高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

「科学的」と言われることは「現在のひとつの見方」にしか過ぎない

高城未来研究所【Future Report】Vol.304(2017年4月14日発行)より


今週は、東京にいます。

沖縄から米国へ移動する合間に東京に立ち寄り、最後の花見を楽しみました。

最近は気候変動により、花見の時期が少しづつ前倒しになっている様子で、京都に残る天皇が開いた日本最古だと思われる花見の開催公式記録によれば、500年前は4月20日前後だったのですが、いまでは4月初旬になり、現在の急速な気候の変化を考えると、今世紀のうちには「花見は3月」になると考えられています。
最新の気象研究によれば、3月の月平均気温が1度高いと開花日は約4日早くなることがわかり、年々桜の開花時期は早まっている様子です。

一方、地球が寒冷化に向かっているデータや新説が続々と出ています。

昨年11月のNASAの発表によると、現在「南極の氷は増えている」そうで、もし本当ならば、地球温暖化の議論をリードしてきたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が主張する、南極やグリーンランドの氷が解け、海面上昇を引き起こしているという「科学的な説」は、全て覆ってしまうことになります。
そうすると、「南極の氷が解け続け、南太平洋の美しい島々は水没する」といった、誰しも一度は聞いたことがある予測が、全て虚構になってしまいかねません。

また、英ノーサンブリア大学で天文学と応用数学を専門とするバレンティーナ・ザーコバ教授は、太陽の黒点が減少し、2030年ごろに太陽の活動自体が現在と比べ60%低下し、氷河期がやってくると発表しています。
太陽活動が弱まる傾向にあることは事実で、17世紀ごろに太陽活動がきわめて不活発で(マウンダー極小期)、イギリスのテムズ川が凍結するほど地球が寒冷であったことはよく知られており、同じようにいま地球は再び寒冷化に向かっていると言うのです。

このような太陽活動は、地球からの人為的影響があるとは考えられづらいのですが、温暖化にしろ寒冷化にしろ、この地球は増え過ぎた人間による影響が気象に現れているのは、どうやら間違いないようです。
それを、「人類世」(Anthropocene)と呼ぶひとたちも出てきました。

地球の歴史は更新世(Pleistocene)、完新世(Holocene)などの地質時代で区分されてきましたが、現代は、人類という一つの生物種が地球に大きな影響を及ぼすようになった新しい時代に入っているという認識から、「人類世」(Anthropocene)と呼ばれるようになりました。
これは、自然を人間が凌駕しようとする時代の別名であり、そう考えると、人類の社会変化や生活スタイルの変化が気候変動を呼び起こし、それにプラスして太陽の周期や異変が重なった時、突然「極端なこと」が起きる可能性も否めません。
もしかしたら、人間の活動が原因で温暖化に向かう一方、太陽活動は寒冷化に向かい、この両方が偶然にもいま同時に起きているかもしれないからです。

もはや、僕らを取り巻く環境変化のなにが本当なのかわからなくなっており、しかし、気候が不安定なのは、確かです。
まるで、体に良いことと、思いもしない悪いことを同時に行なっているような日々が続き、その結果、原因不明の病気に陥り、どんなに検査しても病気を発見できませんが、日を追うごとに体調が悪化している状態と、似ているようにも思います。

こう考えると、「科学的」と言われることは、「現在のひとつの見方」にしか過ぎないことが、よく理解できます。

その上、現代社会では「いまは非科学的」だと思われることに「次の科学」の芽が潜んでいるようで、あらゆる可能性を否定すべきではありませんし、この先には、もはや取り返しがつかなくなった「新人類世」が待ち受けているのかもしれませんし、気候も「ポスト真実」の時代に突入したのかもしれません。

今年も、また春がやってきました、少しだけ早く。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.304 2017年4月14日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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