高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

ふたつの暦を持って暮らしてみる

高城未来研究所【Future Report】Vol.446(2020年1月3日発行)より

あけまして、おめでとうございます。
今週も、東京にいます。

先月後半に、(「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」と二本立てのつもりだった)トークライブを開催したことから、久しぶりに年末年始を東京で長く過ごしています。

大晦日は驚くほど気温が高くなって(20度近くまであがりました)、まるで春のような日差しのなか、普段見ることがないガラガラの都心でゆっくり過ごしました。

さて、長い読者の方々はご存知かと思いますが、僕は冬至を新年、いわば年の起点と考えています。

冬至は一年で最も日が短く、この日を境に昼間の時間が延びていく「太陽が生まれ変わる日」と古くから考えられていました。
かつてローマ帝国時代、民衆に人気が高かった太陽神を祀るミトラ教では、冬至を偉大なる日と考え盛大に祝ってましたが、為政者にとって都合がよかったキリスト教を普及させるため、ミトラの習俗を取り込み、12月25日をキリスト降誕日としました。
つまり、クリスマスは冬至祭なのです。

古代中国の太陰暦でも冬至は暦の起点とされ、厳粛な儀式を行い、それが中世日本に伝わり、宮中などで「朔旦冬至」(さくたんとうじ)という祝宴を催していました。

また、江戸時代までは日本でも冬至を暦の上でとても大切な日と考え、様々な神事や祭事が行われていましたが、明治になって新政府が「お金の都合」からそれまでの暦を西洋に合わせ、現在の新暦に変更します。
そのため冬至と正月の間が縮まり、さらに神仏分離、廃仏毀釈により、冬至に行われていた儀式が忘れ去られていくのです。

僕は冬至に時間があれば奈良の三輪山に登り、その山を御神体とする日本最古の神社「大神神社」にお参りするのが長年の慣しですが、今年の冬至は日本に滞在するも慌ただしく、近場の箱根まで出向き、山間からあたらしい陽を拝みながら、新年を(こっそり)祝いました。

何万年も人間は進化することなく、大自然やそれに沿った暦で生きてきましたが、歴史も暦も為政者の都合で書き換えられ、自然から切り離され「不自然」なものへと向かうのは、世の常です。

本メールマガジンでも、二つの職業や場所を確保することを都度に提案して参りましたが、可能であれば、ふたつの暦を持って暮らしてみる。
幸いスマートフォンには、いくつものカレンダーアプリを入れることが可能ですので、仕事と私事の電話番号やメールアドレスを使い分けるのと同様、暦も分けて、太陽や月の運行とご自身のコンディションの調整を試みてはいかがでしょうか?
もし、2020年を他とは違う、いままでにない一年にしたいと思うのでしたら、ぜひ。

皆様、本年も素晴らしい一年をお送りくださいませ。
 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.446 2020年1月3日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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