※高城未来研究所【Future Report】Vol.298(2017年3月3日発行)より
今週も、東京にいます。
少し長めの東京滞在時に、以前から取り組んでみたいと思っていたことがありまして、それがストレス耐性のテストです。
トレーニングやダイエットと同じく、健康にもトレンドがあり、少し前なら酵素やスーパーフード、昨年あたりがピークの抗酸化や水素、今年は幹細胞、これからは糖化に注目が集まります。
どれも目指すところは同じく健康なのですが、実は改めて言うまでもなく、現代社会に生きる誰もが抱える最大の健康問題はストレスで、それがいよいよ数値として見える時代になってきました。
病気になる前の(病気と病院で診断される前の)不定愁訴と呼ばれる「冴えない感じ」は、まずストレスからはじまります。
このストレス過多により、ナチュラルキラー細胞などが停滞し、免疫力などが落ちてしまい、どこか不調を感じるようになるのです。
しかし、自分で実感できるストレスなら理解できるところですが、自分では調子良いと思っていても、実は過度なストレスがかかっていることもあるので、客観的な数値を見る必要があります。
ですが、いままではなかなかストレスを数値化することができませんでした。
そこで、近年登場したステロイドホルモン・プロファイルや唾液コルチゾール・テストをすることで、ストレスを数値化することが可能となってきました。
ホルモンは、脳、甲状腺、副腎、卵巣、精巣などから血液中に分泌され、それぞれ別の組織や器官の働きを調節しています。
ホルモンの量は、一定に保たれるように調節されていて、多すぎても少なすぎても体の調子は悪くなり、一般的にホルモンバランスとよく呼ばれていますが、このバランスを崩す最大の原因がストレスです。
そこで、ステロイドホルモン・プロファイルを調べるのですが、この検査が大変なのは、24時間かけて蓄尿しなくてはならない点です。
前日から、飲酒やサプリ、アミノ酸製剤などの摂取は厳禁ですので、準備を含めると、48時間ほどかかることになります。
また、コルチゾールを調べるのも重要です。
コルチゾールとは、 副腎皮質で生産されるステロイドホルモンの1つで、 主にストレスと低血糖に反応して分泌されます。
コルチゾールは起床時前後に一番高く、午前中減少し、午後から夜にかけて最も低くなって安定するリズムを持っており、過度な糖質摂取やストレスなどで副腎疲労症候群が生じると、このリズムが狂い、生活パターンも乱れてしまいます。
朝に上昇するはずのコルチゾールが十分に分泌できなかったり、反対にコルチゾールが低い夜になってから分泌量が上昇傾向を示すと、朝起きる事が出来なかったり、夜になると突然目が冴えて眠れなくなるという症状を来たし、不調がはじまります。
そこで、ステロイドホルモン・プロファイルとは別に、コルチゾールに特化した検査を行います。
こちらも丸一日がかりで、決められた時間に唾液を一定量貯めなくてはなりません。
このふたつの検査のために、数日過激な運動を休み、同じ場所にいる必要があるのです。
かつては、コンピュータやデジタルガジェットのスペック向上に興じていましたが、いまは自分の心身のスペック向上に余念がありません。
身体をハードウエアと考え、心をソフトウエアと再認識し、可能な限り数値化しながらパフォーマンスの向上を目指しています。
この人体実験とも言うべき取り組みは、どこかで一冊にまとめたいと思って、今週はトイレとデスクを往復する日々を送ってます。
高城未来研究所「Future Report」
Vol.298 2017年3月3日発行発行
■目次
1. 近況
2. 世界の俯瞰図
3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4. 未来放談
5. 身体と意識
6. Q&Aコーナー
7. 著書のお知らせ
高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けする「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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