小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」より

NFCでデータ転送、パナソニックの血圧計「EW-BW53」


※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2015年4月3日 Vol.029 <色々変わる春号>より

EW-BW53

今年はApple Watchの発売もあり、デジタルヘルス関係はそれなりに盛り上がりを見せるものと思われる。だがこれまで、というかこれからのデジタルヘルスが向かう方向というのは、スポーツをやる人、あるいはやらないと痩せない人が対象になっており、ランニングやウォーキングなど、健康な人の運動量を計測するという方向でしかないように思われる。

ベンチャーが簡単にここに参入できるのは、ガチな医療行為にまで及ばないからだ。したがってすでに何らかの疾患を持っていて、定期的にステータスを計測しなければならないという分野は、デジタルヘルス産業から取り残されつつあるのが現実である。

話変わってうちの一族は、母方の家系が血圧が高く、高血圧に起因する疾患を持つ人が多い。僕もその傾向が高く、一時期は片頭痛がするほど血圧が高かったので、2年ほど前から定期的に病院にいって、血圧降下の薬を服用している。

医師の勧めで、毎朝毎晩血圧を測って記録することになったわけだが、これがめんどくさい。血圧計は、上腕で測るタイプが誤差が少なくてお勧めとされているが、冬場は室内でもけっこう着込んでいるので、測るときにはそれを脱いでベルトを巻かなければならない。そうなると体が冷えてしまうので、血圧も上がる。客観的に見れば、わざわざ血圧を上げてから計測し、あー今日も血圧高いなーと憂慮するような事態になっているのだ。バカである。

しかも血圧は測定機器に表示されるだけなので、いちいち手書きで血圧ノートに書き写す必要がある。これもまた21世紀にもなって手写しかと、情けなくなる。昨年からは記録をスマホアプリに変更したが、これも結局数値を見て手入力するしかないので、労力的には半分といったところだ。

NFCを使ってデータを転送するものも、あるにはある。だが上腕式でNFC対応のものは、1万円を超える。一般的な血圧計が3,000~4,000円程度なのに比べると、NFCに対応しただけで、もはや贅沢品扱いなのである。いかに医療機器クラスのIT化が遅れているかがわかる。

血圧計は、モデルによってかなり測定値が違う。同じメーカー製でも、モデルが変わると測定値が10ぐらい変わるのだ。僕が今使っているオムロンのHEM-7051というモデルは、医師の計測より上下とも10~15ぐらい高く出るのが悩みの種である。一方うちの実家で使っている同社のHEM-7111は、ほぼ医師の計測と同じぐらいだ。

さすがにこの状態ではまずいなと思い、測定値が妥当でNFC対応、価格もリーズナブルというのを、ヨドバシアキバで色々探した。実際に測定してみないと妥当な測定値かどうかわからないので、こういうときにはリアル店舗に限る。

探した中ではオムロンの「HEM-7324C」が妥当な数値を示したが、価格が1万円超えで折り合わない。さらに他のメーカーもと探したところ、上腕式でなければそこそこの値段でNFC対応のものもあることがわかった。

上腕式でなければ手首式か指先式になるが、パナソニックの手首式「EW-BW53」が比較的妥当な数値を示した上に、価格は6千円半ばといったところだ。これまで手首式は使ったことがなかったが、試しに買ってみることにした。

1 2

その他の記事

今週の動画「虎落解き」(甲野善紀)
うざい店員への対応法(天野ひろゆき)
効果がどこまであるのか疑問に感じるコロナ対策のその中身(高城剛)
新型コロナウイルスが浮き上がらせる様々な物事の本質(高城剛)
自分の心を4色に分ける——苦手な人とうまくつきあう方法(名越康文)
いつもは持たない望遠レンズで臨む世界遺産パンタナル大湿原(高城剛)
残暑の中で日本だけに定着したマスク文化を考える(高城剛)
『マッドマックス 怒りのデスロード』監督ジョージ・ミラーのもとで働いた時のこと(ロバート・ハリス)
日本のエロAIが世界を動かす… ことにはならないかもしれない(やまもといちろう)
初夏のような沖縄で近づいてきた「転換期」を考える(高城剛)
季節の変わり目は食事を見直す変わり目(高城剛)
歩き方の上手い下手が人生を変える(岩崎夏海)
2020年の超私的なベストアルバム・ベストブック・ベストデジタル関連アクセサリー(高城剛)
フジテレビ系『新報道2001』での微妙報道など(やまもといちろう)
日本の未来の鍵は「日韓トンネル」と「日露トンネル」(高城剛)

ページのトップへ