やまもといちろうメルマガ「人間迷路」より

某既婚女性板関連でいきなり情報開示請求が来た件


 「そういえば、そんな話もあったなあ」という案件なんですが、2ちゃんねるの名物板に既婚女性板というのがありまして、私自身は2ちゃんねるは読まないし書き込まないので何が起きているのかまったく知らないんですよ。たまにアルファルファモザイクなど2ちゃんねる系まとめサイトを見るぐらいなんですが、それらは主になんでも実況方面のアンテナ経由か、Twitterで記事のお知らせが流れてきたときに読む程度で、あんまり関わりがないわけです。

 で、2014年ごろに既婚女性板である事件の首謀者に関する情報が流れたようで、これの特定が既婚女性板で行われたという話になっておりました。そういう話があったようには耳にしていましたが、私は知らなかったです。見物にいったんですが、いまはもう削除をされているのか、この話は外側からはリアルタイムでは見られない状況になっているようです。アーカイブに一部残ってましたが、あんまたいした話は書かれてませんでした。が、そこでその逮捕された首謀者と実際に問題に携わった関係者の話をこの既婚女性板に書いた人物がいたようです。しかもその相当程度が事実であり、問題だということで、その匿名の書き込みをした人に対して、まず名誉毀損か何かで首謀者と関係者が雇った代理人に発信者情報の開示請求がなされ、どうもいま裁判になっておるようです。

 その公判の最中に、訴えられた既婚女性板の匿名書き込み者が私のメルマガでヒントを得て調べたと主張をしたようです。読み返してみますと、確かに当時のことを私自身はこのメルマガで若干の憶測や推論も挟みつつ触れています。当然のことながら、私はその首謀者も関係者もある程度存じ上げておりますので、本件に限らず記事を書くにあたっては事実関係をそれなりに知っています。だからこそ、問題だと思ってメルマガで記事にしたわけなんですけれども、そこの話で一連の事件の首謀者についてピンときた匿名書き込み者が2ちゃんねるの既婚女性板でこれを暴き、ネットに晒してしまって裁判になっているということであります。

 その匿名の書き込み者については、私個人は彼を知りません。彼の所属している出版社は存じ上げておりますが、知らないものは知らないんですよね。ただ、どうもその首謀者の代理人が言うには、私が彼に情報を漏らし、その彼が2ちゃんねるに書き込みをしたので、結果として隠しておきたかった事実が2ちゃんねるに書かれ、だから損害の一部を私に払えと言いたいのだろうと理解しました。私が彼に「書け」と要請したと言わんばかりなので、それは違いますよ、と。

 それもあって、私の代理人が先方の代理人と面談して、またその先方の代理人が界隈ではそれなりに知られた事務所に所属の人なのでいろいろあるんでしょうが、その場で、あの件もある、この件はどうだ、と複数にまたがって「相談」をされたようです。何だろうと思うわけですが、この有料メルマガで読まれたことを、読者の方が知見として持たれ、ご自身で追加調査するなどしてどこかで発表することは、黙認といいますか仕方のないことだと思っております。私にできないことをされているわけですから、それはそれで世の中のためになるのであれば良いのではないでしょうか。私も不確かなものを見解として書くこともありますし、補足して調べていただける方がいらっしゃるのであれば、それはそれで良いと思ってます。

 私としては、メルマガで皆様からお金を頂戴して儲けるというよりは、欲求としてもっともっと世の中のことを知りたいという気持ちが強いのです。まず、自分自身が興味を持ったことについてより深く事実関係を知りたいだけです。その物事を知っていく中で、いろんなことを感じ、考え、見解をまとめていく作業がメルマガの原稿書きだったり、ブログやヤフーニュース個人などでの記事執筆という副産物になっている感じです。

 なので、代理人を通して先方に「私はメルマガ読者からいただくお金以外で誰かから依頼されて銭を頂戴したことなどないし、何かを書くにあたって先方から謝礼めいたものを貰うことはない」と伝えたところ、たいそうビックリしていたそうなんですよね。総会屋か何かだと思ったのかもしれませんけど、正直そんな後ろめたい感じのはした金を貰って物事を進めることは私にとって不必要なことです。

 違う角度から申し上げるならば、先方の著名な事務所から来た代理人の方は、その手の方面からあまりよろしくない報酬を受け取る窓口業務をする機会があるのかもしれません。世の中にはいろんなタイプの商売があることは、私もよく承知しています。ただ、物事を知りたいという気持ちは私にとっては神から授かった善たる気持ちだと思っておりますので、あんまり誰かからあーだこーだ言われても気にならないし、自分は知りたいと思ったことを調べていくだけです。

 一方で、訴えられた匿名の書き込み者についても、別に私のほうから「なんてことしてくれたんだ」的なことを申し上げるつもりもありません。この事件に興味がある中で、メルマガで私が書いた内容を知り、追加して調べたらいろいろ分かったので、いてもたってもいられなくなって、とはいえ自分の地位や仕事を晒して暴露するわけにもいかないので、2ちゃんねるを活用したのでしょう。勤め人としての気持ちは痛いほど分かります。次から何かなさるときは、もう少し身バレしない方法を会得されてから丁寧慎重にやられることを願う次第です。

 

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」

Vol.152 世間はゴールデンウィークですがなぜか某既婚女性板関連でいきなり情報開示請求が来たりして楽しい日々です
2016年4月29日発行号 目次
187A8796sm

【0. 序文】某既婚女性板関連でいきなり情報開示請求が来た件
【1. インシデント1】「教育経済学」の価値と、子供への弊害
【2. インシデント2】例の広島サッカースタジアム関連で微妙な話が多数
【3. 迷子問答】迷路で迷っている者同士のQ&A

やまもといちろうメールマガジン「人間迷路」のご購読はこちらから

やまもといちろう
個人投資家、作家。1973年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員を経て、情報法制研究所・事務局次長、上席研究員として、社会調査や統計分析にも従事。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。日経ビジネス、文春オンライン、みんなの介護、こどものミライなど多くの媒体に執筆し「ネットビジネスの終わり(Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など著書多数。

その他の記事

効かないコロナ特効薬・塩野義ゾコーバを巡る醜聞と闇(やまもといちろう)
サイケデリック・ルネッサンス(高城剛)
週刊金融日記 第269号 <性犯罪冤罪リスクを定量的に考える、日経平均株価2万円割 他>(藤沢数希)
「こんな死に方もありますよ」と、そっと差し出す映画です ~『痛くない死に方』監督高橋伴明×出演下元史朗インタビュー(切通理作)
谷村新司さんの追悼と事件関係(やまもといちろう)
「自然な○○」という脅し–お産と子育てにまつわる選民意識について(若林理砂)
「温かい食事」だけが人生を変えることができる #養生サバイバル のススメ(若林理砂)
AV女優だからって、特別な生き方じゃない 『名前のない女たち~うそつき女』サトウトシキ監督インタビュー(切通理作)
岐路に立つデジカメ、勝ち組キヤノンの戦略(小寺信良)
川端裕人×オランウータン研究者久世濃子さん<ヒトに近くて遠い生き物、「オランウータン」を追いかけて>第3回(川端裕人)
ソニーが新しい時代に向けて打つ戦略的な第一手(本田雅一)
スマホから充電、という新発想〜巨大バッテリー搭載のK10000(高城剛)
完全な自由競争はファンタジーである(茂木健一郎)
初夏のような沖縄で近づいてきた「転換期」を考える(高城剛)
「芸能人になる」ということ–千秋の場合(天野ひろゆき)
やまもといちろうのメールマガジン
「人間迷路」

[料金(税込)] 770円(税込)/ 月
[発行周期] 月4回前後+号外

ページのトップへ