高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

アクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォンと聴力の関係

高城未来研究所【Future Report】Vol.582(8月12日)より

今週は、東京にいます。

久しぶりに東京に一週間ほど滞在していることもあって(日々、秋葉原に通ってます)、また、多くの方々からリクエストいただいたこともありまして、ヘッドフォンと聴力回復につきまして引き続きお話ししたいと思います。

ノイズキャンセリングの性能に関しては、BOSEはすでにトップグループから外れ、ゼンハイザーの追い上げはあるものの、現在はAppleのAir Pods MAXとSONYのWH-1000XM5の一騎打ちになっています。
そこで、この二機種のアクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォンの性能を見比べてみましょう(https://www.soundguys.com/sony-wh-1000xm5-vs-apple-airpods-max-71785/)。
僕もこの数年愛用するSONYは実に優秀で、特に高域特性のノイズキャンセリングでAppleのAir Pods MAXを凌駕していますが、この秀逸な技術が裏目に出ました。

人の聴力は、使わなければ衰えます。
これは聴力に限らず、筋肉をはじめとする身体全般に言えることですが、「聞き耳を立てる」という日本語が示すように、こちらから意識して耳を使わなければ、脳が聴くことを忘れてしまいます。

先日、以前に何度か通っていた音楽スタジオで同じ音源を聴いたところ、明らかに感じが違うことから、急遽知古の耳鼻科で調べてみると、使用していたアクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォン特性の逆位相で僕の聴力が急速に衰えていることがわかりました。これに加齢が加わります。

一般的にアクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォンが良いとされているのは、都会や移動時の騒音に悩まされず、また、それを解消するためにインナーイヤー型イヤホンを大きな音=危険な音量とされる85dB以上で聴く必要がない、つまり音量問題によって耳を痛めないのを回避できるからだと言われています。

しかし、長年使用した後のキャンセリング周波数特性の問題ついて書かれた論文や研究はありません。
というのも、アクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォンが一般的になったのはここ数年の話しで、中長期的なコフォート研究は行えないのが実情です。

そこで僕と同じように気になる方は、いきなり耳鼻科に駆け込まなくても、まず、自分の聴力を調べるためアプリを用いて簡易検査するのをオススメします。
最近はiPhoneなどの聴覚検査アプリもありますので、自宅にいながら簡易検査が可能です(https://apps.apple.com/jp/app/%E8%81%B4%E5%8A%9B%E6%A4%9C%E6%9F%BB-%E8%80%B3%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88/id1067630100)。

するとどうでしょう?

長らくアクティブ・ノイズキャンセル・ヘッドフォンをお使い、もしくはカナル型イヤホンをお使いであれば、特定周波数(一般的には高域)が聞き取れなくなってしまっている可能性も否めません。
また、高域の聴力は10年経つごとに、およそ1kHzづつ聞こえなくなっていくものです。

もしいま、高域が聞きづらくなっているとしたら、早めに回復するような手段を取らねばなりません。

次週、検査結果にあわせた聴力回復方法とヘッドフォン選びに続きます。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.582 8月12日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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