IT機器は教科書よりも、教材であったほうがいい
小寺 うん。教科の外側にある本質的なことで、学ぶエンジンになるのは、やっぱり人に評価される、ということなんですよね。今、学校の中で評価されるって言えば、先生が誉めるとか二重丸もらうとか、そういう非常に限られた……教育者という立場に立った人の判断だけになってる。
たとえば工作のレベルとかっていうのは、その学年の子どもなりの難易度というか琴線に触れる部分があって、先生には評価されないんだけど、子どもたちにとってはこれはスゲェ! ってやつがあったりするじゃないですか。逆の方向では、こんなの作れるわけねえ、親に手伝ってもらったろ、みたいなこと。
そういうところでもっといろんな方面からの評価があって、初めてバランスが取れる。なんかこうね、僕も子どもを学校に行かしてて、この評価軸でいいのかな? ってところを時々感じますね。
西田 その時に、IT機器があると、IT機器がうまい子が評価される、って思われがちじゃないですか。
小寺 あー。そうじゃないよな。
西田 そう、それは違うんだな、というのがなんとなくわかってきた気が。だからね、本出した後にも、いろんな電子教科書の話題が盛り上がってきて。結果的にやっぱり電子教科書を導入しましょう、という話になったら、そうじゃねえだろう、という気持ちにどんどんなってきました。むしろ、教科書要らないだろ、そうじゃないんじゃない? という気分にすらなってますね。
小寺 僕も西田さんが書かれたあの本の時にインタビューされたんですけど、IT機器は教科書よりも、教材であったほうがよりいいと思うんですよね。教科書はどうしても、日本の検定制度の中ではやりづらい。検定をやめろ、という風には誰もコンセンサスが取れないので。手っ取り早くやるためには、教材として入れるしかないと思う。
西田 そうね。しかも、入れてく速度が、韓国に比べて遅れてるとかシンガポールに比べて遅れてるとか、そんなのどうでもいいんじゃないの、っていう気もしていて。そう考えた時に、いろんな子がね、評価される軸として、ある子は運動で評価されるかもしれないし、ある子は書道がうまいとかで評価されるかもしれない。ある子は、そういう表現で評価されるかもしれない。
要は、その表現のための道具として、紙とペンだけじゃダメなんだと。じゃあコンピュータも使えばいいんじゃないの、という。その時に多分、パソコンよりもタブレットのほうが、子どもには向いてるのかな? という感じですよね。
その他の記事
![]() |
迷走ソフトバンクのあれやこれやが面倒なことに(やまもといちろう) |
![]() |
「テレビを作る側」はどこを向いているか(小寺信良) |
![]() |
週刊金融日記 第313号【カード自作とSpaced Repetitionによるパワフルな暗記メソッド、トランプさんに振り回される世界経済他】(藤沢数希) |
![]() |
コロナ禍以前には戻らない生活様式と文化(高城剛) |
![]() |
地上で幸せになるためには、絶対に手に入らないものについて考えるのが良い(茂木健一郎) |
![]() |
怒って相手から嫌われることのメリット(岩崎夏海) |
![]() |
週刊金融日記 第283号 <ショート戦略を理解する、ダイモンCEOの発言でビットコイン暴落他>(藤沢数希) |
![]() |
19人殺人の「確信犯」と「思想の構造」(やまもといちろう) |
![]() |
キャリア女性のみなさん、その結婚、本当に大丈夫?(藤沢数希) |
![]() |
『数覚とは何か?』 スタニスラス ドゥアンヌ著(森田真生) |
![]() |
週刊金融日記 第273号<歳を重ねるとは 〜恋愛プレイヤーたちの人生のクロスロード、小池百合子率いる「都民ファーストの会」が圧勝他>(藤沢数希) |
![]() |
岸田文雄政権の解散風問題と見極め(やまもといちろう) |
![]() |
ハダカの「自分」を見つめることの難しさ(紀里谷和明) |
![]() |
世界百周しても人生観はなにも変わりませんが、知見は広がります(高城剛) |
![]() |
最近笑顔の減った男性は要注意!? 「つられ笑い」は心身の健やかさの指標(名越康文) |