やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

俺たちのSBIグループと再生エネルギーを巡る華麗なる一族小泉家を繋ぐ点と線


 単体のニュース一つひとつではなかなか何を意味しているのか分かりづらい事件ではありますが、SBIのソーシャルレンディング事業が焦げ付いて貸し倒れが発生して騒ぎが起きていました。

 経済ニュースよりも二階建記事のほうがよほど(私が知り得る)事実関係に迫っているように思うので、面白おかしく目を通していただければと思うのですが。

約150億円が焦げ付いたSBIソーシャルレンディング、「第三者委員会の調査報告書」に杜撰すぎる審査体制で組織がカス中のカスと遠まわしに指摘される

 この事件単体においてはいくつか論点はあるのですが、そもそも(1)雑過ぎるでしょという話に加えて、(2)部隊となったテクノシステム社については指摘の通り反社反グレの巣窟と見られていたこと、さらにはそこへ(3)広告塔となっていた俳優・小泉孝太郎氏や、その父である小泉純一郎氏との関連が深く取り沙汰されていることです。

 偶然でも何でもなく、突然反原発の態度を取るようになった小泉純一郎氏の「豹変」より前なのか後なのか、小泉家がある時期から深く再生エネルギー政策に関わるようになってきました。小泉政権が誕生した2001年には、小泉家の地盤でもある横須賀でガス発電事業が開始され、事業開始当初は実に不名誉な噂も流れていましたが、いまでは何事もなく順調に稼働しているようです。

横須賀パワーステーション建設事業 株式会社トーメンパワー横須賀

 ここに携わっている事業者の中に、小泉純一郎氏引退後の活動を支えるパトロンとして機能している事業家がいたり、同じくその地盤を引き継いでエネルギー政策を環境大臣としてコントロールしている小泉進次郎氏に肩入れし、ある種の知恵をつけている人物がいることも広く知られている問題です。

 ここまでは、政界である種の華麗なる一族として重要な地盤を抱えている小泉家のファミリービジネスがお盛んですねという話なのですが、問題は、二階建にも書かれている第三者委員会でリスト化された「資金を集めたのにまったくプロジェクトが進んでいないメガソーラープロジェクト」です。追いかければすぐにわかることですが、プロジェクトは実在していますし、おそらく、SBISLで資金引き受けの検査をする際に具体的なプロジェクトとして自治体などからの設置許可も含めた計画書は提出されていたはずです。

 この一見正規のプロジェクトだったメガソーラー、地べたは仕込まれておらずソーラーパネルも揃っていないけどカネだけ消えている状態であったり、その一方で、パーソナルソーラー関連の事業への出資(どこから資金が出ているのかは分からない)が行われている風のパンフレットと共に個人投資家に直接投資を求める投資依頼書が乱舞している状況でもあります。

 単に反社です反グレです実体のないメガソーラープロジェクトが立っていたのでそれに騙されましたという話では終わらないであろう事情がそこにあるんじゃないかと思うんですよね。

 小泉純一郎氏が、なぜ突然反原発の言論と共に再生エネルギープロジェクトの立役者になったのか、さらには最近環境問題で議論を(意味があるかどうかは別として)リードしている小泉進次郎氏が、奥さまのクリステル氏方面以外にたいした学識も人脈も持っていなかったのに突然「レジ袋やプラスチックスプーン有料化」を打ち上げ、二酸化炭素削減を「46%」進めるといい始める前のめりの理由はこの辺にあるのではないかと思います。そこへテスラ社の関係者が脇にいて、影響されないほうがおかしい。いずれ必要なことなのだから、という話は割り引いても、本当にこの図式で我が国の脱酸素が進んで国民が豊かに、幸福になれるのかどうか。

 何が悲しいって、一面で才能はあるのかもしれないけど、国益に直結する再生エネルギー普及の旗振り役という重要な役割を担う人材として小泉進次郎氏が本当に相応しいのか、ある程度はきちんと事実関係を明らかにして吟味していく必要があるんじゃないかと思います。

元首相5人が脱原発宣言 小泉純一郎氏「ゼロでも脱炭素は可能」

 こういう記事を見て、ハイそうですねと言えるほど疑いを知らないピュアな心で接することが大事なのでしょうか。我が国の太陽光発電の電源調達を狂わせたのは、菅直人・旧民主党政権に食い込んだソフトバンク孫正義氏だったことは皆さん覚えておられるかなとは思いますが。

※ 一部、関係先希望により非表示とさせていただきました。
 

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Vol.Vol.332 再生エネルギーを巡る小泉一族とSBIグループの関係などを勘繰りつつ、きな臭い中国外交の動きや飽和気味なサブスク動画ビジネス周辺のあれこれを語る回
2021年5月1日発行号 目次
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【0. 序文】俺たちのSBIグループと再生エネルギーを巡る華麗なる一族小泉家を繋ぐ点と線
【1. インシデント1】もはや単なるネトウヨ状態の駐日中国大使館のTwitterアカウントと中華式戦狼外交
【2. インシデント2】飽和するサブスクリプション動画配信事業の顛末と、周回遅れどころではない日本勢の課題
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 
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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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