藤沢数希のメルマガ『週刊金融日記』第272号(2017年6月27日発行)より、冒頭部分をお届けします。
【第272号 目次紹介】
// 週刊金融日記
// 2017年6月27日 第272号
// 高級住宅地は子育てにまったく向かないという話
// 都民ファーストの会(+公明)過半数なるか
// 六本木の深夜までやってるイタリアン
// 築地ブランドに品質の違いはあるのか
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
コミック版『ぼくは愛を証明しようと思う。』の第2巻が好評発売中です。ちょうど2巻ぐらいで恋愛工学の基本戦術がおさらいできるようになっているので、まだの人は、この機会にぜひ手にとって読んでみてください。臨場感あふれる戦闘シーンの連続で手に汗握ること間違いなしですね。
●『(アフタヌーンKC)ぼくは愛を証明しようと思う。2巻』井雲くす
http://amzn.to/2shcQvW
先週、がんと闘病中だった小林麻央さんがお亡くなりになってしまい、テレビなどで連日報道されていました。フリーアナウンサーとして活躍後、歌舞伎役者の海老蔵さんと結婚し、2人の子どもを育てていました。また、がんとの闘病生活をブログに綴っており、大変な反響でした。
心からご冥福をお祈りいたします。
●がんと闘病の小林麻央さん、BBCに寄稿「色どり豊かな人生」
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-38073955
しかし、今回のがん治療に関しては、ネットの医学クラスタではいろいろ批判的な声も挙がっています。というのも、最初にがんと診断されてから、1~1年半の間、標準治療(日本国民が全員入っている健康保険が利く治療法)ではなく、非標準治療が行われていたようで、その間に、他の部位にもがんが転移したのではないか、と言われているからです。ネットで検索すれば、そのような情報がたくさん出てきますが、僕はこの件に関して、取材はおろか、文献リサーチもしておらず、どれが信頼できる情報源かわかりませんのでリンクを貼ったりはしません。よって、これから書くことは一般論です。
じつは金持ちの間では、がんなどの病気で非標準治療(=まだ効果が実証されておらず、いないので健康保険が適用されていなくされず、自己負担で受ける治療法。多くは詐欺的なものである)に頼ることはめずらしくありません。スティーブ・ジョブズも、脾臓がんで、現代医療の医学による治療を拒否し、さまざまな非標準治療を試している間に、がんが進行して手遅れになった、と言われています。
僕は小林麻央さんのケースも、スティーブ・ジョブズのケースも、真贋のほどは知りませんし、仮にそのような話が本当であったとしても、乳房を切除しそれでも5年生存率が◯△%だと渋いことを言われる標準治療を拒否し、手術もしなくてもいい、実際にこれだけの患者が治った、などと言う非主流派の医師のほうを信じてしまう人を非難しようとも思いません。これは、ある意味で、金があるゆえに、さまざまなオプションができてしまう不幸なのかもしれません。
庶民の場合は、保険が利く標準治療以外に選択肢がないので、迷う必要はありません。そして、それが現代医学のベストの治療法です。また、数百万円、ときに1000万円以上もする大変な手術でも、日本国民全員が入っている公的医療保険によって、自己負担は数万円です。よって、民間の医療保険に入る必要がなく、多くの民間の医療保険は、こうしたことを知らない国民から金を巻き上げる金融商品になっています。
『週刊金融日記 第255号 民間の医療保険の意味はないのでは』
以前の対談記事で、リゾート地にある宝石店で、売れ残りのジュエリーを半額セールにするつもりがアルバイトが間違って価格を2倍にしてしまったところ、バカ売れした、という話を紹介しました。情報の非対称性があるジュエリーについては、価格がクオリティを示している、と客が信じていたために起こった現象だということです。
●恋愛工学=営業工学!?
http://diamond.jp/articles/-/79215
ハンバーガーのような商品は、情報の非対称性が少ないので、300円のハンバーガーより1500円のハンバーガーのほうが美味しいと思ってもらって間違いないのですが、現代社会では、このように価格とクオリティ、あるいは価値が比例しているもののほうがじつは少ないのかもしれません。
僕は金融商品や教育産業については、内からも外からもよく知っているのですが、むしろ価格が上がるほど質が下がっていくものがよくあります。金融商品に至っては、ネット証券で最低の手数料で買うETFや先物などが最も高品質で、金を出せば出すほど、悲惨なものになります。自分の資産の運用を「その道のすごいプロ」に一任しているセレブは、だいたい身ぐるみ剥がされます(笑)。
美容に関しても、最も効果的な美容法は、適度に運動して、暴飲暴食をやめて、睡眠をよく取ることなので、綺麗になるために金を払う必要がありません。しかし、変なクリームや美容液など、詐欺的な商品が堂々と高い値段で売られています。
現代社会では、不思議なことに、大衆向けの最も安価な製品が、じつは一番品質がいい、というのはよくある話なのです。
"Price is what you pay. Value is what you get."
-- Warren Buffett
(価格は支払うもの。価値は手に入れるもの。)
今週も興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。
―築地ブランドに品質の違いはあるのか
―ハーフの日本人モデルのメス豚に多額の投資をしてきましたが……
―Googleの新サービスGoogle for Jobsについての見解をお聞かせください
―会社のAクラス隠れ巨乳ちゃんとラブホインするものの……
―愛する妻がいますが水原希子似の19歳と仲良くなり葛藤しています
それでは今週もよろしくお願いします。
1.高級住宅地は子育てにまったく向かないという話
以前、世界的な経営コンサルタントであった大前研一さんが、人間が変わるには強い意志などというものはまったく意味がなく、変わる方法は3つしかない、と申しておりました。ひとつ目は時間配分を変えること、2つ目は住む場所を変えること、3つ目はつきあう人を変えること、です。
これは実際にそのとおりです。で、時間配分を変えるのは、生活習慣を変えることなので、これはなかなか難しいでしょう。つきあう人を変えるのも同様です。そんなことができたら、すでに変われているわけですからね。しかし、住む場所を変える、というのは比較的簡単にできます。そして、それは良い方にも、悪い方にも影響が大きいです。
今日はその話をしたいと思います。
『ぼく愛』では、わたなべ君は、より良い出会いを求めるために六本木の小さなアパートに引っ越します。僕は若い独身男性が、ちょっと背伸びをして、家賃が高くデートスポットがたくさんあるところに住むのはとてもいいことだと思っています。職場や繁華街に近いと、単純に時間の節約ができます。また、飲み会のあとのタクシー代などを考えるとかえって安くなることもあります。そして、何よりもっと金を稼ごう、というモチベーションが上がります。
しかし、これが子育ての環境となると、まったく話が変わってくる、というのが僕の意見です。これは何も、六本木は子育てに向かない、などという当たり前のことを言っているわけではありません。白金、麻布十番、広尾、元麻布、恵比寿、松濤などなど、こういう一般的には、金持ちが子育て環境がいいというので住んでいそうなところこそが、子育てするには最悪なエリアだと言うことです。その理由をこれから書いていきます。
(続きは藤沢数希のメールマガジン『週刊金融日記』第272号にてお読みください)
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藤沢数希・著『損する結婚 儲かる離婚』
男女双方とも、簡単に全財産以上の金額が吹っ飛ぶのが結婚という金銭契約です。 「結婚はデリバティブ取引と同じでゼロサムゲーム。こと金に関しては夫婦は食うか食われるかの関係にある」。金融工学と恋愛工学について研究を重ねてきた藤沢数希が、適切な結婚相手の選び方を具体的なケースを元に解き明かす!
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