高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

日本のものづくりはなぜダサいのか–美意識なき「美しい日本」

※高城剛メルマガ「高城未来研究所」 Vol.198より

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【Q】日本の「ものづくり」はどうしてダサいのでしょう?

高城さんこんにちは。私が幼い時からずっと疑問に違和感に思ってた事です。
ずばり日本のモノのデザインは何故いわゆるダサいのでしょうか?

国産の家電、自動車、バイク、自転車、家具、家、ファッションなどあらゆるモノです。

勿論全てではありません。やはり値の張るものそれ相応に良いです。しかし値が高ければ良いモノが作れて当たり前だと思っています。

1番不思議に思うのは一般消費者が買う普通の値のモノがダサいことです。普通の値のモノに特別な格好良さなどは求めません。普通で良いのに、無駄な装飾をつけたりカラーリングが古臭かったり、グラデーションをつけたり、無駄なロゴが入ったりと一部業界はわざとダサくしているのではないかと思います。

上手く言葉に出来ませんが絵にならないモノが多いと感じます。もっとシンプルに自然体で主張しすぎないものの方が多くの人から好まれるのではないでしょうか?(勿論シンプルならなんでも良いとゆーわけではありませんが。)

そしてそのダサさが日本のモノを海外で売るときに足を引っ張っているように思えてなりません。(特に自動車や家電)世界中を回っている高城さんから見て日本のモノのデザインはどう見えますか?

 

【A】日本の美意識って「社会主義」なんですよ

成田空港の基本デザインを見るとわかりますが、日本は社会主義ですよね。

ベトナムのホーチミンの古い空港(いまは国内線)と、そっくりです。社会主義では突出することは許されません。ですので、海外からゲストを「おもてなし」する玄関口の空港の基本躯体が、天井が低く、まるで役所のような作りなんです。
最近、あわてて表面だけ改装中ですね。

でも、日本の根底に流れている「美意識」は、いまも社会主義だと僕は考えています。いうまでもなく、日本に大きく欠けているのは「美意識」(僕の言う「センス」)で、これがなくても良い学校に入れ、良い企業に入れ、出世して、大切な物事を決定できるんです。

だから、「美しい国」になるわけがありません。しかし、世界は「美意識」を本格的に取り入れています。そうしなければ、デジタル化によって急速に平準化が進み、差異がなくなってしまうからなんです。

言い換えれば、現在の日本は「美意識のない美しい国」であり、もう何を言ってるのか意味不明ですよね。

それが、世界から見たあらゆる日本の現実だと思います。

 

 

┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】
Vol.198
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/ 2015年4月3日発行 /

■目次
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
… 1. 近況
… 2. 世界の俯瞰図
… 3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
… 4. マクロビオティックのはじめかた
… 5. 身体と意識
… 6. Q&Aコーナー
… 7. 著書のお知らせ

 

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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