今月の対談のお相手は、電気が通るモノ全般を扱うというジャーナリストの、西田宗千佳さんにお願いしている。
いよいよ好評の対談も最終回。今回のお話しは、PCの使い方の流れで、学校教育のIT化、電子教科書の議論や現場のあり方などを語っていく。昨年のMIAUのプロジェクトのひとつとして、教育のIT化について調査・研究を行なってきた。電子教科書導入の議論なども、一通り取材している。
一方西田さんは、ITの利活用という流れから電子教科書の取り組みを取材してまとめた書籍を出されており、僕もその時に保護者の立場から取材されている。
リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ
一時期盛んだった電子教科書の議論も、昨今はあまり聞かれなくなったが、現場は常に走り続けている。
パソコンと言えばWord、Excelだった
小寺 PCの使い方という事では、学校にあるパソコンルームのあり方やなんかも、もう変わらないといけないと思うんですよね。
西田 電子教科書の本を作った時にずっといろいろ話を聞いてて思ったのは、昔はやっぱりパソコンと言った時にはWord、Excelだったんですよね。ところが今は、ビジュアルなものを作って人に見せるためのソフト。
だから、圧倒的にパワポのほうがいいってみんな言うわけですよね。そこに人のニーズが移ってて、しかも使う側のモチベーションとしても、そっちは紙じゃできないから高いんですよね。
小寺 なるほど。
西田 小寺さんにも一回見学に行くことをおすすめするんですけど、千葉に袖ヶ浦高校ってあって、そこでは学生にプレゼンの授業をさせるんですよね。で、生徒同士で自分をプレゼンすると。
[caption id="attachment_2040" align="alignnone" width="420"] 某メーカーの超秘密会議に同席した際の西田宗千佳氏[/caption]
その時に、できる限りKeynoteに自分のことを書いて、自分のことをどういう順番で見せると人にわかりやすいか、っていうのを試行錯誤させてんですよ。その時に思ったのは、いわゆる人に見せるものを作る、って環境が、今までって紙一枚だったじゃないですか。そうじゃなくて、流れを作る、っていう感覚を覚えさせる。
小寺 ああ、時間軸でね。
西田 うん、時間軸で。で、それがわかってくると、次からはプレゼンの時じゃなくて、人に説明する時に、時間軸に沿ってしゃべるように変わる。
小寺 話の順序が作れるようになるんだ。
西田 それができると、コミュニケーションの密度とか、精度とかが大きく変わるんですよ。これをiPadを持って見せながらやることによって、要は身体で覚えるわけですよ。それはでかいな、と思いましたね。
その他の記事
![]() |
「正しく怒る」にはどうしたらいいか(岩崎夏海) |
![]() |
「暗い心」から脱するための、あまりにもシンプルな指針(名越康文) |
![]() |
猛烈な不景気対策で私たちは生活をどう自衛するべきか(やまもといちろう) |
![]() |
突然蓮舫が出てきたよ都知事選スペシャル(やまもといちろう) |
![]() |
安倍昭恵女史と例の「愛国小学校」学校法人の件(やまもといちろう) |
![]() |
小笠原諸島の父島で食文化と人類大移動に思いを馳せる(高城剛) |
![]() |
「相場下落」の冬支度、なのか(やまもといちろう) |
![]() |
「もしトラ」の現実味と本当にこれどうすんの問題(やまもといちろう) |
![]() |
蕎麦を噛みしめながら太古から連なる文化に想いを馳せる(高城剛) |
![]() |
いつもは持たない望遠レンズで臨む世界遺産パンタナル大湿原(高城剛) |
![]() |
ポスト・パンデミックのキューバはどこに向かうのか(高城剛) |
![]() |
年末年始、若い人の年上への関わり方の変化で興味深いこと(やまもといちろう) |
![]() |
移動速度とアイデアは比例するかを考える(高城剛) |
![]() |
素敵な真夏を迎えるための身体の備え(高城剛) |
![]() |
「レゴとは、現実よりもリアルなブロックである」(宇野常寛) |