※メールマガジン「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2017年5月19日 Vol.127 <Catch up If you can 号>より
NAB取材の帰りにロス市内で少し買い物した。とはいってもいわゆるアメリカ土産のようなものではなく、撮影機材である。Samy's Cameraは全米6箇所にショップを構えるプロショップだ。ロスには4箇所ある。
・窓一つないSamy's Cameraの建屋

そこで見つけたのが、iPhone用のテレ・ワイドレンズ「Olloclip Active Lens」だ。以前iPhone 6/6 Plus用にでていたのは知っていたが、ツインレンズのiPhone 7 Plus用のものが新しく出ていた。もちろん日本でも買える。価格的にはだいたい12,000円前後である。
・「Olloclip Active Lens」

きちんと固定されるレンズ
スマホ用の拡張レンズは、今や100円ショップでも売られているほどに普及した。多くはクリップ型になっており、スマホにちょいと挟んで使えるようになっている。
筆者は100円ショップではなくケンコーの「リアルプロ クリップレンズ」を使っている。さすが光学アクセサリーメーカーが作っているだけあって、歪曲が少ないワイドレンズだが、若干不満があった。
ご存じのようにiPhone 7 Plusにはレンズが2つ並んでいる。だが多くのクリップ型レンズは1レンズを前提に作られているため、iPhone 7 Plusに使うと、きちんとはまらず安定しないのだ。
・リアルプロ クリップレンズはツインレンズを想定していないので、すぐ位置がずれる

少なくともレンズはまっすぐに装着しないと、設計された解像度が出ないばかりか、映像に歪みが出てしまう。これまではちょこっと使うだけだからと妥協してきたのだが、最近はOsmo Mobileで取材動画を撮影するようになった。元々iPhoneでは動画では画角が一段狭くなるので、撮影中にズレないワイドレンズが必要になってきたのだ。
解像感の高いレンズ
製品にはワイドとテレのレンズが2本入っている。取り付け用クリップは、iPhone 7用とiPhone 7 Plus用があるので、レンズのほうを付け替えて使用する。
iPhoneに装着するにはiPhoneケースを外さないときちんとはまらないが、いったん装着するとぐらつきもなくピッタリはまる。裏表にレンズがあるが、メインとインカメラ両方の位置が同時に合うようになっている。
・ガッチリはまるOlloclip Active Lens

実際にケンコーのクリップレンズと撮り比べてみた。ケンコーのレンズはちょっと装着がズレるとケラレが発生するのに加え、解像感が落ちる。
一方Olloclipは、ケンコーよりも若干ワイドで、解像感は高い。ただそのぶんだけ画面の歪曲は大きくなる。
・iPhoneノーマルで撮影

・ケンコー「リアルプロクリップレンズ」で撮影。上部にケラレが出ている

・Olloclipのワイド側で撮影。近景は湾曲が目立つが、解像感は高い

前後をひっくり返すと、2倍の望遠レンズが使える。元々iPhone 7 Plusには2倍のレンズが付いているが、これはOlloclipが塞いでしまうので使えなくなる。手ぶれ補正が使えて光学2倍になるというメリットはあるが、Plusではそれほど積極的に使う意味はない。
・ひっくり返せば2倍のテレレンズに

優れものなのは、持ち歩き時にクリップを止めておくための台座だ。これを開くとiPhoneの固定台になる。ちょこっとした動画撮影で、手で持っているわけにはいかない時には重宝しそうだ。
・台がスマホスタンドになるなど、細かいところがよくできている

スマホ用拡張レンズとしてはかなり高価なので、元が取れるようにしっかり使っていきたいところである。
小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」
2017年5月19日 Vol.127 <Catch up If you can 号> 目次
01 論壇【西田】
ナデラ・マイクロソフトという企業
02 余談【小寺】
細かいワザあり、iPhone7 Plus用レンズ
03 特集【小寺】
NAB2017レポート (2)
04 過去記事【西田】
「行列」はITで退治できるか
05 ニュースクリップ
06 今週のおたより
07 今週のおしごと
コラムニスト小寺信良と、ジャーナリスト西田宗千佳がお送りする、業界俯瞰型メールマガジン。 家電、ガジェット、通信、放送、映像、オーディオ、IT教育など、2人が興味関心のおもむくまま縦横無尽に駆け巡り、「普通そんなこと知らないよね」という情報をお届けします。毎週金曜日12時丁度にお届け。1週ごとにメインパーソナリティを交代。 ご購読・詳細はこちらから!
その他の記事
|
【ダイジェスト動画】名越式仏教心理学を語る(名越康文) |
|
パワーは正義。USB Type-C PDで変わるモバイル(小寺信良) |
|
「テレビに出ている若手ロシア専門家」が古典派ロシア研究者にDISられる件(やまもといちろう) |
|
美食ブームから連想する人間の生態系の急速な変化(高城剛) |
|
柔らかい養殖うなぎが美味しい季節(高城剛) |
|
「USB-C+USB PD」の未来を「巨大モバイルバッテリー」から夢想する(西田宗千佳) |
|
「ネットが悪い」論に反論するときの心得(小寺信良) |
|
「スルーする」ことなど誰にもできない――過剰適応なあなたが覚えておくべきこと(名越康文) |
|
「外組」と「内組」に二極化する時代(高城剛) |
|
「小学校プログラミング必修」の期待と誤解(小寺信良) |
|
暦から社会と自分の未来を読み解く(高城剛) |
|
「文章を売る」ということ(茂木健一郎) |
|
「都知事選圧勝」小池百合子は日本初の女性首相の夢を見るか?(やまもといちろう) |
|
街は誰のものなのか(高城剛) |
|
世界でもっとも自然災害リスクが高いのに世界でもっとも幸せな国の一つと言われるバヌアツの魅力(高城剛) |










