やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

大騒ぎの野球賭博と山口組分裂騒動あれこれ


 というわけで最下位からの浮上を目指して梨田新監督のもと秋季キャンプに突入した我らが楽天イーグルスですが、横目にクライマックスシリーズに日本シリーズとちらちらと見ながら… と思っていたところ降って湧いたのが野球賭博問題でありました。

 とあるダルビッシュさんのダルビッシュさんでないほうが逮捕される、それも客ではなく胴元として逮捕という素敵事案もあったようですが、お話の本筋はそれなりに大掛かりな山口組系本筋の愛知県に本部のある弘道会の問題であるようです。

 現状では、警察庁もさすがにどこまでどうなのかという細やかなところは教えてくれませんが、夏ごろ報道のあった新潟県警扱いの某A氏が巨人の福田さんに取り立てに行って発覚、というのは事実関係としてはエクスキューズに過ぎなかったようです。読売のフロントも諸事対応お疲れ様です。

 結論を先に書くと、要するに山口組本部の強制捜査でガサ入れてみたら、何に対するお土産か分かりませんけれども野球賭博に関する確定的な情報を複数当局が入手したため、順を追って調査をかけたところ炭火焼肉エースを中心としたスポーツ賭博(野球に限らない)グループとそれ以外の定常的な賭場系が出てきたということで、ごそごそ掘っているという感じです。

 ところが、昔ながらの野球ファンでしたら皆さんご存知かと思いますが、かつてのプロ野球というのはタニマチの世界でありまして、まともな方からまともでない方まで一流のスポーツ選手を担ぐと言うのは一種の習い性なのであります。これは仕方のないことだと思うんですよね。

 いまでこそなぜか無罪放免のように振舞っていますけれども、元ハードル選手でいまタレントのような有識者のような活動で頑張っておられる為末大さんも、かつてはアジア・パートナーシップ・ファンド(APF)グループの広告塔になっておりました。もちろん、完全に為末さんが騙された話であって、彼が主体的に関わりに行ったとは言えないまでも、被害者もいることですし、仮にこれが特定の筋であったとするならば、そのハコ企業として取り沙汰されたウェッジホールディングスその他含めていろんな方面に本来は飛び火する問題でもあります。

 プロ野球の場合は、この事例よりももっと組織的で、もっと奥深い人間関係で構成されています。現在問題視されているのは、文字通り1980年代から名古屋や大阪、神戸などで展開されてきたタニマチの世界全体が野球賭博や応援団、後援会などを通じた暴力団問題と密接に絡んでいるのではないかという疑惑であって、本当にそれが事実だという話であれば、相撲の八百長で大変に揺れた角界の問題とは比較にならない金額と影響を及ぼすものであります。一説には、アマチュア選手が入団する契約金目当てに取り込みにかかる手口まで暴露されているようで、そうだとすると名古屋地区のタニマチ問題が延焼すると我らが楽天もゲフンゲフンの状態になりかねず気を抜けません。

 ややこしいのは、プロ野球で暴力団排除と一口に言っても、そもそも大洋漁業が球団を持ってたんですよ。今年、なぜか施設そのものではなく、施設の営業権しか持っていない会社を矢鱈高額で買収した事案が勃発して、特定方面で問題になりましたが、あれだって見ようによっては特定方面に対する利益供与といわれたら言い逃れは難しいだろという機運すら感じます。大丈夫なのでありましょうか。

 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路

Vol.139 賭博問題に揺れるプロ野球業界を憂えつつ、かの噂の上場企業や自動運転車に思いを馳せる回
2015年10月30日発行号 目次
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【0. 序文】大騒ぎの野球賭博と山口組分裂騒動あれこれ
【1. インシデント1】とある上場企業の内部情報が盛大に流出してお詫びも出たらしいので吟味する会
【2. インシデント2】いよいよ自動運転車の存在が現実となりつつある時代に思うこと
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

 

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やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

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