高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

乱れてしまった自律神経を整える

高城未来研究所【Future Report】Vol.640(9月22日)より

今週は、福井、米原、浜松、東京と移動しています。

9月は天候が変わりやすいので注意しましょう、と先日もお伝えしましたように、日本全国不安定な気候が続きます。
なにも不安定なのは気候に限らず、想像以上に人の心身は天候の影響を受けており、悪化すると「天気痛」や「気象病」などとも言われ、時には痛みが伴います。
特に自律神経は気圧と密接な関係があり、1気圧(1013ヘクトパスカル)より高気圧だと交感神経が上昇してやる気に満ちることがわかっていますが、反対に気圧が低いと副交感神経優位になり、1日中「ダル」く感じます。
今週、皆さんの調子はいかがでしょうか?

また、大きな低気圧や台風が近づくと頭痛がしたり、不調を感じる、気分が落ち込むのは、ヘルペスウィルスの影響も多大です。
特に人間が気圧を感じるのは内耳と呼ばれる耳の中の器官で、気圧が急に下がって不調を感じそうだったら、応急処置として耳を温めるだけでも症状が和らぐのはそのためです。

実は自律神経にはパターンがあり、週の頭、つまり月曜日より週中の水曜や木曜のほうが乱れやすいことが統計的にわかっています。
自覚ない方が大半だと思いますので、天気とご自身の気分を客観的に見るためにも、季節がわりにメモを取ると「知らなかった自分」の理解が深まるでしょう。

一方、季節でみれば、冬の終わりから春かけて自律神経は乱れやすく、一般的に五月病などとも言われますが、東洋医学的には冬の間に眠っていた疾病が目を覚ます時期だと考えられています。
この時期は単に季節が変わるだけでなく、桜が咲いたと思ったら突然寒くなったり、気象の変化に体がついていきません。
同じく、9月に体調を崩す人たちも多く、夏から冬に向けて体も心も準備が整いません。
このような激しい気候の変化による「寒暖差疲労」は、気温で言えば前日と7度以上差があると自律神経が過剰に働いてしまいますので、十分な注意が必要です。

では、どうしたら乱れてしまった自律神経を整えられるのでしょうか?

フロリダ州立大学のアダム・ハンリー博士の実験によれば、無心に単純作業を繰り返すと自律神経が整うことが判明しています。
編み物でも軽い散歩でも、皿洗いでも階段をひたすら上がり下りするのでも構いません。
この際の注意点は、呼吸を意識すること。
日頃からゲームなどに熱中してドーパミンが出る癖がついていると、ついついなにかに没頭する時、息を止めてしまっています。

ゆっくり呼吸し、同じ作業を繰り返してみる。

情報過多の現在、このような同じ動作の繰り返しが少しでも厳しいと感じたら、それはなにかの注意信号に他なりません。
「なんでも過剰な日本」(オーバースペック・ジャパン!)では、毎次毎秒なにかの選択に迫られます。
かくいう僕も他ではありません。

なにも選ばず、ひたすら同じ作業を無心で繰り返す。

荒れる気候は横に置き、日々の仕事や私事もハウスやテクノのように「楽しく心地よいループ」こそが、いまの日本を生き抜く秘訣なのではないか、と気候(と呼吸)が乱れるなか、改めて考える今週です。
どうか、いつも以上にご注意を。

高城未来研究所「Future Report」

Vol.640 9月22日日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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