその辺に事情があるのでしょう。
なもんで、カギを握るのは中道さんというか公明党さん(参院)になってきます。
というか、話ができそうな参院の勢力という点ではこのぐらいしかないんじゃねえの、という。
結成の真相と手続きの不思議
ここで、中道結成の経緯を振り返らざるを得ません。
いまのボタンの掛け違えを理解するには、ここへの考察が必須だろうと思うからです。
今回驚いたのは、中道改革連合が選挙のために急ごしらえで新党を結成し、共通名簿を作ったという経緯の詳細です。聞いたところによると、原則論として最初に話し合いをしたのが佐藤浩さんと馬淵澄夫さんで、そこに安住淳さんが乗っかり、佐藤浩さんの話を忠実に守る形で斉藤鉄夫さんと西田実仁さんが野田佳彦さんとの取りまとめに応じたというのが真相と見られ、そのままプレジデントに書いたら当事者から「そうです」と言われたんできっとそうなんでしょう。結果的に大負けの原因になったと指弾されてしまっている以上は認めざるを得ないのでしょうし、両サイドからほぼ同じストーリーが聞こえてくるのは珍しいことで、この構造はかなり確度が高いと見ています。
なんせ、トップ同士の合意らしきものから突然降って湧いた本件が4日間で党名を決め、安全保障政策を擦り合わせ、原発・エネルギー政策を棚上げし、比例名簿を作って選挙に臨む——途中で「実は自公連立解消のころから青写真は想定していた」と言われましたが、聞く限り、ここまで踏み込んでご一緒する話にはなっておらず、高市早苗電撃解散報道までは普通に6月サミット後に解散総選挙を見込んで準備していたようです。立憲の方々の中には「どうしてくれるんだ」という被害者意識があるようですが、ただ、実際のところを言えば、そのまま解散を迎えていたら立憲は議席が半減していたかもしれない局面でした。公明票を当てにして比例を譲り、小選挙区で頑張るという博打を打ったのは立憲側でもあるわけで、恨み言なしというのが公平な見方ではないかと思います(他人事ですが)。
もっとも、結果に対する責任は当然取らないとなりません。その責任論については、立憲側では野田佳彦さんが、公明党側では斉藤鉄夫さんと西田実仁さんが辞任という形で「シャンシャン」になっています。ところが実際に主導したのは落選した馬淵澄夫さんと、創価学会副会長という立場の佐藤浩さんです。「表の責任者が辞めた」という形式を取っているが、実質的な立案者・推進者のところで責任が問われていない。馬淵澄夫さんは自分を比例リストで優遇しておいて比例復活できず落選という、これ以上ない屈辱に塗れてもう二度と政治家として立ち直れないやらかしをしているわけですから良いとして、佐藤浩さんはどうなるんかというのは気になります。これでは(もしも中道が組織として存続する前提であるならば)組織の綱紀という観点から成り立たないのではないかと思います。
中道改革連合の今後:二択しかない
今後については、参院立憲と参院公明党、そして両党の地方組織も一緒にしていくという流れに向かうとすれば、地方組織の合流はたぶん極めて難しい。選挙だったら参議院議員だけパッと箱を作ってそこに合流でいいですが、地方組織はどこの政党も地元の支援団体と一体化していて、これらを「一緒にやれ」というのは相当な軋轢を生みます。
結局、衆議院のところだけ合流したまま野党として何か目立つ独自の仕事をするか、中道は解散して旧立憲・旧公明党それぞれの衆議院議員として活動するかの二択しかないように見えます。参院や地方組織の本格合流は、いまの小川淳也さん体制では無理でしょう。これは、小川淳也さんが悪いとか能力がないとかではなく、そもそも条件が整っていないところで代表に祀り上げられた側面はどうしてもあるんじゃないかと感じるところです。
なので、小川さんへの問いかけとして率直に申し上げれば、来年の統一地方選挙、再来年の参院選に向けて大きめの青写真を描ける体制に今の中道がなっているか、疑問です。4月に迫った練馬区長選や杉並区長選も含め、「立憲」の旗で戦うのか「中道」の旗で戦うのか、そこすら整理できていない状態で時間が過ぎていくと、中道をどうするかを考える猶予がどんどん失われていきます。都民ファーストやチームみらいといった変数もある中で、この辺を小川体制でどうコーディネートするのか、真剣に考えておかないとまずいのではないかと感じています。
さらに言えば、国政公明党としての党勢回復の見込みがあるのかどうか、また、参議院公明党にニーズがあるうちに高く売っておくことの是非というのはどうしても視野に入ってきます。負けを認め頭を掻いてディールに応じると中道さんとしての一体感は失われ、中央突破でまだまだ頑張りますと拳を振り上げても地方組織の一体化は夢のまた夢ということであれば、割と逃げ道は無いじゃないかという話になります。
そうなると、支援団体である創価学会さんも含めた組織としての「決め」の問題に他ならず、国政撤退論に向けてマイルドに3年28議席衆議院を持ったままうまいフィナーレまでもっていこうとするのか、中道改革連合の旗は実質的に降ろし、立憲をノリ潰したという批判も甘受しながら新しい政治的な枠組みでの生き残りをかけて仕掛けていくかしかなくなります。減りつつあるとはいえ全国500万票以上の集票力は、仮に次回の解散総選挙が3年後にあった際の政治的ムーブメントに乗っかることさえできれば一気に国政公明党の価値は上がっていきます。それまで、統一地方選挙も視野に入れた立て直しの青写真の描き方の問題になっていくんじゃないかと思います。そこには小川淳也さんがどうという変数はありません。あくまで、公明党さんや、創価学会さんの「決め」の問題だからです。
イデオロギーの整理から逃げないこと
他方、政策面でも取り返しのつかない悪手をやってしまっています。公約として中道さんがうっかり「消費税減税」を打ち出してしまいましたが、ポピュリズム批判を逃れるのであれば、この路線は相当に難しい。減税を主張しながらベーシックサービスの充実を謳うという組み合わせは、イデオロギー的にはともかく現実の政策としてはまったくと言っていいほど整合しません。というか、総支出が増える社会保障政策を実現するつもりなのに消費税減税して財源損ねてどうするつもりなの? 斉藤鉄夫さんが「減税を言いながら予算はもっとかかる福祉を言っている」という状態になっていたのは、まさにこの矛盾の体現でした。もっとも、斉藤鉄夫さんについては失意の代表辞任となった石井啓一さんの跡を継いで公明党代表になって以降、事前審査や与党PTでもなぜか消費税減税と言い始めたのでこれは誰の差し金なんだろと思ったりもしていました。まあ、皆までは申しませんが。
その意味でも、公明党さんの重要なポイントとしてこの政権担当能力を持ち現実的な政策について実現力があるという前提で行かざるを得ず、これらの政策の矛盾・ミスマッチをきちんとスポイルする必要があります。端的に言えば、妙な減税の旗はさっさと降ろして正直に「増税しますが、その分だけ安心できる生活を保障します」という生活至上主義・高福祉高負担の政策に転換すべきです。ここで、小川淳也さんと握ることができれば政策転換して一緒に国政政党としてやっていこうという道は拓けるかもしれませんが、大きな政府・機構改革に踏み出す覚悟を持つことが、ポピュリズムでなく現実路線の野党として機能する条件だと思います。
その点で、まさに「やられたら自民が困る」政策の大玉はいくつか心当たりがあります。ただ、今の中道だけでこれを完遂できる党運営の余力・体力があるかどうかは正直疑わしい、というのが正直なところです。
国民民主党という選択肢
さらに別の変数として、党勢が止まりつつあるけど有力な選択肢として残っている国民民主党との関わり方をどうするかという話が出てきます。特に、旧立憲系の落選議員を中心に、国民民主党に身を寄せたいと考える元立憲前職・元職が10名近くいるという話もあります。政治家として生き残りを考えると、選挙互助会的な仕組み作りが混ざり込んでくるのは人間として理解できます。まあ人間だもの、という話ではあります。
本来であれば、旧立憲・旧公明党・国民民主の組み合わせで言えば、国民民主に旧公明党が一緒になる構図のほうが、自民党側からすれば遥かに怖かったはずです。旧立憲と旧公明党という「古い酒と古い酒を合わせた」形では、融合しても政策成果を出すのが難しい。ただ、中道さんが国政政党として崩壊し、旧立憲が離脱するんだということになれば、国民民主党さんと公明党さんが緩やかな接近を果たす可能性は絶対にあると思っています。本来は、国民民主党と公明党両党が連携したり一緒になったりすれば、相互補完的になるんじゃないかと私は強く危惧していました。杞憂でしたが。
中道が自力でやっていけないのであれば、最終的には国民民主党への救済合併か緩やかな選挙協力体制の構築でゆっくりと国政から役割を縮小しつつ、公明党は衆議院比例・参議院・地方組織に特化して集票マシンとしての機能を維持する、というルートしかなくなるかもしれません。その場合、希望の党のときの小池百合子さんのように「排除いたします」は必ず発生し、教条的な左派は社民・共産・れいわの側に身を寄せることになるでしょう。実際、いまその話は出ています。というか、他に方法がないのでしょう。それはそれで、政界再編の一局面として整理できるかもしれません。
また、忘れてはいけないのが、公明党さんは党としての票を稼げるというだけでなく、党会費や事業収入など、ある程度しっかりとした基盤はあるけれど、小川さんが率いる中道旧立憲側さんも国民民主党さんも実はそこまで資金的に楽ではないというのが問題としてございます。ここは念頭に置いておかねばなりません。下手すると、旧立憲さんが公明党さんとは一緒にやらない、嫌だといっても、政治活動が回らないというリスクがどうしても付きまといます。本当に離縁してしまうと、旧公明党側28議席が出て行ってしまいますからね。
地方政治という舞台で勝負せよ
これからの政治は生活を支える地方政治の役割がもっと大きくなっていきます。地方議会は住民減少と予算不足から、自治体再々編と議員定数の大幅削減を求められていく流れが避けられません。地方の方々と話す機会も多いのですが、率直に言って不勉強だったり主義主張にこだわりすぎたり地元利益誘導しか考えていない方も少なくない。これはすべて、地方自治体が多すぎて民主主義を支えるコストが大きくなりすぎていることに起因しています。
中道さんに本来求められているのは、自民党ではできそうにない大きな絵を描き、東京都を含む地方から賛同を集めることです。自治体の再々編、日本社会・経済の身の丈に合った社会構造への転換、科学技術・教育への十分な投資——こうした転換のために「増税しますよ」と言い切ることが必要です。それができないなら独り立ちは無理です。
ここで少し踏み込んだ話をしておきたいと思います。
高市早苗さんは確かに自民党を救いました。国民からの人気も高い。ありがとう高市早苗。しかしながら、どういうわけか仕事ができる人が周りに残らない仕組みが生まれているように見えます。ご自身で何でもお決めになりたがり、かつ、状況を読んで配慮しながら物事を進めるタイプの方とは相性が悪い。また、良かれと思って手当てしたら、指示していない中身であることに高市さんが気づいて激怒なんてこともままあるわけでございまして… 特に、高市さんが中途半端な指示を出して、困った周辺がなんとか進めたら、後から高市さんがそれを知って「なんで勝手にやってるんだ」となって皆が萎える——これが繰り返されているという話は複数の方面から聞こえてきます。
蛇足ながら、先般、官邸のある人物Y氏に関する文書が流れ、そこに「Y」や「T」という記述があることから「Yは山本一郎のことではないか」と勘繰る筋が出て非常に難儀しました。私ではありません。実際にはある省庁から来たY氏のことと判明していますが、そのY氏は高市さんについて外部で率直な感想を漏らしたことがメモ書きとして上がってしまい、能力を嘱望されてポジションに就いたはずにもかかわらず、政府の意思決定だけでなく政策実務の現場からも外されるという、かなり大きなサイレント失脚をさせられていました。心よりご同情申し上げます。
不用意に政府関係者が核兵器容認を語ったり政権の意思決定に当事者でありながら公の場で異を唱えるのは慎むべきというのは当然です。しかし、人気に見合う政策推進力を担保しなければならない状況で、衆人の協力を得にくい状況を高市さん本人が作り上げてしまっているとしたら、国民や社会にとって非常に不幸な現象を引き起こしかねません。
3年後の選挙に向けて:野党の準備時間
今回、1月8日に解散、2月8日に投開票という30日決戦がいきなり行われました。よく考えれば、石破茂政権は2024年10月に解散していて、衆議院議員の任期が1年ちょっとしかなかったことになります。
高市政権の支持率が続くとしても、長く見て3年後にはまた衆議院選挙があります。野党にとって、実は「次の選挙まで3年しか準備期間がない」とも言えます。その3年間で、中道が組織間の不協和音を乗り越えてやっていけるのか。もし難しくなってまた細かく分裂するのであれば、早めに別れた方が準備期間が稼げる。国民民主党も含めた野党統一路線を考えるなら、腹は立つかもしれませんが玉木雄一郎さん・榛葉賀津也さん・伊藤孝恵さんのトロイカ体制に身を預けるしか方法はないかもしれません。
野党が高市政権に対してやるべきことはシンプルです。いまの政権の状況をつぶさに見ながら適切に揺さぶりつつ、「この国とこの社会と日本人、そしてその子孫をどうしたいのか」という目線で、分かりやすい政策や逸話で語りかけられる準備をしておくことです。
3年という時間は長いようで短い。中道さんにとって、いまが正念場だと思います。
やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」
Vol.503 衆院選の振り返りと今後の政局についてを整理しつつ、現時点における電子教科書やAIビジネスのありようを考える回
2026年02月24日発行号 目次

【0. 序文】中道改革連合さんに期待すること、そして高市自民党でやるべきこと
【1. インシデント1】デジタル「電子教科書」は終わりの時代を迎えるのか
【2. インシデント2】AIビジネスがこれからいろいろな意味で大変そうな件
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A
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