高城剛メルマガ「高城未来研究所「Future Report」」より

夏の終わりに不老不死の可能性を考える

高城未来研究所【Future Report】Vol.272(2016年9月2日発行)より


今週は、札幌にいます。

この夏は、世界中の最先端医療を徹底的に調べながら「あたらしい健康」について考える、感慨深い夏になりました。

古代から王侯貴族や権力者は、最後の富として「若さ」や「不老不死」を求めてきました。
なかでも、秦の始皇帝が蓬莱山にある不老不死の秘薬を得るために大軍を投じた話は有名ですが、肝心の蓬莱山がどこにあるのかわかりません。
一説によれば、その蓬莱とは日本の富士山のことだとも北海道の羊蹄山とも言われましたが、秦の始皇帝は不老不死の秘薬を得る前に、旅先で命を落とすことになりました。

現在、日本が世界一の長寿国になっていることを考えると、もしかしたら、蓬莱は本当に日本で、僕らは知らず知らずのうちに不老不死の秘薬を日々飲んでいるのかもしれません。
今週、僕が滞在している北海道のアイヌ民族には、アイヌソッキ(人魚と言われた魚の肉)からハスカップまで、不老不死のためだと呼ばれた飲食物が多いのも奇遇ではないのかもしれません。

一方、シリコンバレーは現代の秦やローマ同様の帝国だと言われており、世界中から貢ぎ物が毎秒届きます。
この貢ぎ物は「情報」と呼ばれており、それをまとめることが強い「兵力」になるのは、21世紀ならではだと思います。
ですので、グーグルが時期尚早と言われながらもDNA解析企業「23 and me」をはじめたのは、なんら不思議なことではありませんし、人間の命に限りがあるかぎり、古代から王侯貴族や権力者が求めるものは同じなのでしょう。
しかし、個人の時代の今日、いまや「不老不死」の秘薬は、王侯貴族や権力者だけのものではなく、誰でも入手可能な時代になりつつあるのです。

日本にスマートフォンが登場して、まだ8年しか経っていませんが、多くの人々の生活を変えることになったのはご存知の通り。
もしかしたら、いまお読みのこの文章も、スマートフォンでお読みかもしれません。
そして、日本人のDNAのすべての解析が終わってから、まだ5年しか経っていませんので、スマホ同様これからに期待が集まるものです。
そう考えれば、スマートフォンが多くの人々の生活を変えたように、次世代シーケンサーによるDNA解析によって、多くの人々の生活どころか未来を変えたとしても、なんら不思議ではありません。
それも数年以内に。

現在、この夏の終わりに、不老不死や人間の進化の可能性を探る一冊を執筆中です。

人類は、いよいよ死なない時代に突入したのではないか、と北海道の羊蹄山の麓で実感する今週です。

 

高城未来研究所「Future Report」

Vol.272 2016年9月2日発行

■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. マクロビオティックのはじめかた
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ

23高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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高城剛
1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 著書に『ヤバいぜっ! デジタル日本』(集英社)、『「ひきこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)、『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)などがある。 自身も数多くのメディアに登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。 総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。 2008年より、拠点を欧州へ移し活動。 現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 最新刊は『時代を生きる力』(マガジンハウス)を発売。

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