※高城未来研究所【Future Report】Vol.595(11月11日)より
今週も、東京にいます。
毎年撮影シーズンが終わって東京に戻る晩秋に、食事を大きく変えてmTOR遺伝子の切り替えを行っています。
mTOR遺伝子とは、細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼのことで、このmTORをスイッチングして、飢餓モードから蓄積モードへと徐々に切り替えます。
弁護士、起業家から転身した異色の生物科学研究者ジェームズ・W・クレメントによれば、遺伝子mTORの働きが抑制されオートファジーが起動する「細胞の自己浄化(飢餓モード)」と、mTORが活性化する「細胞の成長(蓄積モード)」の割合は、1年のうち約8カ月を飢餓モード(オートファジーをオン)に、4カ月は蓄積モード(オートファジーをオフ)になるような比率が理想であると、長年の研究結果から述べています。
この8ヶ月と4ヶ月のサイクルに沿うように、毎年北半球の太陽光が長く撮影&旅行している3月から10月を飢餓モード=mTORオフにして細胞活性化を行い、執筆や映像の編集が中心の11月から2月を、蓄積モード=mTORオンにして体調を調整するが、ここ数年のサイクルとなりました。
まず、飢餓モード=mTORオフの期間は、一日16時間食事をせず、以前は残りの8時間でナッツと肉ばかり食べていましたが、今年は「粉物」と僕が呼んでいる栄養パウダー中心の食生活を送っていました。
そして、mTOR遺伝子をスイッチングするにあたり、現在徐々に固形物を食します。
その固形物とは、良質な肉。
プラントベースではなく、アニマルベースの食生活を提言する医師ポール・サラディーノのベストセラー「カーニボア・コード」によれば、野菜中心の食事を一切やめ、肉食中心の生活に変えたところ、潰瘍性大腸炎やクローン病、ループス腎炎(全身性エリテマトーデス)、甲状腺疾患、乾癬、多発性硬化症、関節リウマチ、うつや双極性障害、不安障害等の精神疾患など、さまざまな病気が改善して回復した患者が続出したと言います。
人間のゲノム(DNAのすべての遺伝情報)は、太古の時代から約100万年のあいだに0.5パーセントしか変異しておらず、長い間、砂糖も乳製品もない生活を送ってきた人類は、がんや心臓病、虫歯などとは無縁でした。
約12万年前から3万7000年前にかけて、ネアンデルタール人は相当な肉食偏重で、食事からとるタンパク質の大部分は大型の草食動物の肉から得ていたこともわかっています。
その後、クロマニョン人など現生人類に近い人類の出現と同時に、食料に占める大型動物の肉を食べる割合がさらに増え、動物の肉が食事全体の5割を超えました。
ただし、近著「BIO HAKING」に書きましたように、食事内容は各人によって異なる遺伝子によることろで、人によって野菜を中心としたプラントベースが向く人と、肉食を中心としたアニマルベースが向く人に大きく別れます。
野菜は、動物と違って敵から逃げることができませんので、微量の毒を含み、自己を守っています。
この毒が積み重なって体内に溜まり、悪影響を与えています。
これは私見に過ぎませんが、古い遺伝子を持っていて、解毒が下手は人はプラントベースよりアニマルベースが向いていると感じています。
他ならぬ僕もその一人。
だからといって、肉ならなんで良いわけではなく、肉こそ野菜以上に良質な製品を選ばねばなりません。
それを探して、日本全国各地の生産者へ訪れているのです(まだまだ和牛のドキュメンタリー、撮影してます!)。
あたらしい肉食。
この冬は、アニマルベースの食事をどこまでも極めるつもりです!
高城未来研究所「Future Report」
Vol.595 11月11日発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 「病」との対話
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 連載のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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