名越康文
@nakoshiyasufumi

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)より

怒りを動機にした分析は必ず失敗する

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妄想(※)とは、自分が感情的になっていることに気づかずに展開される、思考の一形態のことです。

微に入り細に入り、詳細に調べ上げ、分析し、批評する。そういう熱の入った分析や批評というのは、実は怒り(恐れ)が動機となっていることが少なくありません。そういう妄想的な分析というのは、ときに最大級の過ちを引き起こすことになります。

どれほど冷静なつもりでいても、思考のスタート時点には既に、暗い主観が入ってしまっている。しかしながら、膨大な分析を重ねることによって、その怒りと恐れはどんどんと真実味を増していきます。

怒りを動機に分析するなかれ。どんなに詳細であっても、いや、詳細で、執拗な分析だからこそ、それはしばしば、妄想に帰結してしまうのです。

妄想的ではない、本当に現実を見据えた知恵というものは、知識や論理から生まれるわけではありません。本当の知恵は、心が平静な時にしか、生じないのです。

そして、真の平和は、そうした本当の「知恵」によってしか実現することはないのです。非常に簡単な構造なのですが、平和について考えるとき、私たちはしばしば、この事実を見ないようにしているように感じます。

※ここでは精神医学的な用語としてではなく、日常用語としての「根拠のない誤った想念」という意味での「妄想」を取り扱っています。念のため。

 

【告知】名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第3期会員募集開始!

名越式性格分類ゼミ事務局です。大変お待たせをいたしましたが、「名越式性格
分類ゼミ(通信講座版)」第3期会員募集を開始いたします。

第3期募集定員は50名とさせていただきます。お申し込み人数が上限に達した時
点で締め切らせていただきます。なお、第4期の募集人数・時期については未定
です。

<<<お申し込み・詳細は下記リンク先より>>>
https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html

■特典グッズをご用意!
第3期会員としてご入会いただいたみなさんには、通常のDVDに加え、名越式性格
分類ゼミ(通信講座版)の限定グッズをお送りさせていただく予定です。
 

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)の概要

「なぜこの人とはわかりあえないのだろう?」
「どうして私の言うことが伝わらないのだろう?」

対人関係はすべての人にとって永遠の課題であり、謎でもあります。
この通信講座では、名越康文心理学の根幹をなす性格分類(体癖論)によって、
人間理解を徹底的に深めていきます。

※本講座は月1回、東京・巣鴨で行われている「名越式性格分類ゼミ」の通信講座
版です。「名越式性格分類ゼミ」についてはこちらをご覧ください。

※体癖論とは、野口整体の創始者・野口晴哉氏が提唱した、体型・体質などから、
人間の感受性の違いをタイプ別に分類したもの。名越式性格分類は、野口晴哉氏
の次男・野口裕之氏(身体教育研究所所長)の体癖論をベースに、自身の臨床経
験を踏まえてまとめなおしている。
 

名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)

2015年10月5日 Vol.109 目次

00【イントロダクション】怒りを動機に分析すると必ず失敗する
01【近況】いつ、どこで「捕まる」か。それが問題だ
02精神科医の備忘録 Key of Life
・珈琲とは、内界と外界を同調させる薬物である
03カウンセリングルーム
[Q1] 何のために生きるのか、混沌としています
04特別対談:甲野善紀×名越康文
・第1回「アイデンティティ再獲得」の効用
05講座情報・メディア出演予定
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名越康文
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、京都精華大学客員教授。 専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。 著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書、2010)、『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『質問です。』(飛鳥新社、2013)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。 名越康文公式サイト「精神科医・名越康文の研究室」 http://nakoshiyasufumi.net/

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