小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」より

なんでもアリのハイレゾスピーカー「RS-301」を試す

※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2018年5月18日 Vol.173 <仕事と快楽号>より

「ハイレゾ」というキーワードは、2016年にもっとも盛り上がりを見せた。すでに製品としては珍しいものではなくなってきたが、当たり前になってくると話題にならなくなる。さらに現在のトレンドは、左右完全セパレート型イヤホンに移った。ハイレゾ対応は今のところできないために、必然的にハイレゾというキーワードを見かける機会も減っている。

実際、ハイレゾを聴くのは大変だ。イヤホン、ヘッドホンだけ用意すれば聴けるわけではなく、ハイレゾソースが再生できるプレイヤー、DAC、アンプ等を用意しなければならない。いくつかハイレゾ機器はあっても、トータルではハイレゾで聴けてないという人も意外に多いのではないかと思われる。

もっとも気軽にハイレゾを聴くには、オールインワン型のスピーカーを買うのが手っ取り早い。2014年にソニーが発売したSRS-X9は、ネットストリーミングに対応したワンボックススピーカーだが、USBやLAN経由でハイレゾ音源の再生に対応した。

・NAS/PC/スマホあらゆるソースを聴く、ソニー「SRS-X9」(AV Watch)

2015年発売された後継機種のSRS-X99は、LDAC対応やネットサービス対応などの違いはあるが、音質的にはそれほど大きくは違わなかった。

・ソニーのハイレゾ無線スピーカーが進化!「SRS-X99」。侮れない弟分「X88」も

その後、「SRS-ZR7」や「SRS-HG10」など、ハイレゾ対応ワンボックスが登場したが、次第に小型化して、もはや単なるBluetoothスピーカーの1オプションのような格好に埋もれていったのは残念だ。

かつてのSRS-X9が築いたポジションが空席となったわけだが、そこにすっぽりはまる製品が出てきた。韓国のハイエンドオーディオ製品を扱うzionoteのrose RS-301だ。直販価格は128,000円(税込み)。

今回はこれを2週間ほどお借りすることができたので、その感想をお送りしたい。

 

守備範囲の広いスペック

RS-301は、中央部にタッチセンサー付きカラー液晶ディスプレイを備えた、オールインワンタイプのワンボックススピーカーである。幅360mm、奥行き110mm、高さH94mmと、SRS-X9シリーズよりも一回り小さい。X99と同時に出た弟分、X88と同じぐらいのサイズである。ただし重量は、X88が2.7kgであったのに対し、1.9kgとかなり軽い。それもそのはずで、電源部は内蔵しておらず、ACアダプタでの駆動となる。


・コンパクトなハイレゾスピーカー、rose RS-301

 
スピーカーは、ツイーター×2、ミッドレンジ×2、パッシブラジエータ×4と、このサイズによく入ったなという構成。残念ながら前面のパンチンググリルは取り外せるようにはなっておらず、中のスピーカー配列は確認できない。背面には大きなバスレフポートを備える。DACは32Bit/384kHzまで対応、アンプはClass-Dの定格40W、最大50Wとなっている。

中央部の液晶モニターは、5インチの1280×720ピクセル。SRS-Xシリーズにはディスプレイがなく、細かい操作はスマホアプリを使うしかないが、本体だけで完結できるのはメリットだ。OSとしてAndroid 5.0を採用しており、中身はスマホを背負ったハイエンドスピーカーである。


・中央部にタッチ式の液晶ディスプレイを備える

 
上部の大きな円は、ボリュームである。物理的にクルクル回して、ボリュームのアップ・ダウンができる。


・中央の大きな円が物理的なボリューム

 
前面は至ってシンプルだが、背面の端子類が凄い。左からアナログオーディオ入力、ヘッドホン端子、MicroSDカードスロット、USB-B端子、USB-A端子×2、Ether端子、USB OTG対応Micro USB端子、ACアダプタ端子となる。その他入力としては、Wi-FiおよびBluetooth、AirPlayにも対応する。


・背面端子の多さ!

 
再生可能なオーディオフォーマットは、DSD64/128/256、PCM 32Bit/384kHz、MPEG 1 Layer 1/2/3, WMA, flac, ape, oggとなっており、市販のハイレゾファイルはまず問題なく再生できるだろう。なお動画の再生機能もあり、H.264、H.265、VC-1、MPEG 1,2,3,4の再生が可能だ。

底部には長めの「足」が付いている。前側が少し長いので、少し上向きに設置されることになる。足の長さはスペアの足と交換することで、全部同じ高さにすることもできる。


・この脚部もポイント

 

十分な音量とクオリティ

再生方法も非常に幅広い。まずBluetoothスピーカーとしてスマホからの音楽再生に対応するのはもちろんとして、Google Play Music等からはAirPlayで再生できる。ハイレゾ音源は、PCとUSB接続してDAC付きスピーカーとして再生できるほか、USBメモリーやMicroSDカードにコピーしたファイルも再生可能だ。DLNAにも対応するので、ネットワーク内のファイルを直接再生させることもできる。

RS-301搭載の機能としては、RoseTubeがある。これはRoseオリジナルのYouTubeチャンネルで、リストアップされたプロモビデオを選択することで、プレイリストを作成し、連続再生できる。日米だけでなく、韓国、香港、ドイツ、インドなどの各国のトップヒットを聴くことができるのはなかなか面白い。普通にWEBブラウザも搭載しているので、一般のYouTubeも視聴できる。


・独自のYouTubeチャンネルを持つ

 
インターネットラジオも利用できる。ただ現時点では、韓国、日本、中国、ドイツ、香港のサービスに限られており、ロックファンとしては英米がないのは残念である。

時計はアラームも設定できる。アラームのソースとしてインターネットラジオやUSBメモリーなどを指定できるので、音楽で目を覚ます事も可能だ。

ハイレゾストリーミングサービスとして、「Groovers」に対応しているようだが、アプリの設定画面がハングル文字になっており、日本語に設定変更することができなかった。国内向けには、デフォルトを日本語設定にして出荷して貰えるとありがたい。

肝心の音質だが、ボディサイズに似合わず低音の鳴りが豊かで、サブウーファ要らずの迫力がある。左右の間が狭いので、ステレオ感が希薄なのは残念ではある。しかし近くで聴いても遠くで聴いても、音の印象が変わらない。中高域が遠くまで通るのは当然だが、低音の通りもなかなかいい。おそらく脚部の設計が効いているのだろう。

ハイレゾ音源も、DSDが再生できるのは、スタンドアロンのDACにはよくあるが、ワンボックススピーカーとしては珍しいのではないだろうか。筆者はアナログレコードをDSDにして保存しているのだが、そうしたソースも問題なく再生できるのはありがたい。

家庭内においていわゆる「オーディオコンポ」なるものが存在しなくなって久しいが、こうしたなんでも再生できる製品は、現代の「オーディオコンポ」に相当するのではないだろうか。スマートスピーカーも結構だが、ハイレゾファンでなくても、こういう何でも鳴る1台が家庭にあってもいい。

 

小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ

2018年5月18日 Vol.173 <仕事と快楽号> 目次

01 論壇【西田】
 これが西田の仕事環境だ-2018年夏-
02 余談【小寺】
 なんでもアリのハイレゾスピーカー「RS-301」を試す
03 対談【西田】
 丹治吉順さんに聞く「#私かわいい」の底にあるもの(1)
04 過去記事【西田】
 Chromecastは「日本の映像配信」の起爆剤になるか?
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと

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