高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

そう遠くない未来、僕らは“AI”を通してコミュニケーションするようになるだろう

高城未来研究所【Future Report】Vol.242(2016年3月4日発行)より

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今週も、ほとんど機内のなかと空港にいます。

この1週間で東京→シンガポール→香港→深セン→東莞→深セン→香港→東京→グアム→パラオと移動しまして、そのうち2泊は機内で泊まることになり、2泊は空港で泊まりました。

景気が悪くなると忙しくなるのは毎度のことで、景気が良い時にはブラブラしててもなんとかなるものなのですが、実はこれ、メディアにも同じようなことが言えます。

例えば、世界的なファッションブランドが広告を雑誌に出稿する際に、予算が潤沢な景気が良い時には、メガブランドらしく5誌から7誌程度にブランド広告を掲載していたとすると、景気が悪くなると予算も大幅に縮小され、1誌だけに効果的な広告を掲載するだけになってしまいます。

よって、雑誌が次々と廃刊や休刊になるのは、デジタルの問題ではなく、実は広告依存だった体質のことのほうが大きいのです。

これは、あらゆるフリーランサーにも同じようなことが言え、景気が良い時には、自分ブランディングなどの悠長なことを考える時間もありますが、本来は景気が良い時に、景気が悪くなった時のことをしっかり思案して備える必要があり、結果そのような準備をしていない人たちは、いきなり篩(ふるい)に落とされてしまうことになってしまいます。

なぜなら、世界的なメガブランドさえも、そのような準備を着々と行って篩にかけはじめているからです。

ですので、いまは準備を行う最後の時のように思います。

時代は、多くの人々を確実にかつゆっくりと追い込んでいます。

さて、今週amazonから、とても面白い「オススメ商品」のメールが僕に届きました。

それは、今月25日に発売される「空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? 」(http://goo.gl/1aUC03)という新刊で、著者の名は高城剛。

ええ、僕のことだと思われますが、この本、まだ執筆中なんです(汗)。

締め切りが近くなると、編集者からソフトな追い込みがかかるのはいつもの恒例行事で、もう慣れたものですので、出前が遅れている蕎麦屋同様「ほぼほぼ出来てます」のような、現代の不可思議な日本語を駆使しながら毎度回避していますが、まさかAmazonから追い込みがかかるとは、思いもしませんでした。

もし、これがITを熟知している担当編集者で、amazonのリコメンドエンジン「A9」機能を理解して、いつまでたっても書かない執筆者に、いままでとは違った追い込みをかける方法だと理解してるなら、実に大したものです。

しかし、事実はそのようなことはまったくなく、なぜなら電子版のためのオーサリングすらかなり時間を要する様子で、リリースも大幅に遅れる予定だからです。

実際はともかく、amazonのソフトな追い込みによって僕の執筆が大幅に進んだことは確かで、そう考えると、近い未来は人工知能が編集者の代わりにソフトな追い込みを執筆者にかけてくるのでしょうが、こちらも、しっかりディープラーニングさせたAIが、「なるほどですねー!」と意味不明な相槌をうちながら、まるでAIとは思えないクオンタイズされた現代の不可思議な日本語を駆使して回避する手段を構築する必要があります。

あらゆる場面でロボットやAIに人間の仕事がとって代わられる未来の前に、ロボットやAIに追い込みをかけられる人間が増えるでしょうから、「最適化」をひたすら目指すAIと、「最適化」を崩すAIとの戦いとなると考えられます。

その他は、おそらく淘汰されることになるでしょう。

ロボットやAI同士の代理戦争は、すでに始まっていると感じた今週ですが、そんな未来譚より今月発売の新刊の執筆が先なのは間違いありません。

でも、いまも未来も「間に合いますよ、たぶん」と僕と僕のAIは、きっと自動返信するでしょう。

なにしろ、僕自身が時代や社会に「最適化」されていないからです。

 

┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】

Vol.246
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/ 2016年3月4日発行 /

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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