学力がつくのは「授業」ではなく「宿題」
先生の話に戻しますと、良い先生とは、どんな教科、どんな勉強も「面白く」できる先生です。つまり、面白く思わせて、基礎の力をつけるための「意欲をもたせる」ことのできる先生です。『授業はエンターテインメント』、そう思っている先生は良い先生です。
もっというと、授業とは「意欲=やる気」を育てるものです。何度も言いますが、『授業はエンターテインメント』です。授業で、その教科を面白く思わせて好きにさせ、勉強するための意欲を育てるのが授業の本来の目的です。
では、実際に学力をつけるのは何なのか? それは「宿題」です。宿題を出さない塾はないでしょう? 例えば、非常に授業のうまい公文の先生なんて聞いたことないですよね?(笑)公文は、毎日、家でプリントをやらせます。宿題を家でやってくる。それで力がつくのです。つまり、学力をつけるのは授業ではなくて、あくまで宿題なのです。
ですから、先生のレベルを判断するには、その先生が出す宿題を見れば一発でわかります。授業がエンターテインメントとなっているかどうかを、保護者が見る機会はなかなかありませんが、宿題をチェックすればその先生の力量が分かるのです。
宿題を出さない先生は最低です。「僕は学力をつける気はありませーん」と言っているようなものです。即刻クレームを入れてください。ドリルをそのままコピーして出すような先生は……うーん、まあまあですね。手作りの宿題をしつこく出す先生は(そういう先生はすでに信頼されている先生だと思いますが)OK!合格の先生です。手書きの算数プリントを作っている先生はそれだけでマルです。
まとめると、
・教科の好き嫌いをなくすには、基礎学力をつけること。
・「算数嫌い!」と子どもが言った場合には、子どもは本当に算数が嫌いなのではなく、算数が「分からない」と言っているのだと理解すること。
・そしてその苦手な箇所を一緒に克服してあげること。
これが苦手教科克服の近道となります。
<この記事は陰山英男のメルマガ『なんでも教育相談室』からの抜粋です。もしご興味をもったいただけましたら、ご購読よろしくお願いします>