甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」2015年10月19日 Vol.110「今週の動画」より
今回の動画は、まず最初に9月18日に仙台で長田賢一師範と交流稽古をした折に、長田師範にも驚かれた「ヒョウケン」の握り方の詳しい解説である。
また、このヒョウケンという字は「飇(*)拳」と書くが、多くの機器で読めないようなので(かくいう私も読めていない)、今回の動画解説では、まず「ヒョウケン」の文字を手書きで書いたものを見せている。この「ヒョウケン」は、相手を突くために握る拳ではなく、自らの体の中を繫ぎ、その動きによって一種独特の統一状態を作るものであるが、見た目は空手の中高一本拳に似ている。ただ、中指を折ることで、より指先方向に、小指を折ることで、より手首方向に、掌を引き伸ばすようにすると同時に、掌中央にある鎮心の急所にも独特の刺激を与えている。
※もし動画が再生できない場合は、こちらから直接視聴・ダウンロードしてください
とにかく、この「ヒョウケン」の握り方は、私の四十年近くの武術探究の年月の中で、「井桁崩しの原理」や、両手を寄せて刀を持つことで真剣が竹刀よりも迅速に変化することに気付いたといった大きな気付きに並ぶほどのもののような気がしている。今後この手の握り方からどのような気付きが生れるかわからないが、とにかく、より探究してゆきたいと思う。
次に紹介するのは、私が「切込入身」と呼んできた、よく合気道などで手を交差させ、交差した相手の前腕を斬り落として相手の背後に入るものであるが……
*「飇」(ひょう)の字が文字化けしている方はこちらでご確認ください。
(この続きは甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」2015年10月19日 Vol.110をご覧ください)
甲野善紀メールマガジン「風の先、風の跡――ある武術研究者の日々の気づき」
2015年10月19日 Vol.110
今週の目次
00 <発売開始!>新作DVD『甲野善紀 技と術理2015―重心側から動く』
01 稽古録<東北、そして東海で、また新たな展開への予感が…>
02 松聲館日乗<『東京ブギウギと鈴木大拙』で見えてきたこと<前編>>
03 特別対談 名越康文×甲野善紀第2回<努力するいやらしさ、努力しないズルさ>
04 特別企画 対談・『狭霧』と『日照雨』最終回
05 風向問答
06 活動予定
メールマガジンのご購読はこちら
http://yakan-hiko.com/kono.html
DVD『甲野善紀 技と術理2015――重心側から動く』好評発売中!
重心側でも動ける、ではなく
重心側だから動けるのだ−−
常識を疑い続けることが
新たな技の境地を開く!
武術研究家・甲野善紀の最新の技と術理を追う人気シリーズ「甲野善紀 技と術理」の最新DVD『甲野善紀 技と術理2015――重心側から動く』。前作をさらに上回る迫力でお届けする甲野善紀の技と術理の世界をお楽しみください。
目次
1.甲野善紀の技
2.術理解説
高速で行う謙譲の美徳
・体当たり
・払えない手
・正面の対応
・切り落とし
・上下方向の謙譲の美徳
・霞抜き
・影抜き
・切り結び
・下段から裏交差への発剣
・槍のハネ払い
重心側から動く
・足技
・太刀奪り
・肘固め
・タックルを切る
・小手返し
内在化する術理と稽古法
・辰巳返し
・左右別人
・旋段の手
・火柱
・視覚情報入力遮断
・屏風座り
・人間鞠
・浮きをかける稽古法
3.【語り】自分が納得できる独自の生き方を
DVDの購入はこちらから
http://kono.yakan-hiko.com


その他の記事
![]() |
人生のリセットには立場も年齢も関係ない(高城剛) |
![]() |
世界でもっとも自然災害リスクが高いのに世界でもっとも幸せな国の一つと言われるバヌアツの魅力(高城剛) |
![]() |
夕日が映える豊かな時間をゆったりと楽しんで生きる(高城剛) |
![]() |
夏休みの工作、いよいよ完結(小寺信良) |
![]() |
「魔術」をアカデミックにひもとく ! ? 中世アラビア禁断の魔術書『ピカトリクス』の魅力(鏡リュウジ) |
![]() |
これからのクリエーターに必要なのは異なる二つの世界を行き来すること(岩崎夏海) |
![]() |
居場所を作れる人の空気術(家入一真) |
![]() |
祝復活! 『ハイスコアガール』訴訟和解の一報を受けて(編集のトリーさん) |
![]() |
津田大介×石田衣良 対談<後編>:「コミュニケーション」が「コンテンツ」にまさってしまう時代に(津田大介) |
![]() |
東芝「粉飾」はなぜきちんと「粉飾」と報じられないか(やまもといちろう) |
![]() |
「+メッセージ」はBot時代への布石だ(西田宗千佳) |
![]() |
『最悪の結果』を前提に、物事を組み立てるべき解散総選挙終盤戦(やまもといちろう) |
![]() |
ネット時代に習近平が呼びかける「群衆闘争」(ふるまいよしこ) |
![]() |
歴史と現実の狭間で揺れる「モザイク都市」エルサレムで考えたこと(高城剛) |
![]() |
2018年は誰もが信じていたことがとても信用できなくなる事態が多発するように思われます(高城剛) |